いってらっしゃい、だいち2号!

「だいち2号」の打ち上げイベントが、無事終わりました。

実は、私が生中継イベントを経験するのはこれが初めて!
もう、始まるずっと前からドキドキしっぱなし。
そして、イベント開始直後からこんなことがありました。
開始5分で......画面が真っ黒......。

私は、「あっ、これがあらかじめ言われていた"生放送につきものの予期せぬ事態"か!」と思い、心の中で「落ち着いて......」とつぶやきながらドキドキしながら画面を見上げていました。すると、技術担当のスタッフの手がスッと伸びて来て、私のパソコンとケーブルをつなぐコネクタをはめ直すと......、ちゃーんと画面が出てきました!なんだ......原因は私だったのかと、赤面してしまいました!

生中継という緊張感でいっぱいの私を、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から講師として来ていただいた優しい笑顔の岩本 裕之氏が隣でちゃんとフォローしてくださいました。

打ち上げを待つまでの時間、岩本さんは「だいち2号」の得意技についてわかりやすく説明。(前回の「いよいよ打ち上げ、だいち2号」をご覧下さい)

そして、いよいよ打ち上げの時間! みなさんの目は画面にくぎづけ!!!!その瞬間をみんなで見守ります。

ついに、発射!手元にあるスマートフォンが一斉に頭上に上がります。

会場では歓声が挙がり、拍手が起きました。
けれども、岩本さんら人工衛星関係者にとっては、まだホッとはできないのです。

ロケットが地上を離れて、宇宙空間で無事「だいち2号」が離されるまでの約16分が関係者にとって非常に緊張する時間だそうです。

ロケットの固体ブースターが切り離され、衛星を収めた部分の蓋(フェアリング)がパカッと開き──順調に進んでいることを示すニュースが刻々と入ってきても、岩本さんの緊張の時間はまだ続いています。

そして、「だいち2号」無事に分離との速報!会場には大きな拍手が再び起きました。岩本さんも、この笑顔です。

これから、「だいち2号」の5年間のお仕事が始まるのです。

「だいち2号」が分離をして、打ち上げイベントは終了!

その後、岩本さんと「まいど」の科学コミュニケーター本田隆行はニコニコ生放送で楽屋裏トークを開始!

すごくホッとした岩本さんは、リラックスしてお茶の間の感覚で、いろいろお話してくれました。

だいち2号は主に災害時に利用する人工衛星であり、地震で動いた地表を正確に観測できるそうです。

しかし、災害のないときにでも、利用しないともったいない!ということで、こんなことにも活躍してくれます。

例えば、海の中から浮いてくる油を観測して、海底油田の発見につなげたり、森林の中の地表から鉱物資源を探したりすることもできるのです!宇宙から資源開発をするのです。

岩本さんは言います。 「人工衛星のデータをたくさんの人に、いろいろな方法で使ってほしい。宇宙を利用したビジネスでは、みんなのアイデアを大募集です!」

どうですか?みなさん、何かアイデアがうかんできた人はいますか? そんな方は、ぜひこのブログのコメント欄にアイデアをお書き下さい。岩本さんに、責任をもってお伝えします!

その他にも、おもしろい裏トークをたくさんしてくれましたが......長くなるので、トークの全容はこちらの映像 (リンクは削除されました)をご覧下さい! おもしろいですよ!

今回のイベントを通じて感じたこと! それは1つのことを成し遂げるためにさまざまな職種の人が関わっているということでした。ロケットを打ち上げることにも、技術を担当する人だけではなく、研究、開発、管理、設備そして広報や経営企画など多種にわたる職種の人がみんなで協力しているのです。

そして、打ち上げる人だけではなく、これからは地上にいる私たちが宇宙から受け取るさまざまな情報をいろいろな方法で、多種多様な分野で活用していくのです。

ガチガチに緊張しながら失敗もしましたが、イベントに参加してくださった多くの来館者の打ち上がった時の拍手と笑顔から、生中継のイベントの醍醐味をあじわうことができました。

そして、ニコニコ生放送やUstream中継を通じて応援してくださった方々にもこのブログを通して、お礼を言わせていただきます。

「だいち2号」の打ち上げイベントに関わったすべての方、本当にありがとうございました。

日時:5月24日(土)
だいち2号、宇宙へ! ~打ち上げパブリックビューイング~
講師:岩本 裕之氏(宇宙航空研究開発機構)
開催場所:日本科学未来館1階インフォメーションロビー
開催時間:午前11:30~午後12:30        
        午後12:30~午後13:00(アフタートーク)
参加人数:約400名(打ち上げ時)

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