未来館展示の裏側を探ってみましょう -数理モデルの不思議-

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こんにちは。科学コミュニケーターの蒋です。

 

先日(7月19日)、未来館の3F実験工房でサイエンティストトークが行われました。

現在開催中の第13期メディアラボ「1たす1が2じゃない世界-数理モデルのすすめ」の関連トークイベントとして、展示監修者の東京大学・合原一幸教授をお招きしたものです。合原先生には、展示の見所や裏話などを紹介していただきました。

当日、座席数を超える60名以上の方々が来場され、会場外では立ち見の方もたくさんいる盛況ぶりでした。

 

今回のブログでは、このトークの面白い内容をみなさんに紹介していきたいところですが、まずはこちらの写真を御覧ください。

20140825_Jiang_1.jpg

 

皆さんはこの写真を見て、まず何を思ったでしょうか?下の4つから答えを選びましょう。いくつ選んでもいいですよ。

A. きれいな女性がポーズしているね!いい笑顔!

B. 後ろの壁が見たことある!未来館のあの場所だな!

C. あれ、この女性、どこかで見たことがあるような...誰か分かったかも!

D. 女性が着ているドレス、どういう図案なのかが分かった!

いかがでしょうか。皆さんはどれを選びましたか?実は、選んだ答えで、皆さんが未来館とのつながり度を測れます。A:20%。B:40%。C:60%。D:80%。

AからDになっていくにつれ、未来館とのつながりが深くなっていることをお気づきでしょうか。

4つ全部選んだあなたは、未来館とのつながり度が200%です!おめでとうございます!

Dの答えは一番ポイントが高いですが、実はこのドレスの話、まさに今回のメディアラボ展示の裏話の1つです!

20140825_Jiang_2.jpg

トークイベント中の写真(写真右側が合原先生)

 

この写真には、同じデザインで色違いのドレスが2着あります。これらは合原先生がファッションデザイナーの方と一緒に作ったドレスです。大学で数理モデルを研究している先生が、なぜドレスの製作に関わったのでしょう。

実は、このドレスは下記の数式から生まれたものだからです。

 X(t+1)=aX(t)(1-X(t))

この数式をもとに、下のような図形が描けます。いかがでしょう。ちょっときれいな図だと思いませんか?

20140825_Jiang_3.jpg

この角度を変えてみたら、まさにドレスに見えるではないか、とひらめいたのです。

 20140825_Jiang_4.jpg

そして、ファッションデザイナーの松居エリさん、アーティストの木本圭子さんと一緒にドレスを作成することになりました。トーク中で合原先生は「自分がデザインしたというよりは、二次関数がデザインしたドレスと言えるかもしれない」と口にしていました。

数学が美しさにこだわる学問であると聞いたことありますが、まさか美しいドレスまで作られるなんて私自身がとても感心しました。

(このドレスの話について、もう少し詳しく知りたい方は、下記のマイナビ記事をご覧ください。

http://news.mynavi.jp/articles/2014/08/13/art_sugaku/

 

さらに会場の皆さんを驚かせたのが、「人間の疾病を数理モデルで事前に予測することができるDNB(動的ネットワーク・バイオマーカー)」の話でした。(ここでいう疾病は、ガンなどのような大きな病気のことです。)

 疾病になるには、数理モデルで考えたときに、以下のようなイメージで病状が進んでいると考えられます。

①健康状態は下記のようなイメージです。

20140825_Jiang_5.jpg

 

②しかし、疾病になる前には、次のような状態に変化します。

20140825_Jiang_6.jpg

③最後に、疾病になった時のイメージはこちらです。

20140825_Jiang_7.jpg

上記の図のように、一度重い病気になったら、少しくらいの治療では、疾病状態から抜け出すことができないのがイメージを掴んでいただけましたでしょうか。

 しかしながら、②の疾病前状態は病気になりやすい状態ですが、まだ健康でいます。実は、この疾病前状態は漢方で言う"未病"の状態だそうです。

この"未病"状態を検出することで、早めに対処を行えば、病気にならないで済むのです。

数理モデルで計算し、いち早く予想することができるように合原先生のチームで研究を重ねてきました。この話が、中国人の私にとっては、目からうろこの話でした。

 

 

他にも、合原先生から「1+1が2にならないことはどういうことか?」や「カオス理論をもとに食器洗い機を作り特許を取得した」など、さまざまな数学にまつわる面白い話がたくさん出てきました。

 

皆さんも時間があるときに、ぜひ合原先生のトーク映像をみて、メディアラボ展示で見られない裏側の情報を探ってみてください。

https://www.youtube.com/watch?v=bOj_2mQgso8

 

第13期メディアラボ「1たす1が2じゃない世界-数理モデルのすすめ」は、9月1日までの開催です。残り少ない会期となりましたが、未来館で実際の展示をぜひご覧になってください。

 第13期メディアラボ「1たす1が2じゃない世界-数理モデルのすすめ」

 

 

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