ヒッグス粒子は「ヒッグス」粒子でなかったかも!?

このエントリーをはてなブックマークに追加

 

「ヒッグス粒子発見」という科学ニュースが巷をにぎわせたこの夏、ふと思ったことがあります(ヒッグス粒子については7月5日の記事を参照)。

それは、もしピーター・ヒッグス氏本人が命名していたら「ヒッグス」粒子という名前にはならなかっただろうな、ということです。

もしヒッグス氏がヒッグス粒子を命名していたら

ヒッグス粒子のような無生物を研究する分野とは違いますが、生きものを研究する分野には、名前をつけるために世界共通のルールがあります。

新しい生きものが見つかった場合、そのルール(命名規約)に従って名前(学名)がつけられます。

私が専門とする化石も、「昔」とはいえ「生きもの」ですので、このルールに従っています。

たとえば、「ラテン語を使う」、「属名(ぞくめい)と種名(しゅめい)という2つの名前を組み合わせる」などです(学名については、またいつか詳しく書こうと思います)。

 

私は学生時代、これらに加えて、教科書に載らない「暗黙」のルールの存在を聞きました。

それは、「自分(名前を決めた人)の名前をつけないこと」です。

 

「新種化石発見などのニュースで、その人の名前がついている!」と思う方があるかもしれません。

でもそれは、「発見した人物」と「名前をつけた人物」が違うはずです。

たとえば、小学生などが発見した場合、それを研究者が調べ、新種と判定して名前をつけます。

このとき、見つけたその子にちなんだ名前をつけることはあります。

けれども、研究者が自分で見つけて名前をつける場合は、その化石の「特徴」や、見つけた場所の「地名」、お世話になった「人」などにちなんでつけられることがほとんどです。

自分の名前をつけてはいけない

 

学生当時、先生に「お世話になった人や『恩師』などの名前をつけるものだ」と教わり、「先生の名前をつけよ、ということか?!」と思った記憶があります(笑)。

そんなわけで、弟子がたくさんいた大先生になると、その先生にちなんだ名前の化石がいっぱいあったりします。

研究者が自分で見つけて、自分の名前をつけるのは「おこがましい」というわけです(大航海時代には、その名誉が自分自身にあったこともあるそうですが)。

どの世界も「謙虚さが重要」ということでしょうか。

謙虚さを見せる

今回のヒッグス粒子の名前も、その存在の仮説を立てたヒッグス氏にちなんで他の方がそう呼んだのが始まりです。

物理学の世界では命名にルールはなく、生物学の世界とは違うと思いますが、もしヒッグス氏自身で名称を決めていたなら、違う名前にしたのではないでしょうか。

 

さあみなさん、未来の大発見のために、お世話になった方の名前をリストアップしておきましょう!

そして自分の名前をつけたければ、今から後輩や弟子に優しくしましょうね...(笑)

めざせ!?アンソ粒子

※コメントをする際は「ブログへのコメント投稿について」をご覧ください

※「名前」は、ハンドルネームでも構いません

この記事への4件のフィードバック

成る程、命名にその様な暗黙のルールがあるとは!初めて知る事が出来ました!

ブログの内容を読ませて頂き、ふと思った事があります。

人名が由来のものを色々と思い浮かべると、きっとどれも自分で自ら付けた訳ではないだろうなあ、と。

ついた名前は、世界中で呼ばれ、これから先も呼ばれ続けるのですね。凄いです。

近い未来に、「アンソ粒子」や「ジュンコ粒子」が発表され、知り得ない未来にも受け継がれていく事を楽しみにしております^^

未来に残る人の名前、素敵ですね。

じゅんじゅん 様

じゅんじゅん様がおっしゃるとおり、人名が由来の名前を見てみるとそうなのかもしれません。

私たちが何気なく使っている「人名由来の名前がついたもの」は結構あるので、その命名の経緯を調べてみるのも、人間ドラマが垣間見えて面白いかもしれませんね(「すてき」じゃなくて「どろどろ」ドラマだったらどうしよう…)。

せっかく世紀の大発見をしても

自分の名前がつけられないなんて(涙)

つけさせてあげてもいいのではないかと。

高校時代の理科の先生の名前のついた蛾がいるという

あの話は嘘だったのだろうかと悩んでしまいました。

それとも弟子に付けてもらったのか…

(あの先生弟子いたのか?!)

興味深いお話ありがとうございました。

しょうこ 様

しょうこ様の先生は、新種の「蛾」を「発見」されたのではないでしょうか。

何か違うというものを見つけたとしても、「名前をつける」というのはその分野の専門家にしかできないことです。

なぜなら、その「蛾」が「世界中のどこにも記録されていない」ということを調べなければいけないからです。

先生が見つけて「蛾」の研究者にお渡しし、その研究者が発見者の先生にちなんで名前をつけられたのではないかと推測いたします。

たぶん、嘘ではないと思いますよ(笑)。

コメントを残す