ニガテなものが好きになる事件。

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みなさんは、ニガテなもの、ありますか?

 

ニガテなものを克服するコツは・・・

ずばり「誰かに良さを伝えてもらうこと」です。それも熱っぽく。特にそれを溺愛している人にお願いしましょう。

 

わたしには3大ニガテがあります。

ホラー映画(失神します)、ホヤ貝(20年以上食べていません)、そしてチョウチョウ(近寄ってきたら、全力で逃げます)」

 

とくにチョウは、幼い頃、目の前でチョウチョウの翅(はね)がもげてしまった光景が忘れられず、それ以降、翅のもろそうな昆虫全般がニガテになりました。

 

・・・がしかし、転機は訪れました。

未来館きっての虫好き博士、先輩科学ミュニケーターの水野と事務所で同じお部屋になってからです。

 

翅のもろそうな虫が苦手なことをそれとなく伝え、部屋でみんなが虫の話題に興じているときは、話の輪に加わらずにいました。

そんなわたしを見かねて、水野は折にふれ虫のすばらしさを切々と語ってくれました。

「虫のからだの中は、結構きれいなんだよ。フルーツの匂いがほのかにするんだよ。樹の蜜や果実を食べているからね。むしろ沼にいるエビよりもきれいかもね」

「・・・はっ!なるほど」

この話は非常に腑に落ちました。

 

またあるとき、さなぎから羽化したばかりのカブトムシ(のちに“カブタックス”と命名)を見せてくれました。虫をテーマとする実験教室プログラムを考えているそうです。さすがに抜け殻は凝視できませんでしたが、出てきたばかりのカブトムシの“赤ちゃん”を試しに指でなでてみました。

ちゃんと角のある姿なのに、ふにゃっと柔らかく、ヨロヨロとし始めました。

「生まれたてだから、爪も痛くないよ」と水野が言うので、手に乗せてみました。

すると、まるでよちよち歩きをし始めた人間の赤ちゃんのように、一歩一歩ゆっくり進み、手のひらから手首あたりまで上ってきました。

 

その姿の愛らしいこと!

むくむくと母性本能が湧いてくるではないですか!!?

ニガテよりも、母性本能のように、カブトムシへの愛着の方が大きくなりました。

 

わたしはカブタックスのことを“カブちゃん”と呼ぶことにしました。最後にはカブちゃんを手に乗せて写真を撮ってもらいました。この写真はいまでも気に入っていて、職場のパソコンのデスクトップ画面にしています。

またカブちゃんのイラストを描き、虫かごの上に貼付けたりもしました。

このわたしの変化に、同じお部屋の先輩たちもびっくりです。

 

10月に入り、席替えがありました。残念ながら、わたしはいままでと別のお部屋です。

 

すると、水野が大切にしている虫のフィギュアをどれか記念に持っていきなよと、言ってくれました。羽が脆い虫にはまだ多少の抵抗があるので、ハードタイプ(表面が比較的堅そうな虫)のものを選んでいただくことにしました。

それがこれ!!

 

そう、「フンコロガシ(ふん転がし)」です。

フンコロガシは、ふんの中に卵を産むそうです。栄養たっぷりの場所を、子孫のために確保しているのです。卵を産みつけたふんを土に埋め、その場を一生懸命守るそうです。そんなエピソードにも、むくむく母性本能が現れました。フンコロガシにあやかって、運(うん)が転がってきますように・・・

 

 

そんなことが重なり、大のニガテだった虫が、徐々にじぶんの関心領域に入ってきました。

改めて「ニガテってなんだろう」と考えました。

いろんなことがきっかけでニガテになるのだろうと思いますが、苦手意識が芽生えると、そこからもう一度向き合ってみようということは、ほとんどないかもしれません。しかしニガテなものがあったとき、誰かそれをこよなく愛して、熱っぽく語ってくれる人に良さを聞くと、意外にもあっさりニガテが好きなるかもしれません。

 

元々サイエンスが専門でないわたしにとって、未来館にいる人たちの口から、その人が研究をしてきた科学の話を聞くのをとても楽しみにしています。その分野の光と影の両方を知っています。またいっしょに働いている中で、ことばや身のこなしから、各専門分野への愛着を感じ取ることも楽しさの一つです。科学未来館科学コミュニケーターという役割がありつつ、わたし自身、仲間を通じて、科学コミュニケーションを体感しています。

 

ちなみに虫をこよなく愛する水野は、昆虫食の普及にも熱心で、未来館でも休みの日を利用した昆虫食の会を設けています。

来年、わたしが昆虫食で、虫をバリバリ食べていたら、まさに事件です・・・・。

 

 

 

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