その通信カラオケ、私が作りました。

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カラオケの十八番は、「天城越え」の科学コミュニケーター格内です。

みなさん最近、カラオケに行ってますか??

大きな声で歌って気分スッキリ!!とっても素晴らしい遊びですよね!

…でも、通信カラオケっていつ頃できたんでしょうか?

そもそも、通信カラオケってどんな仕組みで動いてるの??

普段なじみがあるモノでも知らないことって意外に多いですよね!

今回のブログでは、「通信カラオケ」を世界で初めて考案、事業化した方に、

その歴史と仕組み対談形式で聞いてみたいと思いますっ。

<通信カラオケX2000>

前回に引き続いて、株式会社タイトー技術顧問三部幸治さん登場です!!

三部さん、今回もどうぞよろしくお願いします!!

…さっそく質問ですが、カラオケっていつ頃生まれたんでしょうか? 

1970年代には、専用カートリッジに磁気テープが入った「8トラックテープ」を

使ったカラオケが活躍していました。8トラックと云うのは、幅広の磁気テープに

同時に8チャンネルの音声を記録することができるもので、たくさんの曲を

保存するのに向いたメディアです。この時代のカラオケは音だけです。

その後「ビデオテープ」を使ったビデオカラオケを経て、

80年代に「レーザーディスク(以下、LD)」をつかったLDカラオケが

全盛を迎えます。通信カラオケが生まれたのが92年ですので、

ほぼ10年ごとにその時代の先端技術でできたのがカラオケということですね。

私の子供の頃はLDカラオケがまだありました…!!懐かしい!!

いまや世界中で楽しまれているのに、その歴史は40年と意外に短いですね!

では、三部さんが通信カラオケを生み出した背景を教えてください。

80年代、私はゲームセンター向けのゲーム機の電子回路設計をしながら、

ゲーム開発のマネージャをしていました。通信カラオケを考案した背景は、

大きく分けて3つあります。1つ目は「MIDIシンセサイザー技術」です。

担当していたビデオゲームのピコピコ音がMIDIシンセサイザーとなり、

その音質が本物の楽器に遜色ないものになりつつあることを肌で感じていました。

昔のコンピューターではピコピコの音しか出せなかったですが、

今はどんな音でもリアルに出せちゃいますもんね。

それを三部さんは80年代に予見していたということですね…!!

そうですね。そして2つ目は、カラオケのテロップや背景画像を制御表示する

技術です。これらはビデオゲームの技術をそのまま流用することができました。

なるほど。既にビデオゲームを開発していた会社だからこそ可能な技術ですね。

はい。最後の3つ目は、当時圧倒的な優位にあったLDカラオケが持つ課題です。

例えばカラオケボックスではLDの盗難が頻発していたと聞きますし、

新曲が出てからカラオケLDがお店に届くまで2か月以上かかりました。

また、LD盤50枚ほどを納めたLDオートチェンジャーカラオケ装置は

数百万円と高額ですが、提供できる曲の数は1500曲ほどで、

十分と云える数ではありませんでした。

私もLDがすごく高価であったと記憶しています。一枚一万円近い値段でしたよね。

それがオートチェンジャーのLDカラオケともなると…そわそわするお値段のはず(笑)

一方、当時社内で交流のあった先輩社員がこれらLDカラオケ装置を

レンタルするビジネスをしており、装置の値段が高いなどと文句を言いながらも

LDの優位性が続くことを信じていました。この先輩社員からLDカラオケに追加する

小型機器の技術的な相談を受けたのが始まりです。

カラオケについて全く知らなかった私は聞き取りを進める中で、幸いにもLDカラオケ

の課題を一挙に解決する妙案として思いついたのが通信カラオケです。

高価なLDを届ける必要がないので、LD盗難の心配はありませんし、

新曲が出てもすぐに対応できます 。

さまざまなきっかけが合わさって生まれたのが「通信カラオケ」なんですね!

では、通信カラオケってどんなしくみで動いているんでしょうか??

今でいう、サーバー・クライアント型のネットワーク機器です。端末からの

リクエストをサーバーが受け取り、返送された楽曲データを端末側の

コンピューターが制御して音とテロップの映像を作り出します。

背景映像は、端末内に100種類ほどの動画像をあらかじめLDなどで保存しておき、

曲のリクエストに沿って動画像を選び出し繰り返し使っています。

ほほう、音とテロップのデータはサーバーから送り、データ容量の大きい映像は

カラオケの端末に保存されているデータが再生されていたんですね!

でもインターネットが普及する前の時代なのにサーバーはどうしていたんですか?

サーバーも端末も全て独自に作りました。最初は全国10か所ほどに

10台程度のサーバーを設置して運用を始めましたがすぐに限界が来て

増設に次ぐ増設を繰り返しました。

その後、端末にハードディスクを内蔵する形に改良して通信の頻度を下げ、

サーバーの増設も一服しました。

<X2000サーバー通信制御装置>

サーバーを独自で作ったんですか!!す、すごすぎます!!

…ちょっと細かな話になりますが、カラオケで配信する楽曲は

どうやってつくっているんでしょうか?

端末の再生音質は極めて重要で、最先端のシンセサイザー技術を

使っていますが、曲の制作は全て人手です。

機械で自動的に作成する手法もありますが、現時点では人の手によるものが

優れています。開発当初は、数千曲に及ぶカラオケ曲を制作するための

制作ツール、テロップの色変わり作成ツール、通信を試験するための装置など

環境も全て試行錯誤を繰り返しながら開発をしていました。

20年以上前のことですが、昨日のことのように思い出されます。

手探り状態の開発を続けながらも、楽しい現場だったんでしょうね…!

では最後に、これからのカラオケはどんな進化をしていくと思いますか??

カラオケの採点システムなどの様に、様々な機能を追加する形で進化してゆくと

思います。また、カラオケボックスなど限られた空間では3Dメガネを使うことで本物

歌手と並んでカラオケを楽しんでいる様な気分にさせてくれるかも知れません。

さらに、学習機能を持った人工知能がお客様の歌を聴き、カラオケを上手に歌う

ための親切な指導をしてくれる時代が来るかも知れません。いずれにしても、

歌を楽しむ習慣はなくなりませんから、継続した進化発展を続けるものと思います。

わわ、3D映像の歌手と一緒にデュエットしてみたーい!!

カラオケは今後も進化していくということで将来が楽しみですね!!

それでは三部さん、本日は貴重なお話有り難うございました。

通信カラオケには科学技術やドラマがいっぱい詰まっていましたね!

一本映画が撮れそうな内容で胸が熱くなりました…!!

では次回のブログもお楽しみに!!

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この記事への1件のフィードバック

通信カラオケは三部さんのひらめきで生まれたアイデアだったんですね・・・!

ネット普及前の時代にサーバーを作ったりするのはすごく大変そうですが、それがあったからこそ、いまの便利なシステムができていると思うと感慨深いです!

三部さんがカラオケの未来像を語ってらっしゃいますが、考えるだけでワクワクしますね!

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