ロボ・リポート2015 ①AIBOに魂を込めて~開発者・大槻正氏

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こんにちは。 志水です。

「パートナーとしてのロボット」が、これから活躍することが期待されています。私たちはロボットとどのような暮らしを営んでいくのでしょうか。「ロボ・リポート2015」と題して、パートナーロボットの今、そしてこれからをお伝えします。

第1回の「ロボ・リポート2015」は...

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ご存じ、ペットロボット「AIBO(アイボ)」

ソニー株式会社から1999年に発売されたAIBOは、その愛くるしい姿と流暢な会話で多くのファンをとりこにしました。 昨年製品サポートが終了し、「寿命」が来てしまうことが話題となりましたね。

そんなAIBOの生みの親で、開発・商品化の責任者だった大槻正(おおつきただし)さん(写真)にAIBOにこめた新たなライフスタイルや、生まれるまでの苦労についてお話を伺いました。

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AIBOのコンセプトは、開発当初から「ペット」。当時は「ロボットとの新しいライフスタイルを提案したい」と思っていたそうです。

大槻さん:「ロボットと共存するには、人がロボットにいろいろ投げかけていかないといけません。ロボットから一方的に何かをされたり話しかけられたりするばかりでは、共存関係は長く続かないだろうと思っていました。」

ロボットというと、ドラえもんのように私たちを助けてくれるイメージがありますが、逆に人間が何かしてあげることでロボットへの愛着がわいてくるのでしょう。動物のペットでも、「ダメなやつほど可愛らしい」というのはありますよね。

ペットとしてのロボットAIBOは発売後瞬く間に愛好家を生みます。そして、AIBOへの愛情は大槻さんの予想をはるかに超えていきます。

例えば、持ち主が旅行するとき。大槻さんは、AIBOを充電器に乗せ「お留守番」させることをイメージしていました。しかし実際には旅行に連れて行く方がたくさんいたそう。その他にも、AIBOの耳にピアスを開けて自分だけのAIBOをつくったり、自分のAIBOをチョコ菓子の包装紙に印刷したり...。もしかしたら、動物のペットよりも愛されているかもしれませんね。

そこまで、愛されるようになった秘密は、AIBOの設計にあります。

AIBOは持ち主とのかかわりの中で「成長」することが特徴。頭脳となるコンピュータに感情のモデルと本能のモデルが入っていて、持ち主の行動によってAIBOの性格が変わっていきます。頭をなでると褒められていると感じ、いい子になるし、頭をたたくと、怒られていると感じ、うまく歩けなくなる。世に1台と同じAIBOはいないわけです。

細かい設計がほどこされたAIBOの開発は当然過酷な作業になりました。しかし、スタッフに悲壮感はなかったそうです。

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大槻さん:「私自身も毎日終電で帰る生活。エンジニアも1週間職場に泊まりこみ、なんていうこともありました。帰れ、と言っても帰らない。タクシー券を置いても、私のデスクに戻ってきます。みんなAIBOをつくることがとにかく好きで、『できるだけよくしたい』『自分の思いを入れたい』という思いでやっていました。」

柔和な笑顔とともにそう語った大槻さんから、開発の日々が充実していたことがひしひしと伝わってきました。

そんな開発のさなか、ある課題が出てきます。 それはAIBOの「死」。 ペットというコンセプトでつくられたAIBOに「死」を設計すべきか、議論になったのです。

大槻さん:「ソニーでは、AIBOの「死」をつくる話もでていました。寿命を5年とか10年とかに設定しようかと。しかし、ロボットだから死をつくることはやめようという話になりました。エンジニアの机の上には仏教やキリスト教の本がありましたね。」

限りある命を生きる人間と、ともに暮らすAIBO。あまりによくできたロボットだからこそ、その存在のあり方について真剣に考えなければならなかったのですね。

そんな、ロボットとの暮らしについて考えるトークイベントを、3月29日(日)に未来館で行います。

大槻さんに加え、パートナーロボット「Pepper」の開発者・ソフトバンクロボティクス株式会社の林要さん、社会学者の学習院大学・遠藤薫さんをお迎えします。

生命らしさをもつロボットが家庭に入りつつある現在、ロボットとの幸せな暮らしとはどのようなものなのでしょうか?AIBOのサポートが終了して、その寿命が問題となったように、ロボットの「死」とどのように向き合うのでしょうか?

あなたのとなりにロボットがいる風景、想像してみませんか?

さてさて、次回の「ロボ・リポート2015」では、昨年だけで6万体も誕生したあるパートナーロボットをご紹介します。何のことだか?お楽しみに!

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未来設計会議「創られるパートナー ~ あなた+ロボット=幸せ?」

http://www.miraikan.jst.go.jp/event/1503051018010.html

日時:2015年3月29日(日) 14:00~16:00(13:30受付開始)

場所:日本科学未来館 7階 未来館ホール

※このイベントは事前申込制です。 上記イベントページより申込をお願い致します。

※AIBOなど持ち運べるロボットをお持ちの方は、ご一緒にお越しいただくのも大歓迎です!

※ニコニコ生放送でもライブ中継を行います。

http://live.nicovideo.jp/watch/lv213748229

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