「ゲームってなんでおもしろい?」を、考えてみました。  ~企画展「GAME ON」~

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皆さん、こんにちは。科学コミュニケーターの伊藤です!

いま、未来館では企画展「GAME ON ~ゲームってなんでおもしろい?~」を実施しております。

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「ゲームはいつ、どこで誕生し、どのように成長してきたのでしょうか?」


...そんなことを、貴重なゲームとともに振り返りつつ、さらに

「将来、ゲームと私たちの関係はどのようなものになっていくの?」

まで、最新のゲームやインターフェースを体験してもらいながら皆さんに考えてもらう企画展です。(5月30日(月)までの開催です)



・・・

さて、たくさんのお客様にお越しいただいたゴールデンウィークも終わり、比較的ゆとりをもって企画展「GAME ON」を楽しんでいただける時期になりました。

そこで!今回のブログでは、ゲーム大好きな科学コミュニケーター3人が『企画展「GAME ON」や「ゲームそのもの」を、もっとおもしろく、もっと楽しむためのキーワード』についてご紹介します!(豪華3本立て!)

「いやいや、普段ゲームなんてしないから、関係ないよ・・・」

と思った皆さん!

このブログでは、「おもしろさの本質」や「テクノロジー」、「世界観」など、様々な観点からキーワードを紹介します。いつもとは「ひと味違った」ゲームのおもしろさを、ぜひ感じて、考えてみましょう。

さあ、ゲームってなんでおもしろいのでしょう?

今回、ゲームを楽しむためのキーワードを考えたのは、イトケンこと伊藤、アメミーこと雨宮、ヒゲこと古澤の3人です。

(ちなみに3人で某RPGゲームの職業診断をしたところ、
 イトケン → 武闘家
 アメミー → 商人
 ヒゲ   → 遊び人
と診断されました...この3人でパーティを組んだらクリアは無理な気がします...。)

では、最初に私、伊藤が考えたキーワードを紹介します。

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私が考えたキーワードは、「達成感」です。



どんなこともそうですが、簡単すぎても難しすぎても達成感は上がりません。そうしたバランス設定が、非常にうまく作られた物が優れたゲームであると思います。

特にゲームが「うまいな~」と感じるのは、ゲームをする人が途中であきらめないよう適度に「悔しさ」を感じるように作られていることです。キャラクターのコントロールや、何かの選択を失敗した時に流れる効果音や演出は、今でも覚えている方は多いかと思います。個人的にはゲーム中に呪われた時とか、敵キャラに触っちゃった時の音楽が印象に強く残っています。

適度に失敗させながら、その障害を乗り越えたいと思わせる。その繰り返しを行うことで、達成感を強く感じさせるコンテンツになったと考えています。

人間のこうした心理は古くから知られていましたが1970年代になって「フロー体験」という名前がつけられ、心理学として研究されるようになりました。フロー体験とは時間を忘れて夢中になっている状態のこと。この状態になるにはいくつかの条件が必要です。代表的なものとしては、以下があります。

① 自分がコントロールできること
② 適切な難易度であること
③ 反応がすぐに返ってくること

ひとくくりに「ゲーム」といっても、もちろん発売後すぐに廃れてしまったものもあります。

しかし、今なお私たちが「名作」としてプレイしている人気ゲームを考えると、確かにこのような条件を満たしているものばかりではないでしょうか。

そのような「フロー体験ができるゲーム」が次々と登場し、世の中に爆発的に広まることによって、たった50年の間に私たちの生活や産業にゲームがこれほどまでに定着したのだと思います。

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【フロー体験中のイトケン】

おもしろさを感じる内容は人それぞれですが、「フロー体験」という観点でいろいろなゲームを見てみると、今までとは違った楽しみ方ができるかもしれませんね。

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なるほどなるほど、イトケンさんは「フロー体験」をキーワードにしたんですね!

そういえば僕も、ありましたねえ、小4の夏休み。1000ピースのジグソーパズルを、習い事に行くのも忘れて、ずっと夢中になってやっていました。(お母さんごめんなさい)

どうも、フロー体験済みの科学コミュニケーター、雨宮です!
僕が思うおもしろさのキーワードは、プレイに関係するものではありません。

「ゲームの進化=テクノロジーの進化」といえるところです!

ゲームのストーリー、登場人物、イベントをすべて記憶しているのは、機器の中にある「メモリ」という部分です。(パソコンの性能を表すときにもよく使いますよね。)

1962年にできた、世界初のコンピューターゲームといわれる「スペースウォー!」にももちろん「メモリ」があるのですが、その容量は9KB(キロバイト)だといわれています。

そこから時を経ること、約50年。

2013年に発表されたPlayStation®4に使われたメモリは、なんと、約8GB(ギガバイト)!!

