地球のことなら俺に聞け!(by有孔虫)

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 最近、髙橋と熊谷は2人で海辺へ出かけては、こんなことをしています。

これを......

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こう!

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(髙橋、投げる!)

 

これを......

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こうです!

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(熊谷、投げる!)

 

雨の日も。

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浜辺でも。(遠くにかの有名なレジャー施設が見えます)

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投げる、投げる、投げる。

 
 

投てきの練習ではありません。もちろん、不法投棄でもありません。
いったい何をしているのでしょうか。

 
 

投げた先を見てみましょう。

 

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"あるもの"が海の中へ沈んでいきます。

 

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底まで沈んだ頃を見計らって、横に移動しながら紐をゆっくりと引きます。指先に伝わる海底の感触を確かめながら、そーっとそーっと......。5mほど引いたところで"あるもの"をひき上げます。

 

すると......

 

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取れました!!

 

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です!

 

高橋と熊谷が投げていた"あるもの"とは、海底の表面の泥を取るための道具「ソリネット」。
これで、泥の表面に住む小さな生き物「有孔虫(ゆうこうちゅう)」の採集を試みていたのです。

有孔虫は、ほとんどが体長1mm以下。今回探していたのは、さらに小さく0.2mm程度のもの。肉眼では、いるのかいないのかまったくわからないので、泥を未来館に持ち帰り、顕微鏡を使って砂粒に紛れた有孔虫を探します。

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(この作業、クマムシを探したあの日を思い出す......)

クマムシの時もそうであったように、狙った生き物を見つけるのは簡単なことではありません。場所を変え、道具を変え、引き方を変えて、何度も挑戦しました。

そして、ついに......!!

いたーーーっ!!

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有孔虫の殻 ※クリックで拡大します
(発見時、髙橋はうれしさのあまり実験室で一人叫んだといいます)

 

こうして有孔虫を探していたのには、理由があります。

12月14日(今週日曜!)
有孔虫の研究者である北里洋先生をお招きしてサイエンティスト・トークを開催します!

北里先生は、深海研究で有名な独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)のご所属。実は、JAMSTECは世界屈指の有孔虫の研究拠点でもあります。長年その研究グループを率いてきたのが北里先生です。

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調査や学会等で世界各地を飛びまわっておられる、お忙しい方にも関わらず、何度も打ち合わせの時間を持たせていただき、さらに先生自ら有孔虫採集にもご協力下さいました。お話を伺う度に、先生の有孔虫への愛が伝わってきて、高橋と熊谷はすっかり有孔虫と、先生のお人柄の虜に。

 
 

このソリネットを......

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こうです!!

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(先生自ら、投げる!)


 

有孔虫研究界の第一人者と言われても、そもそも有孔虫なんて見たことも聞いたこともないよ、と思う人がほとんどでしょう。

では、簡単にご紹介しましょう、まずはこちら。

 

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(沖縄のお土産やさんでもらいました)

「星の砂」です。
星の砂は、星の形をした有孔虫が死んだ後に残った殻。よく見ると、ちょっと違う形のものもまざっています。
 

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(生きている時の姿)
 

左は「ホシズナ」。右は「タイヨウノスナ」。

それぞれ別の種類の有孔虫です。有孔虫は種類によって形が様々で、拡大して見ると美しい造形をしたものも多いです。 

 

有孔虫は"単細胞"の動物です。単細胞と聞くと"単純"で"簡単なつくり"の印象がある方も多いでしょう。私自身もそうでした。しかし、北里先生はこう仰います。

「単細胞は、1人乗りの宇宙船」

たった1つの細胞の中に、生きるための工夫が全部詰まっている。その姿は、小さな空間に生命維持装置が詰まった宇宙船のようだというのです。しかも搭乗者は1人しかいない。単細胞は、生きるための活動のすべてを1つの細胞でこなしているのです。

また、この殻はサンゴと同じ炭酸カルシウムでできています。殻を作るタイプの有孔虫は、小さくても数がとても多いので、サンゴと同様に海の炭素循環に大きな役割を果たしています。さらに、生きていた環境によって殻の状態が変わるため、化石で得られた有孔虫の殻は当時の環境を知る大きな手がかりにもなります。海洋環境の未来予測に有孔虫の環境による変化を重ねれば、未来の海を推測することもできます。

つまり、有孔虫は、私たち人間に生命や地球のことを教えてくれるすごいヤツ!

 

ということで、サイエンティスト・トークのタイトルは、

「有孔虫は教えてくれる-生命の不思議と地球のしくみ」

(ちなみに、この記事タイトルは没になったタイトル案です)

 

当日は、沖縄から生きたホシズナ(※)もやってきます!
もちろん、お台場で見つけた有孔虫も顕微鏡で観察していただけます!
※鋭意飼育中ですが、当日は殻になっている可能性があります。

 

12月14日は、衆院選の投票日。投票に行ったその足でぜひ未来館へ!
有孔虫とともに、地球のことを考えませんか。

 

サイエンティスト・トーク

「有孔虫は教えてくれる-生命の不思議と地球のしくみ」

講師:北里洋氏(独立行政法人海洋研究開発機構 上席研究員)
開催日時:2014年12月14日(日) 14:30~15:30
開催場所:日本科学未来館 1階 コミュニケーションロビー
定員:100名
参加費:無料
参加方法:事前申し込み不要。 直接会場にお越し下さい。
企画・ファシリテーター:熊谷香菜子 

詳しくはこちらをご覧ください。

 

 

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