顕微鏡で覗くiPS細胞の世界

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さて、顕微鏡がずらっと並んでいます。これは何に使うのでしょうか?

こちらは、6月13日(水)から18日(月)まで開かれる「iPS細胞がつくる未来週間」の準備なのです。身体をつくる様々な種類の細胞になることができ、医療など幅広い分野で応用が期待されているiPS細胞の、今とこれからを考えていくイベントです。

期間中、未来館の5階「世界をさぐる」のバイオラボでは、これらの顕微鏡を使った体験コーナー「iPS細胞を見てみよう!」が開催されます。

こちらでは、ヒト由来のiPS細胞や、iPS細胞から分化させた網膜の組織細胞など、実物を観察することができます。さらに、サイエンス・ミニトーク「iPS細胞がもたらすこれからの再生医療」を最初から最後まで聞いていただいた方には、自分自身の細胞を見ることができるコーナーも用意しています。皆さんは、自分の細胞がどんな形をしているか、見たことがありますか?

ところで、どうしてこんな顕微鏡が必要なのでしょう。

ヒトの目の分解能(どれだけ小さいものまで見分けられるか)は、だいたい0.1mm程度と言われています。それより小さいものは見分けることができないのです。それに対して、細胞の大きさは、1μmから数十μm程度(1μmは、0.001mm)。残念ながら、ヒトの目では細胞がどのような形をしているかは、見ることができません。

そこで出てくるのが、この顕微鏡。学校などでよく使われる「光学顕微鏡」では、分解能は0.2μmくらい。これなら細胞の形はよく分かります。そして、光の代わりに電子を当てる「電子顕微鏡」では、さらに細かいものまで見分けられるので、細胞の中にどんなものが入っているかも見ることができます。

小さいものをよく見たい、その中に何があるのか知りたいという、見ることへの情熱によって、人々は顕微鏡という手段を生み出し、そして発展させてきました。もし顕微鏡がこの世界に生まれなかったとしたら、私たちは細胞がどのようなものであるか知ることはできず、さらには研究も進まずにiPS細胞も生まれなかったかもしれません。

顕微鏡を、世界で最初に作ったのは、アントニ・ファン・レーウェンフック(1632-1723)。今から300年以上も前に彼が作った顕微鏡の分解能は、数μm程度と言われています。

当時、彼が世界で初めて覗いて感動した世界は、顕微鏡を使って今の私たちも見ることができます。でも、レーウェンフックの時代には、iPS細胞はありませんでした。もし彼がiPS細胞を見ることができたら、どのような感想を残すでしょうね。

ぜひ、「iPS細胞がつくる未来週間」では体験コーナーにもお越しいただいて、iPS細胞の可能性、そしてその裏側の人々の情熱に、思いを馳せてみてください。

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