iPS細胞から生まれる新しいもの、そして未来のくらし

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みなさんこんにちは。

科学コミュニケーターの千葉です。

「身の回りにあるもので、科学の現場から生み出されたものは?」

と聞かれて、パッとすぐに何が思い浮かびますか?

(ヒントです。これはなんでしょう?)

私がすぐに思い浮かべるのは、1929年にイギリスのアレクサンダー・フレミングが発見したペニシリンを代表とする抗生物質です。私たちの身の回りには科学的発見によって生まれたものがあふれています。

そしてこのような成果はもともと科学者たちが研究室の中で生みだしてきたものです。

大学や企業の研究所などで科学者が切磋琢磨しながら研究しているものの中には、今この瞬間に産声をあげて、私たちの未来になくてはならないものに成長していく発見があるかもしれません。そして、今現在、さまざまな分野の研究者が、まさに総力をあげて研究を進めている技術があります。

それが日本発のテクノロジーとして注目されているiPS細胞です。

私たちの身体は約60兆個の細胞からできています。細胞の種類は約270といわれ、それらが複雑な構造からなる組織や器官を作り上げています。iPS細胞は、人工的に操作することで、ほぼすべての種類の細胞になれると考えられています。日本を中心にこのiPS細胞からさまざまな細胞に分化させる研究が行われています。6月10日にも、東京大学医科学研究所の金子新助教らのグループらによってiPS細胞からT細胞を作りだすのに成功したと報道されていました。T細胞はウイルスやがん細胞から私たちの身体を守ってくれる免疫細胞の一種です。

このiPS細胞、未来社会ではどのように普及していくのでしょうか?

一番期待が大きいのは再生医療への利用です。再生医療とは事故で傷ついたり、老化や病気などで機能を失ったり、ガンなどで切除した身体の組織や器官などを、ヒトや動物に由来する細胞や臓器などを移植して、その失われた機能を取り戻すことです。iPS細胞の利用が、再生医療だけにとどまるとは思えません。びっくりするような分野にも使われるかもしれません。

例えば、先の話になるかもしれませんが、個々人の肌質に合わせた化粧品や美容液をiPS細胞のテクノロジーで作るような会社が現れるかもしれません。

美容液や化粧品、どうしても市販品ではお肌に合わない人はいませんか?

このiPS細胞の技術を使えば、もう大丈夫かもしれません。敏感肌でお悩みの人の血液の細胞からその人のiPS細胞をつくり、顔の皮膚の細胞へと変えておきます。この皮膚細胞から培養皿の中で顔のお肌を作り上げ、化粧品や美容液を試してみればよいのです。効果の高い有効成分を選び出したり、肌が荒れるような成分を取り除くことが可能です。こうすれば、その人にあったオーダーメードの美容液が出来るという仕組みです。

発想の転換や新しいアイディアによって作られた商品が普及し、その結果として新しい価値観や未来社会が作られていきます

みなさんなら、このiPS細胞のテクノロジーをどのようなかたちで使ってみたいですか?

未来館5階にある常設展示スペース「ともに進める医療」のエンドクサというコーナーでは、

「あなたは、iPS細胞を使ったベンチャー企業をおこしてみたいですか?   また、どんなことに応用してみたいですか?」

という質問からとても興味深い意見が出ています。

そして未来館では6月13日(水)から18日(月)までの期間、未来を新たに切りひらく可能性を持つiPS細胞にクローズアップした

「iPS細胞がひらく未来週間」を開催しています。

期間中、さまざまなイベントを開催していますので、ぜひともお台場まで足を運んでいただければと思います。

みなさんのお越しをお待ちしております。

 

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