ロボットと一緒に暮らす未来をのぞいてみませんか? ~ともにつくる サイセンタン!「ロボットは自分で人混みを抜けられるか!?」 実施中!~

このエントリーをはてなブックマークに追加



皆さんこんにちは。


科学コミュニケーターの伊藤です。



昨年、9月から毎月1回実施している「ともにつくる サイセンタン!『ロボットは自分で人混みを抜けられるか!?』」はご覧いただきましたでしょうか?



このイベントはロボットの実証実験として行っています。期間中には3階の常設展示フロア内をロボットが自由に動き回っています。ロボットは人にぶつからないように考えながら、目的地に向かって移動します。



このロボットは産業技術総合研究所の持丸研究室の研究者らが開発しているもの。持丸研究室は、未来館の併設されている「研究エリア」にお部屋があります。このイベントを通して来館者からの意見を取り入れながら、ロボットに少しずつ改良を加えていきます。


ito_20170303_fig1.jpg

図1 ロボットの光り方も実はイベント当初から変更されています。
どう変更されたかわかりますか?



ito_20170303_fig2.jpg

図2 「研究者からの問い」として、ロボットに関する質問を
毎回設定しています。問いは研究者の直筆です。


次回のイベントは3月10日(金)と3月11日(土)の開館中(10:00から17:00)に3階の常設展示フロアで実施します。また、3月11日(土)の13:30から13:45にはロボット研究者とともに特別版のミニトークを5階のコ・スタジオにて行います。研究者の方から直接お話しを聞けるチャンスですので、ご都合の良い方はぜひご来館下さい。



また、4月以降もロボットのイベントを実施しようと思っていますので、時々は未来館のホームページをチェックしてみて下さいね。



さて、今回のブログでは、遠方にお住まいの方々やまだこのロボットを見たことが無い人に向けて、ロボットの仕組みを紹介したいと思います。また、同時にこのロボットに関するご意見やアイデアも募集したいと思います。


ひょっとしたら、あなたの意見が採用されるかもしれません!




このロボットはキラキラ光る外見から英語で「クジャク」を意味する「ピーコック(Peacock)」と名付けられました。



ピーコックは、常設展示フロア内でおもに2つのことをしています。


①人を避けながら目的地へ進む

②周りの人の動き方を学ぶ



ピーコックの「目」は中心にある銀色の物体です。ここから「赤外線」という人の目には見えない光を飛ばし、その反射を見ることで、どこに人がいるのか、どこに壁があるのかを判断しています。



この赤外線を使ってピーコックが私たちのいる環境をどのように見ているのか、つまりピーコックが見ている景色を実験期間中に3階で展示をしています。


ito_20170303_fig3.jpg

図3 青が高さの低い場所、赤が高い場所を示しています。
人とは違ってこんな風にピーコックは周りを見ています。


画面の中央にある灰色がピーコックを現していて、そこから同心円状にでている白い線が赤外線で感知している展示フロア内の壁や人を示しています。



事前にピーコックには展示フロア内で動かして、「どこに」「何が」あるのかを覚えてもらっています。つまり、壁などの位置を知っている状態になっています。その上で、赤外線でリアルタイムに「どこに」「何が」あるのかを判断することで、自分や周りの人が展示フロア内の「どこに」いるのかを判断することができます。これでやっとピーコックは目的地へと移動することができます。



赤外線で周りに何があるのかわかっているので、あとは目的地へ人にぶつからないように移動していきます。これが、上に示した①の「人を避けながら目的地へ進む」です。



では、②の「周りの人の動き方を学ぶ」は、どういうことなのでしょう?ピーコックは周囲にいる人の動き方から、「どこが人の通りやすい場所」で、「どこが人の集まる場所」なのかを学んでいます。



通常、ロボットが目的地を目指すときは、最短距離で行こうとします(図4)。しかし、未来館のような科学館やショッピングモールなどでは、そんな単純にはいきません。



ひょっとすると最短距離の進路の途中には「人が集まる場所」があったり、「子どもたちが遊ぶ場所」があったりするかもしれません。人間であれば、それを理解して避けるように進むこともできますが、ロボットがそれを行うのは実は難しいのです。



そこで「周りの人がどうやって動いているのか」を学ぶことで、「人が通る通路」がどこにあるのかを判断できるようになっていきます。それはまだまだ時間がかかるため、何度も未来館で実証実験をしながら少しずつ少しずつ通路がどこなのかを覚えている段階なのです(図5)。

ito_20170303_fig4.JPG

図4 ロボットが目的地へ行こうとすると最短距離を選ぶ(※)


ito_20170303_fig5.JPG

図5 ピーコックは周囲の人の動き方から通路がどこなのかを
判断できるようになっている(※)




ここで少しだけですが、ピーコックが動いている様子をご覧いただきましょう。




ピーコックが通路の中央を動いています。動画の24秒あたりから、ピーコックがゆっくり動くようになります(図6)。これはピーコックが考えた進路上に来館者が来たためで、来館者を避けるために少し右側(画面で言うと奥側)へ進路を変更しようとしています(図7)。



ito_20170303_fig6.JPG

図6 進路上に来館者を発見したので、ゆっくり動きつつ別の進路を探している


ito_20170303_fig7.JPG

図7 来館者が画面の左側へ進んだので、ピーコックは画面の右側へ
進もうとしている

ピーコックは人混みの中をスムーズに動くために未来館の中で人の動き方を「絶賛勉強中」の、まだまだ研究段階のロボットです。



つまり、ピーコックに「どんなことをしてほしいか」、またはピーコックが「人混みの中をよりスムーズに動くためにはどんな機能を付ければ良いのか」など、来館者やこのブログをご覧いただいている皆さんから直接研究者へ意見を届けることができるのです。



実際、これまでのイベントでピーコックが来館者に囲まれてしまい、右往左往する場面がよくありました。こうした場面をご覧になった複数の来館者の方々から、ピーコックが囲まれているときに「ロボットが今何をしているのか、何をしたいのかがわからない」という意見を多くいただきました。



そこでピーコックが人に囲まれて目的地までの進路を見つけ出せないときに、ピーコックの外見の一部が赤く光るように改良したところ、以前に比べれば、周囲にいる来館者の皆さんが「お、ロボットが困ってる??」と理解してもらえる場面が増えました。実は図1の写真が、その困っている時のピーコックです。



このように皆さんのご意見やアイデアが研究に活かされるかもしれません。



今回はブログをご覧いただいている皆さんからもご意見やアイデアを募集したいと思います。ぜひコメント欄へご記入下さい。お答えいただきたい「研究者からの問い」は以下の2つです。


①人混みの中をよりスムーズに動くために、どんな機能を付ければ良い?

②人混みの中をスムーズに動くロボットに、どんなことをしてほしい?



お答えいただく「問い」は片方だけでも、両方でも構いません。皆さんのご来館、そして皆さんからのご意見をお待ちしています!


(※イラストは産業技術総合研究所の佐々木氏からご提供いただいたものを筆者が加筆・改変しました)



※コメントをする際は「ブログへのコメント投稿について」をご覧ください

※「名前」は、ハンドルネームでも構いません

コメントを残す