南の国から考える ~環境編~

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こんにちは。科学コミュニケーターの高田真希です。

前回に続いて南の国マーシャルで考えたことを、環境をテーマにお伝えします。

皆さんは「南の国」と聞いて何を思い浮かべますか。青い空、白い砂浜、透き通った海──。マーシャルもそうしたイメージにぴったりの美しい国です。

ところが、下の写真をご覧下さい。これもマーシャルの姿です。

海岸に打ち寄せられた大量のゴミ。私自身も電子レンジが壊れたときに、大家さんから「海に捨てて」と言われて驚いたことがあります。なぜ、このような状況になっているのでしょう?

マーシャルでは、家の周りに木の枝や葉っぱが落ちている家はだらしない家、という価値観があります。そこで土曜ともなると、女性たちが朝から家の周りの落ち葉などを拾って掃除します。学校で清掃活動を行うと、子どもたちは木の枝などを一生懸命に拾います。しかし、ここ数十年の生活スタイルの欧米化に伴って、急激に増加したプラスチックなどのゴミに対しては、意識が低いのが現状です。

また、マーシャルにはリサイクル施設がなくゴミを全て埋めるため、日本でペットボトルや缶を分別するように、「ゴミにも種類がある」という概念はありません。ゴミを捨てるときは紙もビンも木も電化製品も、全て一緒にして週に一度のゴミ収集に出します。そしてある時はポイ捨て、ある時は海にも捨てるのです。

ゴミ処理やリサイクルの面では課題の多いマーシャルですが、昔ながらの、ある植物を無駄なく使う知恵も生きています。ある植物とは、最初の写真に写っているヤシの木。ヤシは、マーシャルでは人間の数より多いといっても過言ではないほどよく見る植物です。

このヤシは、葉は編んでゴザや食器にしますし、幹からは樹液をとってお酒にします。実の使われ方はさらに徹底していて、中にあるたっぷりとした液は飲み物に、白い固形部分は家畜のえさにしたり、石けんに加工したりします。ココナッツオイルにすることもあります。さらに、カラも捨てたりしません。燃料にしたり、食器に使ったりします。まさに無駄なく使われています。

(カラをいぶして燃料に)

そして今、学校を拠点とした空き缶のリサイクルが始まろうとしています。学校で集めた空き缶を政府が買い取り、それを有名な飲料メーカーが社会貢献の一環として買い取り、国外の施設でリサイクルされます。収益は学校に還元され、文房具の購入や学校設備の向上などに充てられます。子ども達が大人になった頃には、どのような海が見られるのでしょうか。

次回は、マーシャルで考えた「電気」についてお伝えします。暑い夏、社会的な節電の取り組みの中で電気の大切さを再認識された方も多いのではないでしょうか。停電が頻繁に起こり、電気が通っていない離島も多くあるマーシャルでも、電気はとても大切なものです。お楽しみに!

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