SFを科学する ~スター・ウォーズ編⑥~ 昔の映画が3Dで蘇るワケ

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スター・ウォーズ エピソード13D(立体映像)版がついに劇場公開!!

早速見に行った私は3Dになったスター・ウォーズの世界観に大満足!しかし見終わると同時に強い疑問が沸き起こりました。なぜ2Dで撮影された過去の映画が、まるで最初から3Dで撮影されたように再構築できたのか?今回のブログではこの謎に迫ります。

まず映画が3Dに見える原理からご紹介しましょう。下の図をご覧ください。人間の脳が立体感を感じるのは、右目と左目で見え方に違いあるから。近くにあるものほど左目と右目の見え方の違いは大きく、遠くにあるものほど違いは小さくなります(図の左側)。この違い(視差と呼ぶ)を元に立体感が判断されます。

そこで3D映画では左目用と右目用の2種類の映像を同時に映します。そして3Dメガネにより、左目には左目用の映像だけを、右目には右目用の映像だけを見せることにより、立体感を感じるのです(図の右側)

そこで人間の目と同じように2台のカメラの距離があくように搭載した専用機で撮影することで3D映画を作ることができます。しかし、今回のスター・ウォーズのように、3D用のカメラで撮影されておらず、視差の情報を記録していない画像から3D映像を作ることなどできるのでしょうか?

実は、それを可能にする技術があるのです。それが2D-3D変換技術。今回の映画にはこの技術が用いられています。

3D変換では、まず、すべての画像をデジタル化し、人物や物体ごとに映像を切り出して動かせるようにします。次に映像の動きなどからそれぞれの人物や物体の奥行きを計算し、これに一致するように切り出した映像を左右にずらしていくことで視差をつけていくのです。

この技術はこれまでにも存在しましたが、3Dカメラで撮影したものに比べると見劣りするとの批判もありました。しかし近年では専用ソフトの開発で変換作業の自動化が進み、コンピューターの高速化で作業効率も向上しました。また以前は作った3D映像をその場で確認しながら作業できませんでしたが、今ではそれが可能となり、2D画像から自然な3D間が出せるようになったそうです

しかし技術が進歩してもこれは大変な作業。本作では同じ映画を一から作るのと同じくらいの人員を割き、3D化構想の発表から7年の歳月を経て公開されました。

3D変換では自由に視差をつけることができるので意図的に大きく飛び出して見せることも可能ですが、そうすると奥にあるものが不自然に見えることがあります。制作チームはごく自然な立体感が出せるように特に注意したといい、実際に私の目にはこれが2D映像から作られたものとは思えませんでした。

名作スターウォーズが3D化されたことで、今後も過去の映画の3D化の動きは加速するでしょう。技術の進歩はエンターテイメントの活性化にも大きく貢献しているのです。

これまでのSFブログ

スター・ウォーズ編①

スター・ウォーズ編② 地球外生命体は存在する?

スター・ウォーズ編③ 宇宙空間から生還したすごいやつ

スター・ウォーズ編④ スターウォーズ的に見る地球の未来

スター・ウォーズ編⑤ 宇宙を走るふしぎなヨット

A.I.編①ここまできた!人工知能

A.I.編② 愛され始めたロボットたち

攻殻機動隊編 あなたもなれる!?透明人間

コンタクト編 電波で探れ!宇宙の謎

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この記事への2件のフィードバック

実写版はこうするしかないのですよね。

ただ、ポリゴンで作られたCGは、作成した時点で3D情報が入っているので、視点を選んで自動生成できるので、2D-3D変換は楽です。

だから、フルCGアニメとか、CGバリバリのSF超大作から復刻しているのだと思います。

(きっと、スターウォーズのエピソード4~6は当分無理でしょうね。。。)

杉本様

コメントありがとうございます。おっしゃるとおりCGの場合は実写版のものより

ずいぶんと変換は楽だと思います。最近のSFでは模型を使った撮影はかなり減り、

GCの割合が増えているのでこれらの3D化は比較的簡単でしょう。

スター・ウォーズの旧3部作の3D変換は相当大変だと思いますが、今後1年ごとに

エビソード順に3Dを公開するらしいです。ですので順調にいけば3年後にはエピ

ソード4が3Dで見れるはずなので、私は楽しみにしています。

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