お台場の海には何がいる?

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未来館はお台場にあります。

お台場といえば、海。

今のお台場の海はどんな感じなのでしょう?

ということで、久しぶりにお台場ダイビングを楽しんできました。

〔このダイビングは、須賀次郎さん(東京港水中生物研究会)と風呂田利夫先生(東邦大学)が研究目的で定期的に実施しているもので、都知事、公園課、港湾局、海上保安部への事前の申請が必要です。目下のところ、科学研究のためでないと許可がおりません。お台場の海にいきなり入ると公園管理事務所の人に注意されます〕

今回のダイビングで私が認識できた生物は、二枚貝のホンビノス、巻き貝のアカニシ(写真の右)とその卵塊(緑の糸状のもの)、カブトクラゲ(クラゲといっても厳密にはクラゲではなく、クシクラゲの仲間)、魚のイソギンポ、トサカギンポ、陸に上がってからはゴカイ類のナデシコカンザシとエゾカサネカンザシ、カニヤドリカンザシです。

[caption id="attachment_8502" align="aligncenter" width="398" caption="アカニシの卵塊(左)とアカニシ(右)"][/caption]

 

このなかで今回注目するのは「外来種」です。

「ナデシコカンザシ」

日本では1997年に初めて記録された外来種です。

研究者の方から「お台場にもいるかもしれないから探してみてください」という依頼があったそうで、探した結果、記念すべき(?)初確認となりました。

私は「カンザシ」の種類の区別がつかなかったので、陸に上がってから教えていただきました。

殻から出している赤いひらひらした鰓糸が美しいですよね。鰓糸は呼吸器官であるエラで「さいし」と読みます。

[caption id="attachment_8537" align="aligncenter" width="403" caption="ナデシコカンザシ"][/caption]

 

「ホンビノス」

大きいものはハマグリのサイズになる大型の二枚貝です。いつ潜っても必ずいます。

海水中の酸素が乏しくなって他の生物がどんどんいなくなっても生き残る、とても生命力の強い生物です。お台場海浜公園では、水深2~3m付近の砂と泥の混じった海底に多くいます。ホンビノスの故郷である米国北東部のニューイングランド地方ではクラムチャウダーにするそうで、私も試しに食べてみましたがおいしいです。少し前までは「シロハマグリ」という名前で売られたこともありました。ですが、ハマグリの仲間ではありません。

ホンビノスやナデシコカンザシが外国から日本に来たように、日本から外国に行っている海洋生物ももちろんいます。アカニシやマヒトデ、マハゼ、マガキ、アサリなどがそうです。外来種の移入経路はさまざまで、船のバラスト水に入り込んでいたり、船に付着してきたりします。水産資源として意図的に持ち込んだものもあります。

外来種は生態系を乱したり、在来種に悪影響を及ぼすことがあるため問題となっています。ですが、他の生物がすめない環境でも生きていくたくましいホンビノスは、新たな水産資源になる可能性も秘めています。もちろん、人が食べても大丈夫なような安全な海から獲る必要がありますが。

みなさま、お台場の未来館にいらした際には、ぜひ、お台場海浜公園まで足をのばして改めて海を覗いてみてください。岩場ではマガキやフジツボ、時期が合えば海面を跳ねるボラにも出会えるので、意外と楽しいはずです。

 

そうそう重要なことを書き忘れていました。

ホンビノスの見極めポイントをご紹介しましょう

ホンビノス(左)とハマグリ(右)

①殻が厚くザラザラ

②殻全体が前後に長い

③殻のてっぺん(殻頂)が短い方(前)に傾く

④殻の表面にある同心円状の凸凹(輪肋)が強くとんがっている

⑤味と食感が違う

以上がハマグリやバカガイ、シオフキと“東京港のシロハマグリ”ことホンビノスの見極めポイントです。探してみてくださいね!

*このブログを書くにあたり、リサーチダイビングでお世話になっている東邦大学東京湾生態系研究センター訪問研究員 多留聖典さんにご協力いただきました。

毎月最終日曜日にお台場海浜公園でリサーチダイビングをしています。その際、生物の観察会もおこなっていますので興味を持たれた方は、ぜひ、お台場海浜公園までお越しください。

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この記事への3件のフィードバック

④殻の表面にある同心円状の凸凹(輪肋)が

強くとんがっている

とありますが、とんがっている

理由はあるのでしょうか?

とんがっているほうが、彼にとっては都合が

良いことが何かあるのでしょうか。

海の生物も、不思議なものが多いですね。

海も陸も関係なく不思議な生物がたくさんですが。

コメントありがとうございます。

私も生き物は本当に不思議で面白いなと感じています。

さて、ご質問いただいた④凸凹(輪肋)がとんがっている理由ですが、、、

ブログの最後にも書かせていただいている東邦大学東京湾生態系研究センター

訪問研究員 多留聖典さんにお聞きしてみました。

その結果、考えられることとして下記のような回答をいただきました。

—–以下多留さんからの回答抜粋———–

表面の突起を多くすることで、海底での安定性が増すというメリットがあります。多少波浪の影響を受けても掘り出されにくくなります。

あくまで推論に過ぎないのですが、潮間帯(潮の干満にさらされる場所)にいて、なおかつ浮き上がったり粘液を出したりして移動することが多いバカガイやハマグリは移動先ですぐに砂に潜れるように、殻をなめらかな殻被で覆い、逆に浅いところにはおらず、移動もほとんどしないホンビノスは全くその必要はないということが考えられます。

あくまで推論ですし、明らかな答えがわかるわけではありませんので、一つの可能性として考えていただければと思います。

——————————————

*貝の殻は外側にキチンでできた殻被を作り、そこに炭酸カルシウムの殻を内側から貼り付けるようにしてつくられます。

私は海洋生物を学問として学んだことがないので、お台場ダイビングの度に多留さんをはじめ皆さんからいろんな事を教えていただいています。

今回のカンザシもそうですが、不思議な生物にレクチャー付きで出会えて毎回楽しい発見があります。

もしも、最終週の日曜にお台場にいらっしゃることがありましたら、海浜公園まで足を伸ばしてみてください。

ありがとうございます。

生活の役に立つように、貝のカタチもそれぞれに

変わっているんですね。

…興味深いです。

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