ブログでは伝えられません!

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昨日11月3日(木)に開幕した日本最大級のサイエンスコミュニケーションイベント「サイエンスアゴラ2016」。

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未来館や近隣の施設で6日(日)まで開かれるこのイベントでは、さまざまな団体が科学と社会をつなぐ活動を紹介しています。

今回は、その魅力を速報でお伝えしましょう!


 

・・・が。


 

私、志水、伝えられません!!!


 

「え?科学コミュニケーターがさじを投げるの?」

・・・というわけではありません。

サイエンスアゴラの魅力は、文章を読んだり、写真を見ただけでは伝わらないのです。

今週末、東京・お台場まで実際に足を運びたくなるようなお話をご紹介しましょう。


 

■匂いをかがないと、伝わりません!

初めに訪れたのは、「未来社会をそうぞうする~仮想研究所2016~」

未来館の1階中央に設置された、3色の大きな看板が目印です。

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3つの研究グループのうち、注目したのは、匂いについて研究している東京大学・東原和成先生の研究室。さまざまな匂いを実際にかぎながら、不思議な体験をすることができます。

私が体験したのは、ブタの性フェロモン「アンドロステノン」。人によって感じ方が全く異なることが知られています。

まずは私、志水が挑戦。

20161104_shimizu_03.jpg「...これ、匂い入ってます?」

私には何にも感じられません。他の匂いはちゃんとかげたので、鼻が詰まっているわけではないのです。

次に、隣にいた女性(写真右)にも、かいでいただきました。

20161104_shimizu_04.jpg「うわっ、なにこの嫌な匂い!」

思わず顔を背けてしまいました。人によっては、わきの下の匂いに感じるそうです。

そして、東原研究室の学生・平澤佑啓さんにも、かいでいただきました。

20161104_shimizu_05.jpg「はい、良い香りですよ」

名誉のためにも言っておきますが、平澤さんは特殊な匂いフェチというわけではありません(笑)

平澤さんにとっては、芳しい匂いなのだそう。

いったいなぜこのように人によって匂いの感じ方が異なるのでしょうか?


 

平澤さんによると、この違いは「嗅覚受容体のかたちが人によって異なるから」

嗅覚受容体とは、アンドロステノンなどの匂い物質をくっつける「センサー」のようなタンパク質のこと。

鼻の奥、匂いを感じる場所にある神経細胞の表面にたくさん並んでいます。

このセンサーは人によってかたちが異なることが知られています。かたちが異なると匂い物質のくっつきやすさが変わり、その結果、神経細胞の活動パターンも変わると考えられています。これが匂いの快・不快・無臭の大きな要因だそうです。

この実験、ご家族そろって試してみるのも面白そうですね。


 

■触らないと、伝わりません!

つづいて訪れたのは「This is ImPACT! ~プロを育てる未来のヒューマノイド~」。

同じく未来館の1階で大人気のブースです。

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何を触れるのかというと...


 

20161104_shimizu_07.jpg透明の脳だあ!

もちろん、本物の脳ではありません。ポリウレタンのゲルでつくられた、形や感触が人間の脳にそっくりの模型です。

ずっしりと手にのしかかる重さや、しっとりとした手触りは、一種の生々しさを感じさせます。

こればっかりは触ってみないと伝わらない!

でも、なぜこのような本物そっくりの臓器が必要なのでしょう?

研究グループの名古屋大学・新井史人先生によると、「お医者さんのトレーニングや手術用具の開発のため」

今までの模型では、臓器の形は再現できても、その固さや弾力を正確にはかることができなかったため、感触が本物と違っていたそうです。新井先生らは、正確にはかる技術と再現する技術を組み合わせて、お医者さんにも満足していただけるような模型を日々追求しています。

他にも、固さや削った感覚が極めて本物に近い骨の模型(なんと塩が主成分!)も開発を進めています。

20161104_shimizu_08.jpgブースでは、新井先生(写真)らが開発中の精巧な人体モデルも見ることができますので、ぜひ足を運んでみてくださいね。

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■話してみないと、伝わりません!

画面の向こうにお伝え出来ないこのもどかしさ、届きましたでしょうか?

こればっかりは実際に匂いをかいだり、触ってみたりしないと伝わらないのです。


 

そして、もう一つ伝えられないことは、出展者とのお話が本当に楽しいということ。

紙幅の都合で伝えきれないような発見がたくさん出てきます。

「自分が好きな香水が、他人にとっては迷惑なことってあるのかな?」

「医療現場以外でも、人体模型が役にたつ場面がありそうですね」

人と人が出会うことで、それぞれの世界が広がります。


 

サイエンスアゴラは対話を通して、伝え合い、学び合う場。

私のブログを読んで、「読むだけじゃなくて、足を運んでみようかな」という方がいらっしゃればこんなに嬉しいことはありません。

今年のサイエンスアゴラは11月6日(日)まで。みなさんのお越しをお待ちしています。

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