お米を「つくる」「食べる」とは?
 ――ビューティフル・ライス展、始まりました

このエントリーをはてなブックマークに追加


シンプルな「農」と「食」の営みを、科学の視点で展示にしました。


未来館の1階コミュニケーションロビーで、特別展示「ビューティフル・ライス ~1000年おいしく食べられますように」が始まりました。2018年1月8日(月・祝)までです。

20171121_tani01.jpg



イラストや民俗資料、食品サンプルなどがふんだんにあるので、何となく眺めるだけでも楽しんでいただけることと思います。

でも、せっかくの機会。この展示に込めた意図などを少しだけまとめますので、よかったらお付き合いください。


それではさっそく、イラストを見てみましょう。

20171121_tani02.jpg
水を田んぼに引き込んで、




20171121_tani04.jpg

種を蒔いて、




20171121_tani06.jpg

ん?魚獲り?




20171121_tani07.jpg

米を収穫して、



20171121_tani13.JPG料理して、食べて、

20171121_tani09.jpg

あれ、うんちもしてますね。




表現しているのは、昔ながらの農村の営み。

日本を含むアジアの米作りには、同じ場所で何百年、何千年と続いた事例が多くあります。土地を消耗させたり、放棄したりせずに、使い続けているということです。

その生活や文化を科学の視点で見つめ直すことで、「持続可能な食」へのヒントを得ることができるのではないか――。

国連が採択したSDGs(持続可能な開発目標)もふまえ、「きょうも、あしたも、そして未来の子孫たちもおいしく食べていくために大切なことは何か?」を考えようと思ったのです。



20171121_tani10.jpg

手前に、科学の視点で見た解説があります



見えてきたのは、「循環」です。

米作りには、窒素、リン酸、カリウムなどの「養分」が必要です。

その養分を自然から「もらう」、養分で米を「つくる」、できた米を「たべる」、そして排泄物や肉体になった養分を自然や田んぼに「かえす」――。

農村の営みには、そんなサイクルを回し続ける知恵と工夫がありました。


20171121_tani14.JPGぐるりと1周まわっているのは、、、

20171120_tani11.pngもらう→つくる→たべる→かえす のサイクル



【これからの1000年は、どうする?】

ただ、こうした営みは、人口が少なく田んぼと村(生産地と消費地)の距離が近いからこそ成立するもの。人口が増え、都市や経済が発展した現代は、状況があまりに違います。

20171120_tani12.png

現代は生産地と消費地が離れて、、、



では、未来の「持続可能な食」は、どう実現していけば良いのでしょうか?
昔ながらの米作りを、ヒントにすることはできるのでしょうか?


もう一度、昔ながらのコンパクトな「循環」を目指すのは、選択肢の一つでしょう。

でも、昔との違いを認識した上で、新たな「循環」や「持続可能」の形を考えることもできそうです。

それに、個人の幸せだって大切です。「持続可能よりも今、大切なことがある」という姿勢だって、尊重するべきかもしれません。


展示ではいくつかの「考え方」を提示するとともに、ちょっと極端なフィクションのお米を4つ用意し、来館した方に選んでもらうことにしました。


20171121_tani15.jpgあなたが選ぶなら?



「持続可能な食」に向けた、絶対的な解決策を示すのはとても難しいです。現代の「食」がとても複雑な社会の中で成り立っていて、「食」に求めるものも個々で異なるからです。


それでも、昔も今も、そしておそらく未来も変わらないのは、どこからか「養分」をもらわなければ食べ物をつくることはできないし、人間が食べ物から得た「養分」は排泄物や肉体になり、またどこかへいくということ。


人間の「食べる」という営みを、見つめ直してみませんか。

---
特別展示「ビューティフル・ライス~1000年おいしく食べられますように」
開催日時:2017年11月11日(土)~2018年1月8日(月・祝)
開催場所:日本科学未来館 1階 コミュニケーションロビー
参加費:無料(ただし、常設展・企画展への入場には別途料金が必要です)
監修:佐藤洋一郎氏(人間文化研究機構理事)
http://www.miraikan.jst.go.jp/event/1707050921574.html
会期後は巡回展貸出を予定しております。詳しくは、お問い合わせください。

※コメントをする際は「ブログへのコメント投稿について」をご覧ください

※「名前」は、ハンドルネームでも構いません

コメントを残す