未来館で化学を見つけてみませんか?化学のイベント開催します!

こんにちは!梶井です!

今日は科学コミュニケーターもとい化学コミュニケーターとして、10月22(日)に未来館で行われるイベントについて告知させていただきます!

突然ですがクイズです!

H2O(エイチツーオー)という言葉を聞いたことがあるかと思います。 水をつくっている小さいツブツブ、水分子ですね。

では、このグラスの中にある水は水分子がどれくらい集まってできているでしょう!?  ぐい飲みサイズのグラスです。

(撮影・イラスト作成: 科学コミュニケーター 鈴木毅)

答えは、

(ゼロは24コ)

です。

「じょ」......?初めて聞く方も多いと思いますが、1兆の1兆倍です。 多いッ!!

ふだんから意識している方は少ないかと思いますが、実は私たちの世界はたくさんの、そしてさまざまな種類の分子からできています。

これら分子に注目してさまざまな現象を解き明かしたり、既存の物質のよりよい作り方を発明したり、それまで世の中になかったような新たな物質を生み出したり、etc......をしているのが「化学」です。

ここまで説明したところで再びクイズです!

10月23日はなんの日でしょう?

答えは、「化学の日」です!

(画像提供: 公益社団法人 日本化学会)

聞き慣れない方が多いかと思いますがそれもそのはず。

日本化学会、化学工学会、新化学技術推進協会、日本化学工業協会が2013年に制定した、まだ新しく、ほんの少しマニアックな記念日なのです!

※10月23日は、アボガドロ定数(1モルの物質中に存在する粒子の数 = 6.02×1023)に由来しています。

ということで、未来館でも化学の日を記念したイベントを企画しました!!

キミ×ケミ~君と見つける化学~

日時: 10月22日(土) 10:00~17:00
会場: 常設展5階 コ・スタジオ、3階 実験工房WET前
後援: 日本化学会
※常設展への入場には入館券が必要です。
※化学の日は10月23日ですが、本イベントは10月22日です。お間違えのないようお気をつけください。
イベントページ: https://www.miraikan.jst.go.jp/event/1710021121984.html (リンクは削除されました。また、URLは無効な場合があります。)

研究者のトークイベントやこの日限定のワークショップをご用意いたしました。
詳細は上のURLからご覧いただければと思いますが、簡単に見どころ紹介をしますね!

① 研究者トーク

登壇者: 西原寛(にしはら・ひろし)氏 (東京大学 教授、現・錯体化学会会長)

(写真提供: 西原寛 博士)

西原先生が開発に取り組まれている新素材「CONASH」についてお話いただきます。

いろいろな応用の可能性がありますが、例えば、ペラペラなのにたくさんの電気を蓄えられる電池ができるかもしれません。リチウムイオン二次電池は現在の軽くて薄いスマートホンやパソコンをもたらしましたが、CONASHによって私たちの生活はどのように変わりうるのでしょうか?また、なぜそのような発見に至ったのかといった西原先生の研究人生についてもお話しいただきます。

「最先端の化学を知りたい!」という方以外にも「化学者ってどんな人なんだろう?」という方、進路に悩んでいる中学生・高校生、大学生にもお勧めです!

時間: 13:30~14:30

場所: 常設展5階 コ・スタジオにて

定員: 約40名

備考: トーク終了後、未来館内にある「二次元物質」プロジェクトの研究室ツアーを開催します(約30分)。こちらの整理券は13:00からコ・スタジオにて配布いたします。先着15名ですので希望される方はお早めにお越しください。

② サイエンティスト・クエスト

登壇者: 黒崎健(くろさき・けん)氏 (大阪大学 准教授)

(写真提供: 黒崎健 博士)

今回お話しいただくのは「熱電変換」という技術。文字通り「熱(温度差)から電気を生み出す」技術です。

この技術自体は昔から活躍していました。例えば、今や太陽系の外を航行中の探査機ボイジャーや先日ミッションを終了した土星探査機カッシーニなど、太陽光で発電するのが難しいほど遠い場所まで行く探査機では、放射性物質の生み出す熱と宇宙空間の冷たさを利用した熱電変換が用いられています。黒崎先生はより効率よく、低コスト、低リスクで発電できる熱電変換材料の研究をしています。

もしそんな材料ができたら、私たちの未来の生活はどのように変わるでしょうか......?研究者と考えてみましょう!

時間: 1回目11:30~12:00、2回目 15:00~15:30

場所: 常設展5階 コ・スタジオ

定員: 各回約40名

③ 熱電変換ワークショップ

下の写真のような装置を使って熱電変換を実際に体験しながら、エネルギー問題について考えるワークショップです。直前のサイエンティスト・クエストに参加されていない方でも楽しめる内容です。当日のファシリテーションを担当する未来館ボランティアも実は研究者なので、ぜひいろいろな質問を投げかけてみてください!

(撮影: 日本科学未来館ボランティア 中島多郎氏)

時間: 1回目12:15~12:35、2回目 15:45~16:05

場所: 常設展5階 コ・スタジオ

定員: 各回12名

④ 分子模型ワークショップ

分子模型を組み立てて、世界が分子というツブツブからできていることを感じるワークショップです。小学生でも楽しんでいただける内容ですが、分子模型を組み立てたことのない中学生や高校生、大学生にもお勧め!

自分の好きな分子を分子模型で作ってみると、「君たち(分子)はこんなに柔軟だったんだね!」「共役系の広がりが良くわかる!」など新しい発見があるかもしれませんよ!

ちなみに、梶井の愛分子「ポルフィリン」を分子模型で作るとこんな感じです。

(筆者撮影)

時間: 10:00~16:00

場所: 常設展3階 実験工房前 ※こちらのみ開催場所が異なっておりますのでご注意ください。

また、館内では前日の10月21日(土)から当日までNHKサイエンス スタジアム2017も開催されております。

https://www.miraikan.jst.go.jp/event/1710041321987.html (リンクは削除されました。また、URLは無効な場合があります。)

こちらは参加費無料のとても楽しいイベントです。

ぜひこの機会に日本科学未来館へお越しください!

【最後に】

「レゴブロックのように自分で新しいものを自在に生み出せるから」「湿布薬のサリチル酸メチルのにおいが大好きだったから」「ヘアワックスが大好きだったから」「血反吐を吐きながら研究したら分子の声が聞こえたから」などなど、私の知る限りでもさまざまなきっかけで化学にワクワクした人たちがいます。

本イベントが、皆様にとってワクワクする化学を見つけるきっかけになれば幸いです。

【参考】

・日本化学会 化学の日のページ

http://www.chemistry.or.jp/know/molday.html (リンクは削除されました。また、URLは無効な場合があります。)

・2017年化学の日関連イベント

http://www.chemistry.or.jp/news/information/1023-2.html (リンクは削除されました。また、URLは無効な場合があります。)

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