SFを科学する ~A.I.編②~ 愛され始めたロボットたち

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SFから科学技術を探るブログシリーズ、前回に引き続きスティーブン・スピルバーグ監督のSF映画A.I.から、今回はロボットと人間の心のふれあいについてご紹介したいと思います。

このSF映画の主人公は人間の男の子の姿形をしたロボットですが、作られた目的は人間を愛し、愛されることです。しかし現実世界で人間がロボットに感情移入できるまでの「人間らしさ」を実現するためには、相当高度な人工知能が必要となることを前回ご紹介しました。

例えばあなたに愛する人がいるとして、人間そっくりに作られたロボットをそれと同じレベルで大切に想えといわれたらどうでしょう?それはかなり難しい気がしますよね。でも、私達が愛せるのは人間だけでしょうか?


たとえば動物。ペットのいる方ならば、家族と同じようにそのペットを大切に思っているでしょうし、ペットをお飼いでない方も動物を見ていとおしく感じたりしたことがあるはずです。ちなみに私は実家にいる犬(名前はラッキー)を愛しています。

そう考えるとこの映画の主人公のように、見た目もしぐさも会話の仕方も本物の人間と区別がつかないようなロボットを作らなくても、動物の姿形をしたロボットであれば愛おしく思えるのではないでしょうか?

実際「A.I.」には主人公のロボットとは別に、テディーという名のクマのロボットが出てきます。彼は持ち主の家族に可愛がられていました。

実は日本科学未来館にはまさに「A.I.」のテディーのように、動物の姿をしたロボットが存在します。それがメンタルコミットメントロボット「パロ」

写真はこちら。

パロのモデルはタテゴトアザラシの赤ちゃん。パロの体には様々なセンサーが付いていて実に多様な機能があります。

触れると反応して鳴き、触り方に応じて鳴き方が変わる(面触覚センサー) 

簡単な挨拶や褒め言葉に反応する(音声認識機能)

好きな名前を付けて呼び続けると覚える(強化学習機能)

音がした方向を向く(音に対する指向性)

周りの明るさに応じて活発さが変わる(光センサー)

ひげを触られると嫌がる(静電気センサー)

パロに触ったり話しかけたりすると、ちゃんと反応を示してくれて、実にかわいい!私はこのロボットが大好きでその側でよく解説を行っていますが、老若男女問わずみんなが口をそろえて「かわいい」、「癒される」と言い、笑顔になります。

では実際に来館者とパロの間でどんなやりとりがされているか?ここでは未来館で撮影したものと思われる動画がWeb上にあったので、ご紹介します。このやりとりを見れば、あなたもきっとパロを好きになるはず!!

どうです?癒されるでしょう♪

実際このロボットは人間のストレスを軽減できることが医学的に証明され、2002年には「世界一のセラピー用ロボット」としてギネスブックに認定されました。最近では動物を飼えない高齢者施設や、東日本大震災の被災地で活躍しているといいます。

このようにロボットは人間の代わりに仕事をするだけではなく、最近では人間の心に作用し、役立つようになってきています。10年前、映画「A.I.」が示した「ロボットと人間の心のふれあい」が、今まさに現実のものとなりつつあります。今後もこのような取り組みはどんどん進んでいくでしょう。将来、あなたのおうちにもパロのようなロボットが当たり前にある世の中が来るかもしれませんよ!

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