ノーベル化学賞受賞者・根岸英一先生のお話を聞くチャンス

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私たちの便利な生活は、さまざまな化合物の利用により成り立っています。化学というのは物質と物質をつなげて化合物を作る科学や技術のこと──。

2010年にノーベル化学賞を受賞された根岸英一先生のご研究内容は「クロスカップリング反応」です。クロスカップリング反応とは、根岸先生の言葉をお借りすると「レゴブロック遊びのように」化合物をつないでいくことなのだとか。

2月16日(日)に、その根岸英一先生が未来館にいらっしゃいます。皆さまに向けて、化学とは何かをお話ししていただきます。

ノーベル賞の受賞対象となったご研究は「パラジウム触媒を用いたクロスカップリング反応」です。パラジウムは、下の写真のような金属です。
20140214takuma04.jpg©Jurii,Wikimedia Commons

クロスカップリング反応には「触媒」というものが欠かせません。
では、触媒とは、いったい何でしょう?

来館者の皆さまにとお書きいただいたメッセージの中で、根岸先生は自動車の排ガスを無毒化する触媒を例にあげていらっしゃいます。

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ガソリンエンジンからの排ガスには一酸化窒素、一酸化炭素などの有毒ガスが含まれていますが、マフラーから出てくるのは無毒の二酸化窒素や二酸化炭素などです。酸素原子が1つくっつく化学反応が速やかに進むように、マフラーの中で働いているのが、触媒です。そして、自動車の排ガス用に使われている触媒は、金やプラチナ(白金)、パラジウムなど非常に高価な貴金属なのです。


「最も高価とされる金、白金、パラジウム、イリジウム等の貴金属を排ガス処理のために使用しているということは、これらの貴金属が極めて高い回転数を持つ触媒として、何年も働き続けることができるからだ。触媒作用のゆえに、最も高価なものも、事実上、安価なものとして使えることを 決して忘れてはならない」

なるほど。この先生のメッセージから、触媒の有用性がよくわかります。
化学反応の前と後では、入ってくるものと出ていくものが異なりますが、触媒は、繰り返し、繰り返し、何度も使うことができるのです。これを先生は「回転数」という言葉で説明されています。

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2月16日(日)のご講演では、化学とは何か、人間が化学反応を操るとは、触媒を開発するとはどういうことかをずばりお話しいただきます。

誠実な研究者の常として、根岸先生も、先人に対する深い敬意の心をお持ちです。とくに、元素の周期性を見出し、周期表を提唱したメンデレーエフへの敬意は最大限 のもののようです。当日のご講演では時間の関係で詳しくお話しいただけないかもしれませんので、皆さまへのメッセージの中にあった、メンデレーエフに触れた部分を、ここで先にご紹介しましょう。

「近代化学の元祖と考えられるD. I. メンデレーエフは約百数十年前に元素の周期表を考案しただけでなく、その周期表に何十もの空の枠があることから、まだ未発見のさまざまな元素の存在を予言した。そればかりか、何と11の元素を発見したのだ。1907年に他界したこの偉大なる近代化学の創設者に11はともかく、少なくとも1つのノーベル化学賞を、と思わずにはいられない。化学の分野で何を追究するにせよ、その解は周期表の中にあるはずだ。


なお、根岸英一先生は、未来館の名誉館員となられることが決まりました。今回のご講演はそれを記念したもの。冒頭では、館長の毛利衛も出席した顕彰式があります。

■ノーベル賞受賞者・根岸英一博士 名誉館員顕彰記念講演
日時:2月16日(日) 14時30分~16時
場所:日本科学未来館1階 シンボルゾーン
どなたでも無料でご参加いただけますが、講演内容は中学生以上を対象にしています。

一流のお仕事をなさっている方のお話を聞く機会はそうそうありません。お見逃しなく!

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