新緑の季節がやってきた!あなたの周りに「みどり」は必要?!

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様々な植物が生き生きと葉を広げ、花を咲かせる季節。最近では街の中でも駅やお店など緑を取り入れているところがありますね。

私たちにとって身近なみどり。このみどりについての研究は、森のことから細胞・遺伝子レベルまで多岐にわたります。そして毎年、緑に関する学術的な功績のあった個人に、内閣総理大臣から「みどりの学術賞」が授与されています。

今年授賞されたのは、千葉大学名誉教授、丸田頼一(まるた よりかず)先生と、岡山大学異分野基礎科学研究所 教授、沈 建仁(しん・けんじん)先生のお二方です。

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<左:丸田 頼一先生  右:沈 建仁先生>

沈先生に関しては、以前から沈先生のご研究についてリサーチをしていた梶井から後日報告いたします。今回は丸田先生のご研究についてご紹介いたします!

さて、冒頭にもあったように、街の中でもみどりが取り入れられてきていますが、みどりがあると、「目にやさしい」、「心理的に気分が安らぐ」などよく言われますね。実際に、そのような人に対する効果は様々な研究がされていて、実証されてきています。

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<壁面緑化された商業施設>

でも、みどりの効果は個人レベルだけでなく、街レベルでも大いにあるのです。

たとえばヒートアイランド現象です。真夏になると、都市域が局所的に暑くなったり、ごく狭いエリアだけが豪雨に見舞われたりするなどの影響が出ます。この現象を緩和するために、都市の中に上手にみどりを配置していくことが重要だと考えた研究者がいます。

それが先ほどご紹介した丸田 頼一先生です。

丸田先生は、ヒートアイランド現象が日本で知られる前から公園緑地の調査を行い、緑地から冷たい空気が市街地へとしみ出していることを明らかにしました。

どのように明らかにしたのでしょうか。それは「移動観測」という手法。

まさに乗り物を使って移動しながら、気温や湿度を測り、あとで同じ時刻に測ったように補正する、というものです。データの補正や1回の観測を2時間未満にする、など頭も体も使って、研究をされていたようです。

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これは杉並区で行われた研究のほんの一部ですが、調査の結果として得られた気温を、等高線のようにつないでいくと、緑地のある緑色で囲んだ部分が他の場所よりも気温が低いことがわかります。このような地道な研究の積み重ねから、緑地の効果を実証し、国レベルの大規模な調査につながるものを築き上げてこられました。

他にも丸田先生は都市緑地に対して様々な研究や提案を行っています。

たとえば、緑地に騒音や振動を緩和する機能があることや、市街地で火災が起こった場合に緑地があることで延焼を防ぐ機能を持っていることなども実証研究で示し、客観的指標による緑地の配置計画論を確立しました。

さて、私たちの心をただ和ませてくれるみどり、という印象から、物理的な快適さの面でも、防災の面でも街の中での機能をもつみどり、という印象に変わったでしょうか?でもみどりと言っても、芝生や街路樹、花壇の花など、様々なタイプがあります。どのようなみどりだったら、あなたの周りにあると良いでしょうか。

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そのヒントが未来館にあるかもしれません。ミニトークやパネル展示で丸田先生のお仕事を紹介するほか、7月の記念講演会には、丸田先生ご自身もご登壇の予定です。ぜひ未来館に足を運んでみてください。

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■サイエンス・ミニトーク「みどりにまつわる研究紹介!-光合成のしくみ、ヒートアイランド対策」

開催日時:2017430()57() 13:3013:45

開催場所: 5 スタジオ

参加費:入館料のみ

http://www.miraikan.jst.go.jp/event/1704101521255.html

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■パネル展示「みどりを見つめ続けた研究者たち」

開催期間:2017年4月15日(土)~5月14日(日)※休館日除く

開催場所:3階実験工房奥

http://www.miraikan.jst.go.jp/event/1704101521254.html

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■「みどりの学術賞」記念講演会

開催日時: 2017年7月2日(日) 13:30~16:30

開催場所: 日本科学未来館 7階

講  師:丸田 頼一氏(千葉大学名誉教授)、沈 建仁氏(岡山大学異分野基礎科学研究所教授)

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