冬のホームで「ホーホケキョ」!?

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ここは、未来館の最寄駅、新交通ゆりかもめのテレコムセンター駅です。

数ヶ月前、このホームでゆりかもめを待っていた時に、とてつもない違和感に襲われました。

「冬なのに、ウグイスがさえずってる…!!」

鳥の鳴き方には2種類あります。繁殖期のオスがメスを呼ぶ「さえずり」、季節やオスメスを問わない単純な声の「地鳴き」です。

ウグイスの「ホーホケキョ」はさえずりで、春から夏にしか鳴きません。地鳴きは「ジャッジャッ」です。

私は、早速ゆりかもめに問い合わせました。

「どうして、ウグイスのさえずりを採用しているのですか?」

ゆりかもめから、お返事が届きました。

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ゆりかもめをご利用いただきありがとうございます。

これは、視覚障害者の方のスムーズな移動を実現することを目的に、ホーム上の階段などの施設・設備の位置を音声や音響を使って案内するために実施しているものです。

具体的には、国土交通省で策定したガイドラインにより、例えば、「ホーム上の階段」には「鳥の鳴き声を模した音響」、「地下鉄の地上出入口」には「『ピン・ポーン』」又はこれに類似した音響」などの音声・音響案内の標準例が示されております。

ゆりかもめでは、このガイドラインに従い、「鳥のさえずりの音声」を採用し、いくつかの音声サンプルデータを比較した結果、沿線に生息する本物の鳥の鳴き声と区別がつくよう配慮するとともに鳴き声に清涼感や爽やかな印象があることからウグイスを選定いたしました。

この回答が、お客様のお役に立てれば幸いです。

今後ともゆりかもめをよろしくお願いします。

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このお返事を読んだ時、衝撃を受けると同時に、とっても恥ずかしい気持ちになりました。

「この音を採用した人は、ウグイスのさえずる季節を知らないのだろうな」と思っていたからです。

私が感じた違和感は、音を移動の手がかりにしている方に必要な、自然にはないはずの「際立つ音」だったのです。

[caption id="attachment_12660" align="aligncenter" width="225" caption="階段の始まる場所の真上に設置されています"][/caption]

[caption id="attachment_12661" align="aligncenter" width="300" caption="視覚障害者のためのマークがあります"][/caption]

日本科学未来館は「すべての人にひらかれた場」です。

それを念頭に置いて、お客様と接する時にも「いろんな方がいる」と思っていたのですが…

私は自分の立場でしか物を見ることができてなかったんだ、とつくづく反省しました。

館内でも、こんな失敗をしたことがあります。

話しかけても反応があまりなくて「未来館に興味がないのかな?」と思っていたら

仲間同士でお話ししている言葉で、外国のお客様だと後からわかったり…。

思いこみや想像力不足で決めつけるのは、とっても相手に失礼なことだと、いつも思っていました。

でも今回、視覚障害者の方に向けた配慮であることに思い至らず、

ゆりかもめの担当者はウグイスのさえずる季節を知らないなどと、勝手に決めつけていたのです。

穴があったら入りたいです。

この反省をステップにして「想像力を充分に働かせることができる科学コミュニケーター」を目指したいと思います。

ゆりかもめのホームで「ホーホケキョ」を聞くたびに、この気持ちを新たにできそうです。

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