SFを科学する ~コンタクト編~ 電波で探れ!宇宙の謎

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夜空に広がる満点の星々。しかし、光で見える宇宙は、宇宙のほんの一部でしかないことをご存じでしょうか?

SFから科学技術を探るブログシリーズ、今回は映画「コンタクト」から、光で見えない宇宙の姿を探る天体望遠鏡を紹介します。

「コンタクト」は1997年に公開されたSF映画で、同僚の豊田もブログで紹介しています。天文学者の主人公エリーがある日、地球外生命体からのメッセージを受け取ったのを機に、科学や政治、宗教などが入り混じった大騒動に発展していきます。

この映画を見て、天体観測のイメージが大きく変わった人も多いのではないでしょうか?

私は「天体望遠鏡」と聞くとレンズなどで光を集めて観測するものしか思いつきませんでした。しかしこの映画でエリーが使用する天体望遠鏡は、広大な土地に配置されたたくさんのパラボラアンテナなのです。パラボラアンテナは電波を受信する装置で衛星放送や通信で使うイメージが強いもの。なぜこれで宇宙観測ができるのでしょうか?

実は私達の目で見える光(可視光)を放つ天体は限られています。高いエネルギーを持つ天体だけしか光を出しません。宇宙空間にある塵やガスはとても冷たいので、可視光では見えません。そのかわり、電波を出します。なので、電波をキャッチすれば可視光では見えない暗黒の宇宙の姿を見ることができるのです。電波を集めて観測する望遠鏡のことを、電波望遠鏡と呼びます。

映画公開から14年経った昨年9月、世界最大の電波望遠鏡が観測を開始しました。その名は「ALMA望遠鏡」。ALMA望遠鏡は地球の反対側、チリの標高5000メートルのアタカマ砂漠に現在も建設中です。最終的に66台のパラボラアンテナが揃うと、直径18.5キロメートルの電波望遠鏡に相当する空間分解能(=視力)を得ることができます。

完成予想図はこちら。

写真:国立天文台提供 Credit: ALMA(ESO/NAOJ/NRAO)

実際の写真がこれ。

写真:国立天文台提供

どうです?あなたが想像していた天体望遠鏡のイメージとかけ離れていませんか?

ALMA望遠鏡では以下の宇宙の謎が解き明かされると期待されています。

宇宙誕生後、いつどのようにして銀河が作られたのか?

太陽系や惑星はどうやってできたのか?

生命のもとになった物質はどのようにできあがったのか?

これらの謎が解明されれば、天文学は大きく進展するでしょう。「コンタクト」で電波望遠鏡により世紀の大発見がもたらされたように、ALMA望遠鏡は私達の宇宙観を大きく変える可能性があるのです。

未来館では4/14()に国立天文台ALMA推進室の平松正顕先生をお招きしたトークイベントを開催します。イベント中にはALMAの観測施設と中継を結び、現地とのやりとりも行います。この機会にぜひALMA望遠鏡が切り開く新しい宇宙像を感じてみてください。詳細はコチラ

関連リンク:ALMA望遠鏡 国立天文台

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