オーストラリア「サイエンス・サーカス」に行ってきました!

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皆さま、お久しぶりです、竹下陽子です。全国連携協議会の研修で、オーストラリアの科学館が取り組んでいる「サイエンス・サーカス」を見学してきたのでご紹介します!

[caption id="attachment_14199" align="alignnone" width="300" caption="Shell Questacon のトレーラー"][/caption]

広いオーストラリアならでは

訪れたのは、首都キャンベラ。あまり海外旅行では行かない街ですよね。この街に、未来館ともつながりのある科学館「Questacon(クエスタコン)」があります。

オーストラリアでは、広大な土地に街が点在しています。そのためクエスタコンでは、科学教育施設へのアクセスが難しい地域へ、トレーラーで巡回する「サイエンス・サーカス」に取り組んでいます。



バスケットコートがプチ科学館に

[caption id="attachment_14200" align="alignnone" width="300" caption="展示エリア(体重をかけると回転する台)"][/caption]

この日の会場は、キャンベラ郊外の高校。体育館にクエスタコンの展示フロアでも目にした展示物が、巡回用にコンパクトになって設置されていました。

 

参加型のショーに興奮

展示のほかに、30分ごとに内容の異なる実験ショーを開催していました。開催場所は高校でしたが、参加者の多くは未就学児を含む子どもたち。スタッフは、子どもと一緒に、小道具を使った「あっ」と驚く実験を繰り広げていました。

[caption id="attachment_14201" align="alignnone" width="300" caption="実験ショー(空気砲-“I can’t believe. It’s Science !”より)"][/caption]

 

スタッフの正体は・・・

大盛り上がりだったショーの後で、このサーカスを運営しているマネージャーの方にお話を聞きました。特に興味深かったのは、このショーを行っている方たちのこと。

先ほど、魅力あるトークで観客を引き込んでいた彼らは、実はオーストラリア大学の大学院生というのです。この大学には、科学コミュニケーションを研究する科学意識向上センターがあります。サイエンス・サーカスは、このセンターと科学館の共同で成り立っており、もう27年間このような関係が続いているそうです。

[caption id="attachment_14202" align="alignnone" width="300" caption="サーカスを担当する学生"][/caption]

実際に活動する学生の方にもお話を聞きました。

このプログラムに参加できる学生は、わずか15人という狭き門。見事パスすると、Shell社から1年間の奨学金を受けることができ、約50種類のサイエンスショーの道具を詰め込んだトレーラーで、4週間のツアーを年に3回実施するそう。

1回のツアーで訪問する学校は100~400校、ショーの実施だけであれば平日1日最大で8校の学校を回ることもあるのだとか。

お会いした方の中には、船にトレーラーを乗せてタスマニア島まで行った方もいらっしゃいました。

サーカスは人材育成の場

学生さんが担当するのは、主に展示エリアと科学実験ショーでのコミュニケーションです。ツアーに出かける前に、すでにあるショーを4つ実演できるように訓練され、慣れてくると新しいショーの開発にも取り組んでいきます。

科学を伝えるスキルを学んだ彼らは、卒業後にメディアや政府機関、研究所などでの活躍が期待されます。実際、すでに多くの学生が輩出されてきました。

これから・・・

1日に最大で8校を回るツアーを4週間とは、学生のパワフルさに驚きました。以前、私が展示フロアで解説業務を行っていた際には、4日間の勤務で電車を乗り過ごすほど疲れていましたから。彼らは、ここでの活動を有意義に感じ、熱心に取り組んでいる様子でした。

興味深かったのは、科学館、大学、市民の関係です。日本では、大学と科学館が、これほどまでに密接に関わり合って活動している例はほとんどありません。これを実現したのは、三者にメリットがある素敵な関係でした。学生にとっては、社会に羽ばたく効果的なトレーニングになるこの活動。それと同時に、科学館にとってはアウトリーチ活動につながり、近くに科学館がない地域からは、絶えずニーズがあるわけです。それらがマッチしたこの活動は、みんながハッピーな三角関係を築いていたのです。未来館では、大学や研究機関、科学館と連携し、全国の科学コミュニケーション活動の活性化を目指しています。昨年度は、いくつかの大学と連携を図り、大学生に展示フロアを活用した科学コミュニケーションの場を提供しました。

しかし、科学コミュニケーションが必要とされる場所は、他にもたくさん考えられます。今年度は、研究者や教員の方むけに展開するプログラムにも取り組んでいきたいと考えています。

さまざまな機関との連携においては、まだまだこれからの未来館。オーストラリアに負けず、頑張らねばなりません!

[caption id="attachment_14203" align="alignnone" width="300" caption="サイエンス・サーカスにて"][/caption]

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この記事への1件のフィードバック

良いですね。オーストラリア。

。。。じゃなくて、サイエンスサーカス。

日本にも「旅芸人」という文化があったのだから、

「サイエンスショー一座」みたいなのがあっても良いかも。

対外連携は、利害関係もあって、調整の苦労も多いかと思いますが、頑張ってください。

期待しています p(^-^)q

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