私のごはんを支える生き物たち

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これは何のお魚ランキングでしょうか???

20160522_asami01.jpgこんにちは、みどりの科学コミュニケーター髙橋です。みどりの科学コミュニケーターがなぜ、魚ブログを書いているのか、その理由は後で説明するとして、まずはこのランキングについてお話します。



■私のごはんは、何種類の魚介類に支えられている?

さかのぼること半年前、お正月にいろいろな海の幸を食べていた私は、ふと「私のごはんはどれくらい生物多様性の恩恵を受けているのだろう」と考えました。そこで、1月から3月まで食卓にのぼった魚介類を記録してみることにしました。

ここで、実際の記録を少し公開しましょう。

1月2日、サバカレーのサバ。

記念すべき初日はサバからスタートしました。

1月3日、今日もサバカレーのサバ、納豆に入れた鰹節のカツオ。

鰹節も魚介類としてカウントして、2種目。

1月4日、サバカレー(3日目)

作りすぎたサバカレーが無くなりません...。生物多様性の前に食事の多様性が怪しくなってきました...。

こんな不安な滑り出しで始まった、魚介類記録はさらに続きます。

14日目、ツナサンドのマグロ

何マグロかはわからないので、マグロとしてカウントします。

...3ヶ月経過...

こうして、私の魚介類記録結果はどうなったのかというと...、全部で39種類!

そして、複数回出てきたものを数えてできあがったのが、最初のランキングです。

1位 マグロ(10回)

2位 サバ、カツオ(8回)

4位 サーモン(7回)

私の好きな魚ランキングは1位サバ、2位アジ、3位キンメダイ、なので、マグロが1番食卓にのぼっていたのは意外でした。きっと、コンビニのツナマヨおにぎりや、ツナサンドが効いているのでしょう。知らないうちに日本人のマグロの消費量を増やしていました...。また、カツオは鰹節による利用が、サーモンはお刺身盛り合わせによく出てきたので、全体の出現頻度が増えました。

これは、かなり簡易な記録です。きっとお刺身で食べているマグロと、ツナマヨで食べているマグロでは種類が違うので、厳密に言えばもう少し種の数は多くなることでしょう。

私の「日々、おいしい魚介類を食べる」という幸せは、ざっくりと40種類近くの生き物に支えられていることが実感できました。では、これからはこの40種類と、末永く付き合っていけばよいのかというと...そう簡単な話ではありません。


■一匹のマグロを支える生き物はどれくらい?

試しにマグロ一匹が成長することを考えてみましょう。

マグロはサバなど、自分より小さな魚を食べ、サバはイワシなどの小魚を食べ、小魚は動物プランクトンを食べ、動物プランクトンは植物プランクトンを食べ...、いわゆる食物連鎖によって成り立っています。

このようにマグロ一匹が大きくなるのに餌となる数種類の生き物が関わっているのです。

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そして、食物連鎖の各段階で、生き物の量はどれくらい必要かというと...。

生態学では、食物連鎖の上の層をまかなうのに、下の層の生き物がどれくらい必要かという研究が数多く行われています。平均すると、食物連鎖の上の段の生き物を 「1」 まかなうためには、そのすぐ下層の生き物は 「10」 必要とされています。10倍の量の生き物で支えているということですね。(カロリー換算での数字です)

つまり、マグロ1匹を仮に100kgとすると、マグロが食べる小魚は1000kg必要、小魚が食べる動物プランクトンは10000kg、その下の植物プランクトンは...100000kg=100t!!

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恐ろしい数の植物プランクトンに支えられている!!!!

なんなんだ植物プランクトン

すごいぞ植物プランクトン

以前、科学コミュニケーター沈が紹介していた「藻類(そうるい)」の大部分は植物プランクトンです。みどりの科学コミュニケーターが魚の話をする理由はここにありました。






■わたしを支える植物プランクトンを見てみる


というわけで、今年のゴールデンウィークには、そんな食物連鎖の基礎となる植物プランクトンの観察を行いました。


最後に画像とともに、イベントの様子を振り返りたいと思います。



まずは採集から。イベント前に科学コミュニケーター武田とお台場の海に繰り出しました。


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こうして、海水ごとプランクトンを採集してきました。20160522_asami08.JPG

この海水を、顕微鏡で見てみると...

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お台場の海にもたくさんの植物プランクトンがいましたー!

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一口に植物プランクトンと言っても、ご覧の通り、様々な種類がいることがわかります。植物プランクトンにたくさんの種類がいれば、それを食べる動物プランクトンも多くの種類が生きてゆけます。そして、その上の小魚、大きな魚にも同じ事が言えるのです。私が、サバカレーを食べ続けることなく、3ヶ月いろいろな海の幸を楽しめたのは、この「いろんな種類」がいるおかげ。




植物プランクトンたちの下支えで、私は今日もおいしい魚が食べられそうです!

みなさんの今日の食卓は、どんな生き物に支えられていますか?




20160522_asami07.JPG

植物プランクトン観察会場は大盛り上がりでした。
今年の夏にも再び開催する予定です。今後もみどりの科学コミュニケーターの活動をお楽しみに!



【参考にした本】
・Paul R. Pinet著、東京大学待機海洋研究所監訳(2010)「海洋学 原著第4版」東海大学出版会


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この記事への1件のフィードバック

こんにちは、初めまして(^^)
我々の食卓を支えるためにこんなに食物連鎖の下位にいる動植物が
必要だったのですね(^_^;)
いっそのこと、人間が直接オキアミとか植物プランクトンを摂取してみたらどうでしょうかねw笑
河川からの栄養豊富な水で大量の動植物プランクトンを養殖して、ほぼ無加工で食べてみたらどうなるんでしょうねwやってみたいです笑
人間も最後は食物連鎖の環に戻れるような社会的コンセンサスが欲しいですw

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