"モーター酵素"をLEGOブロックで再現!Maker Faire 2013

このエントリーをはてなブックマークに追加

 

こんにちは、朝起きるのがつらい堀川です。街にはイルミネーション、冬も間近ですね。

さて、11月3(日)、4(月)の連休、Maker Faire 2013が未来館で開催されました。Make Faireは今流行りのDIY (Do It Yourself ! 自分で作ろう!) をテーマにした "ものづくり" のイベント。私も流行りに便乗して(?)いえ、未来館の科学コミュニケーターとして、ある目論みのもと、ブースを出展しました。

make

その目論みとは...

Makerたちに生物の巧みさ、面白さを感じてもらうこと!

そして、その題材に選んだのが「ATP合成酵素」です。


未来館の研究棟には、様々な分野の先端の研究をしている研究者たちがいます。ロボット、太陽電池、遺伝子改変マウスなど、様々な分野の研究が行われています。研究者の一人、京都産業大学の吉田賢右先生は、ATP合成酵素を究めて30年以上、まさにATP合成酵素のパイオニア。

私は、先生から「ATP合成酵素は地球上のあらゆる生物がもつ、世界最小のモーター」というお話を聞いて、自分の体の中で、こんなにも "メカっぽい" ものが働いているのかと驚きました。(ATP合成酵素の動きは、こちらの映像の2:00~3:18でご覧いただけます。)

 

 

ATP(アデノシン三リン酸)は、"生物のエネルギー通貨" と呼ばれる物質です。ATP合成酵素は、1回転することで名前の通りATPを3つ合成するので、エネルギー通貨・製造機といえます。しかも、直径10nm(髪の毛の太さの約1万分の1)という非常に小さなこの酵素は、細胞の中で毎秒1,400回転するモーターなのです(回転数はヒトのATP合成酵素、37℃の場合。常温(26℃)の測定値は毎秒700回転)。ということは、1秒間に1,400×3=4,200個のATPが・・・

さてさて、詳しい説明は吉田先生にお願いするとしまして、今回は吉田先生監修のもと、このATP合成酵素をLEGOブロックで再現することに挑戦しました!

 

CIMG3995

じゃーん! (できてみたら、酵素っていうより・・・人工衛星みたい?)

さ、イベント当日!いざお披露目です(手動ですが、ちゃんと動くんですよ)。

こうしてカタチや動きを再現できるほど、この酵素のメカニズムが長年の研究で明らかになってきているんです。吉田先生のグループは、小さすぎて顕微鏡でも見えなかったATP合成酵素にビーズをつけることで、実際に回転している様子の撮影に成功するなど(動画の6:22~6:53を参照)、メカニズムの解明に大きく貢献されてきました。

 

さて、いよいよ参加者のみなさんにLEGOブロックで作ってもらう番です。

といっても、これと同じものを作るには丸1日かかります (いや、もっとかかりました...) そこで、ワークショップのお題は「回転運動を別の運動に変換すること」つまり、歯車のパーツを使い、連鎖的に別の動きを生み出してみよう!というチャレンジ。

 

sanka-1

 

sanka-2

  写真: 回転→開閉運動、横滑り運動と見事、作品を完成させた参加者の方々

 

小学生~中学生の男の子を中心に、続々と挑戦者が来てくれました!親子での参加では、当初サポートのつもりで座っていたお父様が、いつの間にか黙々と自分の作業に没頭...結果、お子様からダメ出しをくらう方もいれば、尊敬のまなざしを獲得し、父の威厳を示す方も。さまざまな親子の光景を目にすることができました。

 

sanka-4

sanka-3

写真: 親子チームでこだわりの1台を完成させた参加者の方々

 

そして、一番よかったな、と感じたのは「誰かと一緒に作業をすることで、アイディアが膨らみ、多くの工夫が生まれたこと」です。実は私、LEGO全くの初心者で、たくさんのパーツに目が泳いでいたのですが、同僚の大崎鈴木真一朗のおかげで、なんとか形にすることができたのです。3人で作業を進める中で、パーツの特性や組み合わせの工夫が少しずつ分かり、楽しくなっていきました。

もちろん自由にLEGOで遊ぶことも楽しいのですが、あるテーマのもとに作業を行うと、そのミッションをクリアしようとモチベーションも高まります。また、テーマという制約が与えられても、作る人によって様々なものが誕生すること、これもまた、ものづくりの醍醐味と思いました。

 

今回の出典ではLEGOを使ったワークショップのほかに、「世界最小モーター、ATP合成酵素を使って、どんなことができるか」を考えてもらうコーナーも設けました。ここでも、ユニークなご意見がたくさん集まりました。こちらは、機を改めて、また紹介したいと思います。

 

それでは、芸術の秋、趣味の秋、みなさんも、ものづくりに挑戦してみてくださいね! きっと新しい発見がありますよ!

※コメントをする際は「ブログへのコメント投稿について」をご覧ください

※「名前」は、ハンドルネームでも構いません

この記事への2件のフィードバック

「回転運動を別の運動に変換すること」‼

なんだか難しそうなLEGOのお題ですが(汗)

みなさんの楽しそうな様子が写真から伝わってきました。

キラキラしてますね!

どんなものができたのか、興味深々です!

ちなみに。

ATP合成酵素なんて難しそうだなぁと思いつつ、

ほとんどウッカリ開いてしまった感じで(スミマセン)

ご紹介いただいた映像をみたのですが、

分かりやすくてとっても良かったです。

クルクル回ってました~!

細胞の中で、あんな人工衛星みたいな装置が

活躍してるんですねぇ。しみじみ。

田中あんこ様

大変うれしいコメント、ありがとうございます。

そうなんです、私たちの体の中では、今こうしている瞬間も、ATP合成酵素がクルクル回っているんです!

目に見えない世界を研究者たちが見せてくれるのですが、さらに触ってみたくなり、LEGOで作ってみました!

そして、子どもも、大人も夢中にさせるLEGOの魅力、実感しました。田中あんこ様のコメントを励みに、また新しいワークショップに挑戦したいと思います!

コメントを残す