キロとかギガとか言われてもピンとこないかもしれませんが、1ギガは1キロの100万倍なので、50年で約100万倍にもデータ容量が増えたことになるのです!

データ容量が100万倍増えれば、たとえばこんな変化が起きます。

【画像】カクカクしたドット絵→背景まで作り込んだ緻密で立体的なもの
【音楽】
単純な電子音の組み合わせ→限りなくリアルな音
【処理速度】
ボタンを押しても、もったり間を置いて反応→人間が間を感じることができないほどの即反応
【消費電力】消費電力が高く、機体が熱くなる→消費電力が低くなり、発熱による動作の不安定さ軽減

などなど、例を挙げればきりがないですが、まとめると、
【50年で約100万倍もテクノロジーが進化し、それだけゲームに深みや鮮やかさが加えられた】
のです!

画像や音楽、処理速度といった、「テクノロジーの進化」をキーにしてゲームを見てみれば、いつもとはちょっと違った楽しみ方ができるのです。

企画展「GAME ON」では、メモリ以外のテクノロジーの進化ももちろん感じることができます。

「PlayStation®VR」という、「バーチャルリアリティ」(以下VR)の最新技術を体験することもできるので、ぜひぜひ「テクノロジーの進化」という観点でプレイして、「ゲームはどこまで来たのか。これからどんなところに使えるのか」を考えてみてください!



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ハイ、ドーモ!ゲームウォッチ、ファミコンど真ん中世代、古澤です。

いやいや、お二人!ゲームをおもしろくするキーワードって、それだけではないのだ、きっと!

イトケンが語ってくれたのは、人間はなぜ「ゲーム」をおもしろいと感じるのか。アメミーは「テクノロジー」としての「ゲーム」の進化について。でも、それだけだったら、ここまでゲームが社会的現象=文化になることは無かったと思うのです。

そう、親の目を盗んで、こそこそレベル上げにいそしむことも無かっただろうな、と...(遠い目)。

例えば、初期の名作「PONG!」や、現在でも絶大な人気を誇る「テトリス」などは、おもしろさに不可欠な要素である「達成感」をベースに語ることができるかもしれないけれど、現在遊ばれているゲームを見渡すと、そこには必ずと言っていいほど「キャラクター」達が存在して独自の「世界観」の中で活躍しているのです(していない場合もあるけど、時にはね)。

映画や小説、漫画などのメディアがここまで発達したのは、フィクションとしての「世界観」や「物語性」に没入することができるから。その登場人物達に自己を投影したり、感情移入したり、はたまた現実逃避してみたり......。そう、現在のゲームの中では、先の「フロー体験」を、物語の中の登場人物として体験することができるのです!

そして、ゲームにおける「テクノロジーの進化」は、その世界観への没入しやすさと深く結びついています。その最たるものがVRゲーム機。プレイヤーは登場人物の視覚、時には聴覚までも手に入れてしまったわけです!すごいぜっ!

20160512_ito_06.jpgPlayStation®VRを体験中のヒゲ】

(ただ、これ...その疑似感覚が、他の感覚、例えば触覚まで拡張された未来のことを考えると、少し怖い気もするけれど...)

このようにゲームは、そのおもしろさの要素を満たしながらも、プレイヤーをその世界の中に取り込めるように進化してきたからこそ、現代の一つの文化として浸透しえたのではないでしょうか。しかも、たったこの半世紀ほどで!

今回の企画展、「どのようにゲームがその世界観を多様化させて、拡張していったのか」なんてキーワードで見ても、おもしろいかもしれません。

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さてさて、皆さんいかがだったでしょうか。

もちろん、ゲームはおもしろいだけではなく、実は私たちの未来に役立つような利用もされています。

例えば「ゲーミフィケーション」。これはゲームとは全く関係のない分野・サービスなどにゲーム的な要素を利用することを指します。この手法を取り入れたことで、研究者でも10年以上解けなかったエイズの治療薬のためのタンパク質の構造解析を一般人がわずか3週間で解いてしまった、なんて例もあるのです。

このように「ゲームがおもしろい」というのは単純なゲームとしてのおもしろさだけではなく、私たちの身の回りにある様々なことにも利用され始めています。

このブログを読んだ皆さんも、企画展に足を運んでいただいた上で、自分なりのゲームがおもしろい理由を見つけていただければと思います。皆さんがそれぞれに思う「おもしろい理由」や、「独自のキーワード」がありましたら、私たち科学コミュニケーターに教えてくださいね!

企画展「GAME ON ~ゲームってなんでおもしろい?~」は5月30日(月)まで1階の企画展示ゾーンにて行っております。皆さんのご参加、お待ちしています!

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企画展「GAME ON ~ゲームってなんでおもしろい?~」特設サイト
http://gameon.tokyo
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