市民の力で公共事業!?

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みなさんは市民普請(しみんぶしん)という言葉を聞いたことがありますか?

 

広辞苑によると、普請(ふしん)とは「あまねく大衆に請うて堂塔の建築などの労役に従事してもらうこと」というちょっぴり難しい説明に続いて「転じて一般に、建築・土木の工事」とあります。

 

建築や土木 ⇒ 大規模プロジェクト ⇒ 公共の事業 ⇒ "お上"の仕事!

 

こんな連想、みなさんもしていませんか?

それは誤解です! 

 

地域をより良くしていく公共の事業を、自分たちの力でやってしまおう!という市民主導の取り組みが、いま、全国のあちこちでとっても盛んなのです。

そう、市民普請とは「市民の、市民による、市民のための建築・土木事業」です!

 

ちなみに、市民普請とはこの度新しく登場した造語です。「しみん・ふしん」だと「市民不信」にも聞こえ、ネガティブなイメージになっちゃうので、「しみん・ぶしん」と読むことにしたとか・・・。

 

そんなユニークな「市民普請」じまんの団体が全国から集まり、グランプリの「市民普請大賞」を競う事業が進められています。公益財団法人・土木学会が今年100周年を迎えるのを記念して行われる事業の一つです。

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エントリーしている取り組みは、川辺の整備や環境保全などのほか、防災教育や地域の観光化もあり、建築や土木という言葉ではひとくくりにできないほどバラエティ豊か。

一例を挙げると・・・

 

●メンバーの高齢化や人手不足で困っている自然保全の団体へ、ボランティア市民とともにお手伝いに行くレンジャーズ活動。

 

● 利用者が交流できる地域の拠点として市民が活動できる茶室をつくり、人と人とのコミュニケーションの場を大切にした、土木と文化の融合型事業。

 

●市民の居場所を提供するため、まちの中心街へつながるオフィス通りにオープンテラスを設置し、そこでの各種イベントを支援する町おこし。

 

●現地の材料を利用し人力でもできる方法で、未舗装の道路を整備する技術と持続的な管理方法を伝えるプロジェクト。(なんと、活動範囲の広がりはアフリカの国々にまで!)

 

先日、最終選考会に進むことのできる5団体を選ぶ一次選考会が開かれ、書類選考を突破した33団体が全国から都内に集結。短い制限時間で自分たちの活動の魅力を伝えようと、あの手この手でプレゼンテーション合戦を繰り広げました。

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行政やNPOらが連携し・・・寸劇で自分たちの活動を紹介。

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体を張って、替え歌まで披露して、活動内容をアピール。

 

プレゼンテーションを聞いていると、単に土木の力で「ものをつくる」だけではなく、ものづくりを通して「町に活気を取り戻したい!」「子供が愛着を持てる地域づくりを!」「人々の心を豊かに!」という、各団体の熱い想いが伝わってきました。

 

どの取り組みにも共通して言えるのは、地域の課題解決を"公"に任せるのではなく、自分たちで考え、議論し、手を動かそうというDIYの強い気持があること。

「箱物だけ造って終わり」という公共事業が結局、失敗してしまうという話はちらほら聞きますよね。

でも、地域の人たち自らが頭や手を動かした公共事業なら、つくった物やプロジェクトへの愛着がおのずとわき出し、その土地を大切にして後世に受け継ごうという強い心につながるのだろうと。有効性と持続性のある真のまちづくりと言えるのは、こうした"市民"主体の取り組みなのだと実感しました。

 

2日間にわたって行われた審査を勝ち抜いたのは次の5組。

  • 石積み学校 「石積み学校による棚田・段畑の修復と石積み技術の継承」

 

  • NPO法人・道普請人 「日本の 新しい国際貢献、道普請のススメ で貧困削減 ~アフリカ、アジア、太平洋州での住民参加による未舗装道路整備活動の啓発~」

 

  • 特定非営利活動法人・グラウンドワーク三島 「市民・NPO・行政・企業による地域協働システムの構築で「市民普請力」を育成」

 

  • 京都府立宮津高等学校建築科 「建築の 学びを活かして 皆笑顔!」

 

  • 高千穂通りを愉しくする会 「街角を照らす,市民よる市民のためのサードプレイスの創出」

 

どんな取り組みをしているのか、それはどんな人たちなのかは、実際にご覧になりませんか?

最終選考会は10月11日(土)に未来館にて一般公開で行われ、各団体がグランプリ目指して最後のプレゼンテーションを行います。審査委員長は未来館館長の毛利衛がつとめます。

 

この日は、土木学会のもう一つの100周年事業である「未来のT&Iコンテスト」の最終選考会もあわせて開かれ、T(テクノロジー)部門とI(アイデア)部門にそれぞれ5チームが出場します。

詳しくはコチラから。

 

市民の手による「土木の力」が切り開く未来を、ぜひ見に来てください。

 

 

【イベント情報】

イベント名: 土木学会100周年事業 未来のT&Iコンテストおよび市民普請大賞 最終選考会

開催日時: 2014年10月11日(土)13:00~16:30(開場12:00)

開催場所: 日本科学未来館 7階 未来館ホール

参加費: 無料

参加方法: 自由参加

定員: 200名

主催: 公益社団法人 土木学会

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