夜空の中で

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みなさんこんにちは。科学コミュニケーターの高田真希です。

突然ですが最近、夜空を見上げていますか?最後に星を眺めたのはいつのことでしょう?

太平洋の赤道近くにマーシャル諸島共和国という国があります。人口6万人の小さな国。ほとんどの方は「聞いたことないよ」「どこにあるの?」と思われたことでしょう。しかし日本はかつてマーシャルを統治していた歴史があり、マーシャル人にとっては、日本は関わりの深い国です。おじいちゃん、おばあちゃんが日本人というマーシャル人も多く、モモタローさん、チュータローさん、マサオさん、などなど・・・というマーシャル人も珍しくありません。私は2年間、この小さな国マーシャルで暮らしていました。

先日、1年ぶりにマーシャルを訪れたときのことです。夜、飛行機の窓から真っ暗な外の景色を眺めていたら、着陸が近づき客室灯が消えました。その瞬間、暗闇に満天の星が浮かびあがったのです。1年前までは当たり前のように見ていた星々が思いがけず目の前に現れ、本当に感動しました。自分が暗闇の一部になって星を眺めているような、不思議な感覚を味わいました。

[caption id="attachment_3315" align="alignnone" width="300" caption="マーシャルの夜空と星(明るく加工してあります)"][/caption]

マーシャルをもっと上から、宇宙から眺めるとどう見えるのでしょうか。未来館3階にある「Geo-Scope(ジオ・スコープ)」では、さまざまな地球観測データを見ることができます。その中の一つ、「夜の地球」というコンテンツでは、宇宙から観測された夜間の地球の様子を見ることができ、人間活動の様子を表すネオンの照明などが白く光って見えます。例えば夜の東京は世界の中でも際立って白く光り輝いて見えます。一方、夜のマーシャルは真っ暗で、宇宙からは認識できません。しかしそこには確かに国土が存在し、人間が生活しているのです。

マーシャルで生活していると、日本の便利な生活が恋しくなったものです。欲しいものが手に入らず、停電が多く、娯楽も少ない生活。実際、日本に帰国した直後はコンビニエンスストアに行くだけでも嬉しくて大興奮でした。

ところが帰国から9か月後に起こった3月11日の東日本大震災と、それに続く電力不足。現在も社会で広く節電に取り組んでいますが、特に地震直後は街全体が暗く感じられ、何かが今までと変わったのだと感じました。そんな中、私はマーシャルでの生活を思い出しました。不便だと思っていたマーシャルから帰国し、物質的に豊かな日本の便利な生活はとても嬉しかったけれど、それはどこか不自然な姿だったのではないか。日本には良いところがたくさんあるけれど、マーシャルにも同じくらい良いところがあったのではないか──。次回からは、小さな小さな国、マーシャルで考えた環境のこと、電気のこと、水のことなどをお届けします。どうぞお楽しみに!

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この記事への2件のフィードバック

いつもみなさんのブログを楽しく読ませて頂いています。

ところで衛星画像では震災以降の東京は暗くなったと先日

中国への海外出張に行った時に言われました。

かつてアジアで一番明るいのは東京だったと。

次に上海、ソウル、香港など。

今は上海だと言われました。まあ彼らの自尊心も

少し入っていると思いますが。。

未来館のそのジオスコープやジオコスモスでは

今現在の日本の明るさを見ることはできるのでしょうか??

現在、見ることができる「夜の地球」はGeo-Cosmos,Geo-Scopeともに2006年のものですが、今現在の日本の明るさは、アメリカ海洋大気庁(NOAA)が公開している夜間照明の様子でご覧いただくことができます。

http://www.nnvl.noaa.gov/MediaDetail.php?MediaID=697&MediaTypeID=1

震災前と3月12日の「日本の夜」。宇宙から見てもはっきりと分かるほど、暗くなっています。

1年後、5年後の日本の夜は、宇宙から見たらどう見えるのでしょうか。

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