続: ビッグデータ ~ 巨人を生み出す源泉 ~

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みなさん、こんにちは。科学コミュニケーターの志水です。

前回は、「ビッグデータ」の可能性についてお話しました。

今回は、その続編として、ビッグデータの活用例についてお話したいと思います。

実は、現在世界的に成功を収めている企業の多くが、ビッグデータに関わっています。

IT業界の巨人

かつて巨大な巨大なビッグデータに戦いを挑み、世界的に有名になった企業があります。IT業界の巨人、Google社です。

Googleは、インターネット上に存在する大量の情報、すなわちビッグデータから価値のある情報を生産することで、莫大な利益を得るようになりました。今や、世界中の多くのインターネット利用者が、Googleが生産する情報を日々消費しています。

ん、情報を生産? 消費? 何のこと?と思われた方が多いかもしれません。Googleが生産している情報って一体何でしょうか?

実は、Google(の検索エンジン)で検索したときに得られる検索結果です。今や、あまりにも当たり前過ぎて、その価値について考えることなどないかもしれません。しかも、検索結果に対して代金を支払っていないため、なおさらです。

しかし、Googleなどの検索エンジンが無かった場合を想像してみて下さい。その場合、必要な情報が載っていそうなインターネット上のWebページを、人の手で1ページ1ページ確認しなければなりません。ちょっと、想像を絶します。Googleなどの検索エンジンを使えば一瞬で得られる情報が、何日、いや何年経っても得られないかもしれません。つまり、Googleなどの検索エンジンがあるおかげで、私たちは膨大な時間を節約できる訳です。そう考えると、検索結果というのは、非常に価値のある情報です。

検索結果以外にも、Googleはさまざまな情報を提供しています。例えば、Google Trends。こちらを利用すれば、どんなトピックが、どの地域で、どれぐらいの頻度で検索されているかといった情報が得られます。

このGoogle Trendsを利用することで、その地域で流行っていることや、抱えている問題、病気の流行などを伺い知ることができます。実際、数年前に豚由来のインフルエンザが流行したときには、その予兆をいち早く捉えていたようです。

先ほどの検索結果は、インターネット上の情報から生産された情報。さらに、Google Trendsは、その検索結果から生産された情報になります。このように、情報から情報が生まれていくところが、ビッグデータの面白いところです。

Googleは、ビッグデータから価値のある情報を次々と生み出すことで、成功を収めている代表的企業と言えます。

流通業界の巨人

流通業界の巨人、Amazon社も、ビッグデータをサービスの中に深く取り入れています。

例えば、Amazonで買い物をすると、お勧め商品や、関連商品などを教えてくれます。私の個人的な感覚でしかないですが、かなり的確です。これらの情報も、ビッグデータから生み出される情報です。この場合のビッグデータは、大量の購買情報(誰が、いつ、どのような商品を購入したか)になります。それらの情報によって、サービスの利用者は、便利に買い物をすることができます。

さらにそれらの情報は、商品の作り手にとっても、とても価値のある情報に違いありません。それは、もう、喉から手が出るほどに。なぜなら、今、どのような商品が売れているか。どういう売り方をすれば売れるのか。さらには、個人の特徴(性別、年代、趣味、趣向)に応じて、どういう商品が売れるのかが分かる訳ですから。

Amazonに限らず、インターネットショッピング関連企業は、本業よりも、そういった情報から得られる利益の方が、これから大きくなっていくかもしれません。

クイズ王

昨年、IBM社のWatsonと呼ばれるコンピューターシステムが、アメリカのクイズ番組で優勝しました。このWatsonもビッグデータを活用しています。

Watsonは、人と同じように、クイズの質問の意味を理解し答えることができます。その際、大量の情報(ニュース記事など)から、最も正しいと判断される答えを導き出して、質問に答えます。

IBMは、そのWatsonの機能を、医療分野に応用すると発表しました。医師が、適切な診断や最適な治療法を選択できるように、大量の情報(医学文献や過去の治療・手術の事例など)から、その根拠となる情報を探し出す手助けをしようというのです。

そのようなサービスが普及すれば、現在医療が抱えている様々な問題が解決するかもしれません。

ペットボトルのキャップさえ!?

株式会社 JR東日本ウォータービジネスは、3月6日に同社の「フロムアクア」をリニューアル発売します。一見普通のペットボトル入りミネラルウォーターなのですが、キャップの部分に工夫があります。飲んでいる最中にキャップを落とさないように、キャップが本体とつながっているのです。

なぜ、そのような商品を開発したのか。

この商品は、同社が管理している約4500台の自販機から得られた情報を分析して生まれました。自販機からは、どの商品が、どの時間帯に、どれぐらい売れたかといった情報が分かります。それらの情報を分析した結果、フロムアクアは電車への乗車前に購入され、移動中に飲まれることが多いことが分かったそうです。

そこで考えられるのが、キャップを落としてしまう人が多いのではないかということです。実際、そのことがアンケート調査でも裏付けられたため、キャップを落とさないペットボトルが開発されたそうです。

このように、商品開発の現場でも、ビッグデータの活用が徐々に進んできています。

FacebookやTwitterも

今回ご紹介したのは、ビッグデータの活用例のほんの一部です。この他にも、FacebookやTwitterなど、現在世界的に注目されている企業は、少なからずビッグデータと関わっています。

これから、ビッグデータの活用は様々な分野でますます進んでいくことでしょう。みなさんも、ぜひ注目してみて下さい。

次回は・・・

次回も、組込みシステムを中心に、ものづくりや情報通信技術に関するトピックをご紹介します。楽しみにしていて下さい!

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