Q.「アマゾ・・・」 A.「ポロロッカ!」

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こどもが生まれました!と言っても、「私に」ではありません。

同僚の大西お父さんになりました!

この数ヶ月、「名前はどうする?某館長にあやかってマモルは?」と、赤の他人の私が新しい命の誕生を楽しみに待ちつつ、しかし、「大西さん、奥さんを放って働いていて大丈夫かなぁ」と落ち着かず、そわそわしていました。

そんな心配をよそに、生まれたのは2,054 gの女の子と、1,970 gの男の子

そう!なんと双子!

・・・と、久保の記事をパクったところで、クイズです。ででん!

「大西家の双子はDNA鑑定で区別がつく?○か×か?」

(とてもキュートな写真ですが、大西家の双子ではありません)

正解はっ・・・・・・○!

双子には二卵性一卵性があり、前者はDNA鑑定で区別がつきますが、後者はつきません。大西家の双子は性別が違う=二卵性双生児ですので、鑑定可能です。

一方、容疑者が一卵性双生児のため、どちらが犯人か決定的な証拠がなく、無罪になったという、まるで推理小説のようなケースもあります。

AFP通信 - 「一卵性双子『犯人特定できず』無罪、死刑免れる マレーシア」

 

では、第2問。ででん!

「一卵性双生児のDNAはまったく同じ?○か×か?」

 

正解はっ・・・・・・×!

「さっきDNA鑑定で区別つかないって言ったじゃん!」怒りゲージMAXで必殺技を繰り出しかけている方はモチついて、いや、落ち着いて。

現行のDNA鑑定法が一卵性双生児を区別できないだけで、違いはあるのです。

多くの場合、ヒトはひとつの卵子がひとつの精子と融合したひとつの受精卵から始まり、細胞分裂を繰り返して、最終的には60~100兆個の細胞からなる個体になります。

しかし、たまたま、2つの卵子がそれぞれ別の精子と受精し、それぞれが分裂を繰り返し、生まれてきたのが二卵性双生児。もともとの細胞が違うため、もっている遺伝情報も異なります。

一方、一卵性双生児は、1個の受精卵がお母さんのおなかの中で2つに分かれ、二人の赤ちゃんとして生まれてきます。もともとひとつの細胞だった一卵性双生児の遺伝情報は基本的に同じです。

 

一卵性と二卵性のちがい

 

ところが、体の中には遺伝情報を変化させる細胞があります。抗体をつくるリンパ球、B細胞です。細菌やウイルスにくっつき、抑え込む役割をもつタンパク質が抗体です。抗体は設計図(遺伝子)を元につくられますが、抗体をつくる遺伝子が1種類だったら、1種類の抗体しかできず、1種類の病原体しかやっつけられません。

しかし、私たちは数え切れない種類の病原体に囲まれています。そこで、B細胞は、さまざまな病原体に対応できるよう、多種類の抗体をつくり出すため、なんと、遺伝子を組換えているのです!組換えの結果、できる遺伝子の種類は“100兆”を超えます!

B細胞における遺伝子再構成のイメージ

JST 理科ねっとわーく - 「抗体の多様性」

ヒトの遺伝子は数万個しかないのに、100兆種を超える抗体をつくれる事実は、研究者を長い間、悩ませてきました。この謎を解決したのは日本人の利根川進先生で、この業績により、1987年にノーベル賞を受けています。

遺伝子の再構成はランダムに起きますので、基本的には同じ遺伝情報を持っている一卵性双生児といえど、B細胞がもつ遺伝子のレパートリーは異なるのです。

では、最終問題。ででん!

「ダイヤモンドを盗んだ犯人を、推理とDNA鑑定で見つけ出す実験教室はどこでできる?」

 

正解はっ・・・・・・未来館!(注:犯人は双子じゃないです)

友の会会員向けの実験教室ですので、参加希望の方はご入会のうえ、ご応募くださいませ!

