種をまくひと

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先日、とてもうれしいことがありました。

私の元に1通のはがきが届きました。さて、差出人は誰でしょうか?

 

話はおよそ1ヶ月前にさかのぼります。

私はその日、3人の小中学生と一緒に仕事をする機会に恵まれました。未来館がこの7~8月に行った「半日科学コミュニケーター体験」でのことです。

日替わりで一人の科学コミュニケーターが参加者とともに半日を過ごし、科学コミュニケーターとしての仕事や未来館への理解を深めてもらうイベントでした。

3階展示の「インターネット物理モデル」で、子どもたちが科学コミュニケーターとして仕事をしてくれました!


私の担当日に参加してくれたのは、小3と中3の兄弟、そして小5の男子、計3人。当日までの心配をよそに、とっても人なつっこい彼らとはすぐに打ち解け、私自身がとても楽しい時間を過ごしました。

彼らの仕事ぶりは予想以上でした!与えられた仕事をこなすのはもちろん、どうすればお客様に楽しんでもらえるのか、失敗しないようにできるのか、常に自分たちなりにアイデアを出し合い工夫していました。

とりわけ「僕たちが良くないことをしたら、未来館のイメージが悪くなっちゃうもんね」と、未来館スタッフとしての自覚をもって仕事をしてくれた姿に、私は言いえぬ感動を覚えました(彼らが精一杯努力している様子に、私はひそかに感涙)。

 

そして、話は冒頭に戻ります。はがきの差出人は、この体験に参加してくれた小3の男の子でした!!!

はがきには、半日科学コミュニケーター体験が楽しかったという感想とともに、この夏の思い出がつづられていました。

「残暑お見舞い」なんて、漢字を書くのが大変だったろうに。何より、充実した夏休みを過ごして、私のことなんてすっかり忘れてしまう頃だろうに・・・。

夏の終わりに私のことを思い出してくれるほど、未来館でスタッフとして過ごした半日が、彼にとっては楽しく特別な時間だったのでしょう!

 

少し話はそれますが、科学コミュニケーターとして私が日ごろ意識しているのは「種をまく」ことです。

未来館には多くの子どもたちが訪れますが、彼らがみな、未来館の展示を理解し、科学的なものの見方を培うわけではないでしょう。でも、何かを触ったり物が動くのを見たりして、また私たち科学コミュニケーターと話をして、純粋に「楽しいな」と感じてもらえたら、それがチャンス!

その時には難しくて分からなかったとしても、楽しい記憶として彼らの心にまかれた「種」が、ゆっくりと成長し、何かをきっかけにして「花開く」ことがあるでしょう。

「楽しい」とは単純ですが、「楽しい」と思えることは、興味への入り口。

いつの日か科学の世界で多くの花が開くよう、来館者の皆さんにせっせと種をまくべく「コミュニケーション」をするのが、私の仕事だと思っています。

今回出会った3人の子どもたちが、未来館でスタッフとして半日を過ごし、それを目一杯楽しんだというかつての記憶を頼りに、いつの日か科学の世界で羽ばたいてくれたら、科学コミュニケーターとしてこれ以上の喜びはありません。

いつかそんな喜びを味わう日を夢見て、私は今日もせっせと種をまきます。

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この記事への4件のフィードバック

こんにちは。

タイトルを見て、ミレーの絵を思い出してしまいました。

種をまく仕事・・・いいですね。私も他のことでそういう人になりたいものですが、自分自身がまだ芽が出たばかりのような人間なので・・・暫くは努力が続きそうです。

本当にたくさんの人の元で花咲くといいですね。

未来館はこんな人材育成にも取り組んでいたんですね。嗚呼感涙

秩父のアナぐら 様

コメントをありがとうございます。

ミレーの『種をまく人』にも、様々な意味が込められていますよね。

私自身も未来館で芽を出し始めたばかりです。お客様に種をまきつつ、お客様からたくさんの水や光を受け取り、育てていただいているのだと感じます。

未来館でたくさんの花を咲かせるために、これからもぜひお力添えをお願いします!

吉田和人様

人を育て、育てられ。感動の涙は私の成長の肥やしです。

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