ワインで語る地球の姿

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突然ですが、今日11/15(木)は何の日でしょうか。そう、フランスの新酒ワイン、ボジョレー・ヌーヴォーの解禁日です。毎年11月の第3木曜が解禁日とされ、日本でもそのフレッシュな味わいが楽しまれています。その年のワインの出来をあれこれと話題にするのも、この季節の楽しみと言えるでしょうか。

でも、いったい何がワインの出来を左右するのでしょうか。毎年、同じように最高のものは出来ないのでしょうか。実は、ワインの向こう側には、今の地球の姿が見えているのです。

皆さんもご存じのように、ワインはブドウの果汁を発酵させて造るお酒です。材料となるブドウの質が良ければ、それは当然ワインの出来にもつながってきます。では、ブドウの質を決めるのは何かというと、大きな要因は「気候」です。北半球では、6月の前半にブドウの開花を迎え、9月の後半に収穫が行われます。その間の約100日の日照量降水量は、ブドウの質やワインの出来に大きな影響を与えます。

まず、日照量について。ブドウは植物ですから、太陽の光を受けて光合成することで、体内にブドウ糖が作られていきます。もし日照量が不足すれば、光合成が十分に行われず、ブドウ糖が少ないまま収穫を迎えることになります。そうなると、そのブドウから造るワインは、痩せた味わいになりがちです。

次に降水量。ワイン用のブドウ栽培に適した降水量は、年間500mmから900mm程度とされています。少なすぎてもブドウは育ちませんが、収穫期に雨が多いとブドウが水を吸い過ぎ、出来るワインも水っぽい味わいになったり、酷いときにはブドウの果実が収穫前に破裂してしまうこともあったりします。

それ以外にも、様々な気候要素が絡んできます。例えば、その土地の気温によって、栽培できるブドウ品種や造れるワインは変わってきます。また、一日の中での気温の変化が大きければ、夜間の呼吸による糖の消費量が抑えられるため、よりボリュームのある味わいとなります。もちろん、それらの気候に合わせてブドウの栽培方法やワインの醸造方法を変えるなど、「」の努力は言うまでもありません。

そうして造られたワインは、気候に大きく影響を受けることから、今の地球の姿を映す「鏡」と言えるのかもしれません。そして、今年の新酒ワインは、今年降り注いだ太陽の光と雨からできているのです。

さて、今年のボジョレー・ヌーヴォーの出来は、あまり良くないと聞いています。今年のボジョレー地方は天候不良に見舞われ、なんと夏なのに雹を伴った嵐まで来たということで……。それでも、ワイン造りまでこぎ着けられたのは、造り手たちの熱意によるものでしょう。

そして、年々の変化もさることながら、長期的には大規模な気候変動が私たちを待ち受けています。温暖化が叫ばれて久しいですが、気温の上昇に伴って降水量の変化も予測されています。変わりゆくこの地球で、これからのワイン造りはどうなっていくのでしょうか。

そのようなテーマについて、来週11/24(土)の夜間開館では、これからのワイン造りを担う造り手を招いて、トークイベントを開催します。美しく耀く夜のGeo-Cosmosの下で、これからの地球とワインの未来に、思いを馳せてみませんか。

あ、もちろん未成年の人は、飲んではいけませんよ! 念のため。

(参考)

トークイベント 「ボジョレーだけじゃない? ワインで語る地球の姿」

http://www.miraikan.jst.go.jp/event/121109137422.html

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