サイエンティスト・トークのその後

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こんにちは、田端です。今回は、12月23日に開催したサイエンティスト・トークのその後の話を少し紹介したいと思います。

 

○     インタビュー

イベントが大盛況に終わって、一息つきながら引き続き蔡安邦先生にお話をうかがいました。

「今回のイベントを終えていかがでしたか?」という質問に対して

今まで大学や研究会などある程度知識のある人に向けてならば準結晶についての講演はしてきましたが、

今回のような一般向けのイベントは初めてです。

当たり前に使っていた言葉や図も一般の人にとっては初めて見聞きしたものです。

それをどこまで噛み砕いてやさしく解説できるかのレベルや、クイズや模型を使って参加感を出す工夫を会得できたと思います。

準結晶は難しいですが、工夫次第でこんなにも参加者は興味を持ってくれるんだということがわかってうれしかったです。

 

今まで、我々研究者は一般に分かりやすく説明することに十分努力をしていなかったのかも知れないと感じています。

今回のイベントの内容を、これからは一般向けのサイエンスカフェなどに活かし、

準結晶をさらにたくさんの人に知ってもらいたいと思っています。

 

 

「先生の研究のスタンス」について

12年前、若い研究者たちとチームを組んで準結晶の研究を進めました。

そのチームでの経験が今の研究の姿勢にも活きています。

そのチームはさまざまな分野の専門家(金属、理論物理、触媒化学・・・)が集まった少数精鋭部隊。

優秀な研究者たちがそれぞれの分野の知識やアイデアを持ち寄り、

その接点で新しい発見や思いもよらなかった観点が生まれるのが楽しかったです。

互いに教えあい学びあっていました。

それぞれの考え方に“個性”があるのも面白いです。

例えば物理屋は何事も精密に考え、説明できないことには納得しない・・・とかね。

(理系の世界では分野ごとに○○屋と呼ぶことが多いです。不思議ですね。ちなみにワタクシ田端は岩石屋です)

そしてそれぞれが自分の分野にコネクションがあるので、

分野的にも地理的にも広いネットワークを使えることが研究に有利に働きました。

このように、研究はさまざまなたくさんの人と協力し合って進めるものだと私は思っています。

 

研究には大型で高額の装置が必要になることもしばしばで、準結晶研究も例外ではありません。

しかし私には世界中の研究者と繋がっていて協力し合える関係がある。

世界にある分析装置、観測装置は自分のものだと思っています。

研究は競争だけではなく協力によって促進されるのではないかと思います。

 

未来館の科学コミュニケーターもさまざまな分野の専門家の集まりです。機械工学や生物、宇宙物理に岩石学、化学に情報工学・・・、先生の以前の研究チームと未来館で似ているポイントかもしれません。

 

 

○     食事会

インタビューが終わった後に先生と数人の科学コミュニケーターと中華を食べに行きました。

そう、研究者と交流を深めることも私たち科学コミュニケーターの仕事(?)であり、楽しみのひとつです。

食事会の席では、ノーベル賞発表の日の話がでたり、

ノーベル賞の選考基準について議論をしたりしました。

また、日本の納豆v.s.台湾の臭豆腐、どっちが臭いかの議論も盛り上がりましたよ。

そうそう、こんなこともありました。

先生が中国語で店員さんに何か伝えると、数分して店員さんが持ってきたのは・・・

燗の紹興酒と甘い干し梅。干し梅を紹興酒に入れて数分待ってから飲む。

これが“通の飲み方”だそうで最高においしいんです!皆さんも試してみてください。

 

科学や研究の意義や私たちの生活とのかかわりを伝える科学コミュニケーターと研究者との夜。

フランクな話を交えながらも私たち科学コミュニケーターは、

「研究者がまさに今何を考えていて何をしているのか」を、

そして研究者である蔡先生は

「一般の人々が何を知りたがっているか、つまり社会は科学に何を求めているのか」という情報を

持って帰ることができたのではないかなと思います。

また、先生は大学の学生とはちがう若い衆とざっくばらんに話せたのをとても喜んでいらっしゃいました。

 

 

と、ここでサイエンティスト・トークの報告は終わりです。

最後に、蔡先生が「準結晶をもっとみんなに知ってもらうために使ってください」と準結晶の原子クラスター(原子の塊)30面体模型を未来館に置いていってくださいました。

未来館にお越しの際はぜひこの模型を探してみてください。3Fの質問コーナー、もしくは実験工房にあります!

 

 

 


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