SFを科学する ~攻殻機動隊編~ あなたもなれる!?透明人間

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もし透明人間になれるとしたら、あなたはなってみたいですか?

「なれるならなりたいけど、そんなの無理でしょ」

「可能だとしても大変そう」

そんな声が聞こえてきそうです。でも、マントを着るだけで透明人間になれるとしたらどうですか?

日本科学未来館には、着ると背後が透けて見えるようになる不思議なマントがあります。これは、慶應義塾大学教授の稲見昌彦先生による「光学迷彩」展示です。普通に見れば何ら変哲のないマントですが、写真ののぞき穴から覗くと、なんとマントの背後が透けて見えるのです。

(左:そのまま見た場合 右:のぞき穴から見た場合)

なぜこう見えるのでしょうか?仕掛けは2つあります。

1つ目はマントの素材。再帰性反射材という特殊な素材を使っています。普通光が何かにぶつかると、様々な方向に反射しますが、再帰性反射材は光が来た方向にだけ返すという面白い特徴があります。2つ目はのぞき穴のある箱。実はのぞき穴の下からは背景と同じ映像を投影しているのです。

つまりのぞき穴の下から出た映像がこのマントに当たると、光は来た方向(=のぞき穴のところ)に反射されるので、背景が見える仕組みになっているのです。マントの部分だけにプロジェクターで投影した背景が見えるので、あたかも透けているように見えるのです。

その証拠にフラッシュで写真撮影するとこのとおり。マントで跳ね返ったフラッシュ光が全てレンズに届くので、周りが暗く見えてしまうほど強く光っています。

この技術、未来館の展示では透明マントとして使っていますが、例えば自動車の運転席から後方の死角を透かしてみせれば、視界がはっきりして後進の安全性を高められると期待できます。稲見先生が関わるプロジェクトで実施した実験がこちら。


どうです?この技術があれば難しい車庫入れも簡単に行えそうですね。

(このプロジェクトの詳細は次のサイトをご覧下さい。

http://blog.ecocar-kaigi.jp/toumei/

なぜSFシリーズでブログを書いている私が今回この技術を取り上げたのか。それはこの作品がSFをヒントに生まれたものだからです。それは士郎正宗のSFコミック「攻殻機動隊」1995年には押井守監督が映画化していて、私はこの映画の大ファンなのです。

この作品は科学技術が高度に進歩した近未来社会で、犯罪を未然に防ぐ公安警察組織の活動を描いた物語。その中に、自分を周りから透けて見えにくいようにする、まさに「光学迷彩」という名の技術が登場します。稲見先生は「攻殻機動隊」を見てこの技術を閃いたそうです。

SFはエンターテイメントとしてだけでなく、新しい科学技術のヒントとしても社会に貢献しているのです。

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