みんなでひらく宇宙のとびら

このエントリーをはてなブックマークに追加

前回のブログでは、油井さんのお人柄を紹介し、それがチームワークを発揮する上で重要だということをお伝えしました。

宇宙開発をする上で、チームワークはなぜ重要なのでしょうか!?

この疑問を解くヒントが未来館でのトークイベント「みんなでひらく宇宙のとびら 油井飛行士から未来のきみへ」の中にもちりばめられていました。


油井飛行士を支えるたくさんの地上スタッフ


3月2日のトークイベントではサプライズゲストが登場しました。油井飛行士を地上から支える宇宙航空研究開発機構(JAXA)フライトディレクタの井田恭太郎さんです。油井さんは、ミッション成功を支えてきた相棒に「熱烈ラブ」という声をかけるほど信頼を寄せていました。そんな井田さんにチームについて語っていただきました。

20160405hiei_03.JPG

井田さんには、宇宙飛行士の仕事をチーム一丸となって支える管制官の仕事について紹介していただきたくて、無理をいって登壇していただきました。

井田さんは、さまざまな専門知識を持つ管制官をまとめるリーダーで、ISSの運用や実験方法の最終決定をする責任者でもあり、実際に油井飛行士に指示を送ったりもしていました。

油井さん曰く、井田さんにはいろんな場面で助けられていたそうです。

ISSで行う実験は、物理科学や生命科学をはじめ250種類以上もの実験があります。それぞれ専門的な研究で、手順が複雑な上に、やり方を間違えてしまうと正しい成果を得ることができません。

特に難しいポイントにさしかかる直前に、井田さんが「油井さん、ここ難しいところです。気をつけてくださいね」とフォローをいれることで、油井さんが手順をまちがえずに慎重に作業をすすめられるようサポートをしていたのです。

また、油井さんが作業に集中しているときに、固定していたドライバーが外れたことがあったそうです。ISSの中は微重力空間のため、そのまま飛んでいって装置にぶつかり重大な事故になりかねません。そんなとき、地上の管制官は「油井さん、ドライバーが飛んでいってますよ」と声をかけることにより、ミッションが安全にすすめられるよう常に見守っていたのです。

このように井田さん含めたくさんの管制官が力をあわせて油井さんのミッションを陰で支えていたのです。彼らなくしては、ISSのミッションを成し遂げることはできなかったでしょう。


宇宙開発には大勢の人達が関わっている


参加者の方は「多くの人が宇宙開発に関わっている」と驚いた様子でした。でも、井田さんに聞いてみると、これだけではないそうです。

「今、日本の実験棟きぼうでは民間企業の方や大学、研究機関、いろんな方々が参加して実験を行っているのです」

油井さんが行っていたミッションは、大学の研究者からは宇宙の謎を解き明かすことを目指す研究を頼まれていたり、民間企業からは医療技術を発展させるためにタンパク質生成実験を頼まれたりと、ミッションの多くは地上から、それも宇宙とは関係がないように見えるところからの依頼なのです。

油井さんは、こういった人々からの思いを託されてミッションを行っているのです。前回のブログでも紹介しましたが、宇宙飛行士の1日8時間のスケジュールは分刻みとタイトですし、1つひとつの実験作業は専門的で繁雑であることから、宇宙飛行士、管制官、研究者がうまく連携をとらなければこなすことができません。まさにチームワークがなせる技なのです。

油井さんが生成したタンパク質の結晶をうけとった研究者の写真
とてもきれいなタンパク質がとれましたと報告してくれたそう

20160405hiei_04.png

写真提供:JAXA

ミッションの裏側を語る井田さんに子供たちは興味津々。「地上から宇宙と関わるときって、どんな点に気をつけるんですか?」と質問があがるほど、地上の役割の重要さというのを肌で感じていました。

井田さんは、この質問に対し「宇宙飛行士の時間は貴重なため、時間をかけないように、簡潔に、簡単に話すことを心がけている」と述べていました。管制官の仕事のプロフェッショナリズムというのが垣間見えるコメントでした。

井田さんを通じて、地上で宇宙飛行士を支えるかっこよさ、そして宇宙と関わる人がたくさんいることが参加者によく伝わったと思います。でも、会場には「宇宙飛行士になりたいと」という思いを持った少年少女もたくさんいました。それに関して、油井さんが未来を担う子供たちに向けてこう語っていました。

「将来的には、多くの人たちが宇宙に飛び出して、人類の活動の場を広げていく。アメリカの企業は宇宙旅行できるようにいろんな会社の方が宇宙船を造ろうとしています。そういうところも進んでいけば、もう最初は弾丸飛行みたいなことから、だんだんそれが高くなっていくってこともあるんじゃないですかね」

宇宙飛行士はもちろん、これから一般の人でも宇宙にいけるチャンスが増えてくるんですね。地上での関わり方というのも今後増えてきますし期待が膨らむ一方です。未来には宇宙がどんどん身近になっていく、とってもワクワクしますね。

みんなで宇宙のとびらをひらいていきましょう!

最後に、未来を担う子供たちとともにパシャリ!

20160405hiei_05.JPG

※コメントをする際は「ブログへのコメント投稿について」をご覧ください

※「名前」は、ハンドルネームでも構いません

コメントを残す