「にっぽんのシエスタ(1)~昼寝は1人でするもの?~」

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とつぜんですが、みなさんは「昼寝」はしますか?その時どこで、どんな姿勢でねますか?

昼寝ということばには、「怠け者がすること」というイメージがありました。しかし、最近ではにほんでも「昼寝」という習慣が見直されてきています。日中に睡眠をとることの科学的効果がわかってきただけでなく、節電対策の一環としても取り入れられています。

さて今回はこの「昼寝」をテーマに、いままでの切り口とは異なる、コミュニケーションの観点から話をしていきます。ここでいうコミュニケーションとは、「複数の人が同じ場所に居合わせるとき、刻々と変化していく相互的なことばや身体の動きのやりとり」という意味で使います。

わたしは毎朝電車で未来館にきますが、車内ではさまざまな格好で眠っている人を見かけます。

腕を組んで前後に頭をもたれる人、となりの人の肩を借りる人、座席の端にすわって仕切りに身体を預ける人。ドア付近に立って仕切りに寄りかかる人、手すりに捕まり頭をもたれる人、中には満員電車で四方八方から押されながらバランスを保つ人。電車の中でねている人の体勢は、じつにさまざまで、その器用さにおどろかされます。

そのおもしろさの一方で、なぜ「ねる」は、あまりテレビや雑誌で話題にならないのかと疑問に思いました。同じ生命維持の活動の中でも「たべる」は、料理番組やグルメ記事などになります。しかし人が眠っていることを題材にした番組や記事は、なかなかみることはありません。

これを知人に話したところ、こんな意見がかえってきました。

「“眠り”はひとりでおこなうことだからね。だれかとのコミュニケーションがうまれないんじゃないかな」

なるほど。たしかに一日の終わりに目を閉じて寝ると、もうその後は一人夢の世界です。

しかし、日中わたしが電車で見た光景をふり返ると、それは“一人の行動”とは言い切れません。なぜなら、他人の「視線」があるからです。

それを関連する話をします。冒頭の昼寝をするかという質問に、ある知人はこう答えました。

「トイレの個室でねます」

人目を避けるために、あえてトイレの個室に行き、数分の仮眠をとるというのです。このように日中の生活の中で昼寝をすることは、周りからの視線があるということです。

電車内でねむっている人とその周りとの間には「見る・見られる」という関係性があり、行動面での変化も生じます。つまり日中の眠りは、「コミュニケーション」ということができます。

そこで、わたしが関心をよせる「昼寝」をテーマに、ブログを書いていきます。科学的な視点と社会的な視点から、さまざまな話題をご提供できると考えています。

今回は、にほんで「昼寝」がどのような切り口で取り上げられてきたかをふり返ってみます。ここでは代表的な切り口を三つ紹介します。

まず一つ目は、「昼寝の効果」という切り口です。睡眠科学がご専門の広島大学総合科学部教授の堀忠雄の著書『快適睡眠のすすめ』によると、午後2時前後に15分~20分ほどの睡眠をとった場合、眠気がおさまり、昼寝をとらずに作業を続けた場合よりも効率がよくなるといいます。

二つ目は、「睡眠時間の比較」という切り口です。これは男女や年齢、そして国別といった指標で比較されることが多いです。昼寝を習慣にしている人とそうでない人の一日の睡眠時間の合計や睡眠時間と休養に関する自己評価といった話題に関連して、日本人の昼寝の話が出ることがあります。

三つ目は、「組織の制度」という切り口です。一つ目で挙げたような昼寝の効果に注目し、

業務の能率を上げるために積極的に昼寝の制度を取り入れる企業が出てきました。また節電対策の一環として、岐阜県庁のように日中の休み時間は昼寝のような休息にあてることを奨励する組織もあります。

「昼寝」のメリットを前提とした場合、わたしたちは「周りの人からの視線の中で、どのように昼寝をするのか」を考える必要があるかもしれません。

次回は昼寝を身体、道具、場所という切り口からとらえ、人前での昼寝がどのように連鎖していくのかについて考えていきます。

どうぞお楽しみに!

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