SFを科学する ~スター・ウォーズ編②~ 地球外生命体は存在する?

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SFから科学を探るブログシリーズ、前回は「スター・ウォーズ」から宇宙全体のことを考えました。今回はスター・ウォーズから宇宙における生命を考えてみます。

スター・ウォーズには様々な生命体が登場し、ストーリーを色彩豊かにしています。しかし、ここで大きな疑問があります。それはメインキャラクターのほとんどがヒトによく似た生命体ばかりだということ。私が師と仰いで敬愛する「ヨーダ」も地球外生命体ですが、耳が長く、緑色の体を持つ以外はどうみても地球人そっくりです。

スター・ウォーズの世界のように、地球外生命体は本当に人間によく似た姿形ばかりなのでしょうか?そもそも、地球外に生命体は存在するのでしょうか?

答えはというと・・・、現時点ではなんとも断定できません。存在するという明確な証拠は今のところありませんが、かといって宇宙をくまなく探すことは無理なので、ないことを科学的に証明することも不可能でしょう。ですので、ここでは地球上の生命から宇宙での生命を考えてみます。

まずご紹介するのは昨年12月のNASAの記者会見から。NASAは事前に、「宇宙生物学上の発見に関する記者会見を行う」と予告していたため、地球外生命体発見か!?など、巷でも様々な憶測が飛び交いました。

しかし実際の会見で明らかになったのは、「リンの代わりにヒ素を用いて生命活動を維持できる生物の発見」でした。この内容にテレビなどでも「がっかり」、「期待外れ」といった批判的な反応があったことを記憶している方も多いと思います。

でもこれ、実はすごいことなのです!!リンはDNAにも、エネルギーの代謝にも使われる生命の必須要素だと考えらえていました。当然リンが存在しない環境では生命が生きられないと思われていました。しかし、NASAの発表によると、GFAJ-1という細菌は、リンの代わりに人間にとっては猛毒であるヒ素があれば増殖でき、なんとヒ素がDNAの中に取り込まれているというのです。

NASA ウェブサイトより

この研究結果には反論も多く、この発見が本当かどうか結論はついていません。しかしもし本当なら、これまでの地球上生命体の常識を覆す存在であると言えるでしょう。

また、近年では南極や深海、砂漠、成層圏など、従来は生物がすめる環境ではないと思われていた極限環境から、様々な生物が発見されています(参照:未来設計会議 宇宙生命体の多様性)。これらのことを考えると、地球上ですら、生命は実に柔軟であるように思えます。

地球という限られた環境の中でも生命にこれだけの柔軟性があるのなら、宇宙では思いもよらない構成要素でできた生命体が存在してもよいのではないかと私は思います。そしてもし存在するのであれば、スター・ウォーズの住人達のような地球の人間に似た姿ではなく、私達がまったく考え付かない姿形をしていても不思議ではないと思うのです。

なお、今回のブログはあくまでも個人的な見解です。日本科学未来館では昨年、未来設計会議という参加型トークイベントを、「宇宙生命探査-地球人としての生き方」というテーマで開催しました。このイベントの報告書などから、あなたも地球外生命体の可能性を考えてみてはいかがですか?

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この記事への2件のフィードバック

お久しぶりです。

 2012年5月21日の金環日食には興奮しましたね。

北海道では部分日食でしたが薄曇りのなか太陽が右肩から欠けていく様子がみられました。

ところで札幌では第54回さっぽろライラック祭り

2012年5月23日(水)~5月27日(日)大通公園会場

 大通公園の歩道沿いの約400本ものライラックがいっせいに咲き誇り、甘い香りを放つ。ライラックは「札幌市の木」。半年あまりの長い冬からの解放と野外散策の季節の到来を市民に告げるイベントだ。ライラックの苗木のプレゼントや音楽祭など多彩なイベントがくり広げられます。

 また6月2日(土)、3日(日)には白石区川下公園でもイベントがあります。約200種類1700本のライラックが咲き乱れ、気持ちの良い香りに癒やされる場所です。

 ところで地球外生命体ですが、NHKのBSプレミアム「コズミックフロント」で特集されていましたね。生命の元は超新星爆発によって宇宙全体に広がっているというものです。私たちの知っている元素もそのときにつくらっれているというのです。

 私も大学時代は工学部の生物化学化専攻でしたので、生命については関心があります。生命体の体型については「コズミックフロント」で木星の衛星「トリトン」には氷の下に海が広がっているという興味深い説明がありました。いろいろな体型の生命がいる可能性は大きいと思います。

佐藤様

お久しぶりです。

業務に追われ返信が大変遅くなってしまい、申し訳ありません。コメントありがとうございました。

東京ではかなり曇っていましたが、日食グラス越しにくっきりと金環日食が見えました。また先日の金星の太陽面通過も、雲の隙間から見ることができました。

私はとりわけ宇宙と生命が好きで、その両者が絡んでくる地球外生命体についてはとても興味があります。

ご指摘のあった地球外生命体のテレビ番組ですが、全く存じていませんでした。知っていたら是非見たかったのでとても残念です。

番組中であったというトリトンの海の例のように、宇宙には生命誕生に必要な要素が意外な場所に潜んでいたりすることもあるので、これから宇宙の探査がさらに進んでいけば地球外生命体の可能性に繋がるような発見だってもしかしたらあるかも知れませんね。

そう考えると、やはり宇宙はロマン溢れる魅力的な分野だと思います。これからも面白いテレビ特集や記事などがあればぜひ教えて頂ければ幸いです。

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