ちなみに、タイトルを不思議に思われた方は「アマゾン川 ポロロッカ クイズ」で検索すると謎がすべて解けます。

 

じっちゃんの名にかけて。

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この記事への5件のフィードバック

後天的にDNAが組み変わるということは、つまり一人の人間の体の中にある細胞同士であっても、DNA配列が違うものがあるということでしょうか。

あらかわ様、コメントありがとうございます。

仰るとおりです。

ちなみに、B細胞と双璧をなすリンパ球・T細胞も、同じように遺伝子を再構成しています。

T細胞の役割は、ウイルスが感染した細胞の破壊、免疫細胞の活性化の促進/抑制です。

B細胞と同じく、病原体の人相書き(抗原)を見極めるT細胞受容体の遺伝子が再構成され、T細胞ごとにDNAの配列が異なっています。

早速のご返信ありがとうございます。

つまりB細胞と呼ばれる細胞とT細胞と呼ばれる細胞の持つDNAがたまたま組み変わるだけで、普通の細胞に入ってるDNAは組み変わらないという認識でよろしいでしょうか。

>現行のDNA鑑定法が一卵性双生児を区別できない

を、初めて読んだときは

「一卵性双生児の兄弟の持つ普通の(例えば皮膚や毛髪等の組み換えの起きない)細胞中のDNAであっても、それぞれわずかな違いがあるが、現行のDNA鑑定は分解能が低いため、それらのわずかな違いを区別できない」

と読み取ってしまいましたが、文意はそうではなくて

「一卵性双生児の兄弟の持つB細胞(あるいはT細胞)のDNAは組み換えにより変化するため、一卵性双生児の兄弟といえども異なる配列のDNAを持つこともあるが、一般的にDNA鑑定の対象となるDNAはB細胞(あるいはT細胞)のように組み替えの起きる細胞ではなく、普通の(例えば皮膚や毛髪等の組み換えの起きない)細胞のものであるため、区別できない(そもそも同一であるから原理的に区別されない)」

という認識でよろしいでしょうか。

また、最初の問である

>一卵性双生児のDNAはまったく同じ?

の「まったく」は、一卵性双生児の兄弟の持つ(毛髪や皮膚の細胞の)DNA60塩基対が1塩基違わない、という意味ではなく、一卵性双生児の兄弟の持つDNAはいかなる細胞に入っていようとも違わない、という意味で使われていたという認識でよろしいでしょうか。

しかしこの辺の話はまったくわからないですね。

体系的に勉強すれば意外と登場人物は少ないのかもしれませんが、聞きかじる程度の知識では無尽蔵に覚えることが多い印象を受けてうげっとなります。

あらかわ様、再びのコメント、ありがとうございます。

> 普通の細胞に入ってるDNAは組み変わらないという認識

他にも、特殊な分裂をし、その際に遺伝子が組換わる細胞があります。

どの細胞だと思われますか?

> 一般的にDNA鑑定の対象となるDNAは、例えば皮膚や毛髪等の組換えの起きない)細胞であるため、区別できない

Exactly(そのとおりでございます)

> 一卵性双生児の兄弟の持つDNAはいかなる細胞に入っていようとも違わない、という意味

Exactly(そのとおりでございます)

あらかわ様は(ちょっとアンフェアに)隠されていた言葉に気づかれたようですね!

> 無尽蔵に覚えることが多い印象を受けてうげっとなります。

私も、うげっとなります。

登場人物を萌えキャラやイケメンにしたら、覚えやすいのでしょうかね?

すばやいレスをありがとうございます。

特殊な分裂って言ったら、生殖細胞の減数分裂ぐらいしか思いつかないですねー

ちょっと話はそれますが、今回の話は生体の持つ機能として組み換えが起きる場合ですが、外的な要因によって遺伝子が変化する場合もあります。呼吸由来の活性酸素が一番DNAを変化させる頻度は大きいように思いますが、それによるDNAの変化は、一般的にはDNA鑑定では検出できないと思います。それってどうしてなんでしょう。

①生体の持つ修復機能により外的な要因で変化したDNAはすみやかに修復され(あるいは細胞ごと自殺し)残らないから

②DNA60億塩基対のうち多少配列が違っていたとしてもそれを現在のDNA鑑定の分解能では検出できないから

たぶん後者な気がするんですけど、その場合どのぐらいの変化があれば識別可能になって、通常人間のDNAにはどのぐらいの変化が存在してるんでしょうねぇ。

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