'魔法の呪文'で楽しむ化学イベント!

10月に投稿した記事「俺、スカンジウム!」の続編。今回は、こちらのイベントをご報告します!

♪「歌と化学でつながろう スイヘイリーベ ~魔法の呪文~」

去る11月20日、「サイエンスアゴラ2011」の1イベントとして開催。未来館1階のアゴラ会場には、事前申込みの90人をはるかに超える約160人の方が集まりました。先月開催した友の会員向けプレイベントに引き続き、小学生のご家族連れが多くいらっしゃいました。

オープニングでは、素敵なゲスト陣をご紹介!!
♪柿島伸次さん(かっきー&アッシュポテト)
♪麻生祥一郎さん(かっきー&アッシュポテト)
♪長谷川美貴さん(青山学院大学 理工学部教授)

会場の皆さんの熱気・お三方の楽しそうな様子がかけ合わさって、ご登場の瞬間に、場の雰囲気が一気に高まりました。

まずは、柿島さん・麻生さんによる「スイヘイリーベ魔法の呪文」の生ライブ!

NHKアニメ「エレメントハンター」の主題歌として話題になった曲なので、さすが皆さん、メロディーをご存じの様子。アーティストご本人を前にして、会場の皆さんと一緒に、進行をつとめる私達も、どきどきワクワクしてしまいました。リズムにのって、自然に身体も動き、会場は笑顔が溢れてきます。

続いて、長谷川さんによる化学のお話!

小学生の方向けに、かみ砕いた表現でスライドをご準備下さっていました。「原子の大きさはどれほど小さいの?」や、「この透明の液体に、ブドウジュースを混ぜると何色になるでしょう?」といったクイズもあり、身近な視点で化学に親しむことができました。ジュースの色当てクイズは、長谷川研究室の学生さん3人が何と目の前で実験をしてくれました。ブドウジュースが注がれた透明な液体は、何と「緑色」に変化したのです。

Q: さて、なぜでしょう!!?(ヒント:透明の液体の中には、あるモノが溶けていました。あるモノとは!?アイディアのある方、ぜひコメント覧に投稿を! 1週間後に、同じくコメント覧で正解を発表します。)

そして、柿島さん・麻生さん × 長谷川さん による対談 。

長谷川さん:「どうして スイヘイリーベを作ろうと思われたんですか?魔法の呪文というサブタイトルも面白いですね!」

柿島さん・麻生さん:「化学を難しく考えるのではなくて、楽しく思わず口ずさんじゃうような曲を通じて、親しんでもらいたいと思ったからです。でも、ただ元素を順番に入れていくだけでは単調でも飽きちゃうし、どうやったら面白く歌える曲になるか、苦労したんですよ!」

柿島さん・麻生さん:「いつ頃から元素に興味を持ち始めたんですか?」

長谷川さん:「家にあった、母のこの本がきっかけです。母に読んでもらって、妹と一緒に一気にハマって、繰り返し読んでいました。私の原点です。」

長谷川さんが会場に持参くださった かこさとしさんの御本は、こちらの3冊。一番右の本が、長谷川さんの‘原点' となった「なかよし いじわる 元素の学校」初版!

お次は、会場の皆さんからの質問タイム!
「なぜ最後の方の元素は‘ウンウン’って付いているんですか?」

長谷川さん:「良い質問ですね~。不思議ですよね。‘ウンウン’と付いている元素は、これまで一度は人間が合成することに成功しているけれども、まだ正式には認められていなくて、これから名前がつく元素なんです。それから、‘ウンウン’というのは実は、元素番号の数字をヨーロッパの古い言葉、今は使われていない言葉でそのまま読んでいるんですよ。ウンというのは、‘1’という意味なんです。例えば、原子番号112は2年前に‘コペルニシウム'と名前がつきましたが、それまでは‘ウンウンビウム’と呼んでいたました。‘1(ウン)・1(ウン)・2(ビ)’に、元素の語尾‘イウム’が付いています。」

「スイヘイリーベ魔法の呪文で、覚えるのが難しかったところがあれば教えて下さい」

柿島さん・麻生さん:「やはり、ランタノイドとアクチノイドですね。ひたすら練習して覚えました(笑)」

エンディングは、再び・・・
柿島さん・麻生さんによる生ライブで、会場のみんなで大合唱!

タンバリンを持参して下さっていた方もいらして、大盛り上がりでした。

ご参加された皆さん、今回はありがとうございました!今後も、世代を問わずに楽しく科学に親しんでいただけるイベントを企画したいと思っています。
‘こんなイベントがあったら嬉しいな!'というご意見ありましたら、コメント覧にお願いします。(こちらは、クイズの正解発表と違って、年中受付中!!)

イベント数日後、長谷川先生から伺ったお話では、実験に協力下さった学生さん3人は、イベントを終えた後、日曜日なのに研究室に戻って、徹夜で実験・勉強会の発表準備をされたとか。頭が下がります。ぜひ、皆さん、これからは若い研究者にも注目です!!

最後に、長谷川さんが会場に持参下さった周期表コレクションをご紹介させて頂きます。圧巻!!
‘周期表タクシー’in Oxford
‘つみ木版周期表’byアメリカ化学会
旅先で、面白い周期表に出会ったら、ぜひ未来館にも教えてください。長谷川さんにお伝えしたいと思います!!

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