いざ南極へ!しらせが出航

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先日、しらせ南極に向けて出発しました!

東京港晴海埠頭を出発し、南極への最後の停泊地であるオーストラリアに向けて旅立ちました。

 

その「しらせ」の中を見学する、クラブMiraikan向け秋の恒例イベント、

10月5日に開催されたリアルラボ@南極観測船「しらせ」の様子をお伝えします!

悪天候にも関わらずほとんどの参加予定者が来てくれました。

 世界トップクラスの砕氷船「しらせ」

やっぱり大きかった!

お客さんもその大きさに驚いたようで、雨も気にせずいろんな位置からしらせを撮っていました。「しらせ」の全体を入れようとした記念写真では、私たちは本当に小さくしか写りません。

 

 

集合写真

海上自衛隊・横須賀基地に帰港中の「しらせ」前にて

 

「しらせ」は南極での観測や研究を目的とした船ですが、所有しているのは自衛隊。なので、自衛隊員の案内なしには船内はもちろん、基地の中にある停泊所までの道にも一部入ることができません。

今回見学した「しらせ」は南極観測船の4代目。

燃料やヘリコプターのように活動に必要な物資を積むのはもちろん、環境へも配慮するため、廃棄物の処理や生活汚水を浄化する装置も備えているのだとか。

 

自衛隊の方々の案内のもと、さっそくしらせの船内へ。

 

 乗船写真

まず

国立極地研究所の石沢賢二先生から南極についてのお話をしていただきました。石沢先生は、過去5回も越冬経験があるベテラン隊員。主に南極での生活や観測を支える設営のお仕事に関わっています。

今回、なぜこのような設営の専門家にお話をお願いしたのには、ワケがあるんです。

 

今回は第55次隊。前回と前々回の第5354次隊のときには、氷が厚すぎて砕氷船「しらせ」の能力を持ってしても、昭和基地の近くに接岸することができませんでした。

そこで今回は接岸することを最大のミッションとし、前回、前々回に昭和基地に届けられなかった分も含めてたくさんの物資を積む!目的があるのです。

 

今回こそは接岸できるといいですね!

 

とはいうものの、

石沢先生は設営の話以外にもさまざまなことをお話してくださいました。

例えば、昭和基地やドームふじ基地のこと。

コウテイペンギンやアザラシ、オーロラといった南極の珍しい自然

また、体力勝負な極地での食事事情、ストレスをためないための工夫など、基地での生活について。

一方で、ペンギンの数の変化や行動についての研究、オゾンホールの面積の推移、温室効果気体の濃度変化、といった南極研究の紹介もあり、あっという間の一時間でした。

 

中でも印象的だったのはドームふじでの氷床コアの掘削

 追加ドームふじ  アイスコア   (極地研)

極地研究所HPより引用

 南極の氷は数十万年かけて降り積った雪が押し固められてできたもの。そこに閉じ込められた空気などを調べることで、例えば10万年ごとの二酸化炭素の周期的な変動がわかったり、この200年で生じている急激な増加を確かめたりすることができるのだとか。

数十万年分の大気の状態を閉じ込めた、いわばタイムカプセルなのですね。なぜあれほどの重装備をしてまで南極という遠いところに行くのか、なんだか少しわかってきたような気がします。

 

 また、私の好きなオーロラについてもお話ししてくださいました。 

太陽や宇宙からやってくる粒子が、地球の自転によってつくられた磁場に沿って極に流れ込み、大気中の粒子と衝突することで見られる光のカーテン。

図1

 図2

極地研究所 石沢賢二撮影

 「カメラで撮ると緑色に見える写真が多いけど、実際にはもっと白っぽいよ」

と石沢先生。

 

こんなオーロラ、実際に見られたらいいですよね。 本物とまではいきませんが、東京立川にある国立極地研究所の付属施設、南極・北極科学館ではオーロラシアターがあり神秘的なオーロラの姿を見ることができるそうです。

 

講義が終わったところで、

南極では動物とふれあったりできるんですか?」とお客さん。

 南極では自然環境の保護を目的とした国際的な取り決めがあり、動物に近づく距離は制限されているそうです。映画「南極物語」で登場するタロとジロの話から、南極のイメージとして根強い「犬ぞり」も現在では利用されていません。もちろん、科学的な調査研究といった理由を除き、動植物や鉱物の持ち帰りも今は禁止だそうです。 

石沢先生の講義風景

その南極への船旅は日本から数ヶ月はかかります。こんなにも長い期間、乗組員のみなさんは船内でどんな生活をしているのでしょうか?

 

次は船内見学です。

 階段を上りきった先は甲板。ではなくその真下。

そこに乗組員のお部屋が並びます。

 全体的に金属部分が多かったりモノトーンだったり。どれも頑丈そうな分、けっこう無機質なイメージでした。その中がこちら。船の内側に当たる部分なので、部屋に窓はありません。

部屋 

隊長の部屋とはえらい違いだね!」と驚くお客さん。

そうなんです。

実はこのお部屋の前に見せていただいた観測隊の隊長の部屋はこちら

 隊長の部屋

 「広いから、夜にみんなが集まって雑談する場にもなっているよ」と極地研の先生。

南極の基地での共同生活に備え、しらせの中から観測隊員同士のコミュニケーションを大事にした生活をしてるそうです。

 

 急な階段を上がり、甲板に出て、さらに歩きます。

 

歩く 

ると大きなヘリポートの脇に、こんなスノーモービルが。

みなさん、こんな感じで次々とスノーモービルに試乗して記念写真を撮っていました。

 大渕スノーモービル

写真の中で試乗しているのは同僚の科学コミュニケーター大渕です。

よく見ると、スノーモービルに「しらせ」の文字が書かれています。

 

さらに歩き、船の先頭に到着。こちらは船長専用のお席。

 船長席

ここでも大渕がちゃっかり座っています。

 こちらもみなさん、次々と座り船長の気分を味わったようです。

写真ではわかりにくいと思いますが、この席は船の先頭のだいぶ右よりの位置。

なぜ右側にあるの?」とあるお客さん。

 「海上では右側航行になっているので、右側がよく見えないと」と自衛隊の方。海上での交通ルールのためとわかり、お客さんたちもなっとくのご様子です。

 

 「しらせ」では乗組員に、ラッパの合図で起床時間や食事の時間を知らせます。実際に、自衛隊の方がその音を聞かせてくれました。一回一回、拍手が起こる人気ぶり。たくさんのお客さんに囲まれ、ちょっとしたアイドル状態でした。

 

変更 ラッパ

 

 その後、はじめに講義を聞いた部屋に戻り、自衛隊と極地研の方々にお礼の挨拶をし、これにてイベントは終了です。

 帰り

 

まずはオーストラリアに向けて旅立った「しらせ」。日本を出るときには自衛隊の方々だけですが、オーストラリアで観測隊員の方々を乗せます。そして、12月中旬~下旬ごろに昭和基地に到着する予定です!

 

図3

 極地研究所 石沢賢二より提供

 

イベント概要

リアルラボ(クラブmiraikan向けイベント)

イベントアーカイブはこちら

https://club.miraikan.jst.go.jp/friendship/event/eventdetail/1308311614061.html

開催日時:2013105日(土)13:00-16:30

開催場所:南極観測船「しらせ」

(停泊地:海上自衛隊横須賀基地、JR横須賀駅から徒歩5分)

参加人数:39

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この記事への3件のフィードバック

今年こそ、無事に昭和基地に接岸して欲しいですね。

立川の極地研に見学に行った時に、今年行かれる方が、

自動操縦で動く輸送用の雪上車とかが、昭和基地に運べなくて、

泣く泣く戻って来たともおっしゃっていました。

地球温暖化など、環境問題もクローズアップされているだけに、

南極観測隊の研究も、今まで以上に大切になってきますね。

ちゃろ様

おっしゃる通りですね。

出発の数日前、しらせ乗組員の壮行会に参加しましたが、今年こそは!という隊員の方々の意気込みを感じました。無事に接岸できることを期待したいです。

極地研のHPに毎日の位置が表示されているようです。よかったらご覧ください。

榎戸様

しらせの位置がわかるページはこれですね?

http://www.nipr.ac.jp/jare/shirase/index.html

ちょうど昨日、オーストラリアを出港したところでした。

極地研のHPは何度か見たことがあったのですが、

これは初めて見ました。

教えて下さり、ありがとうございました(^-^)/

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