免疫暴走物語~クローン病の攻撃~

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「最新の研究でわかっていることや治療法を知りたい」 

こんにちは、福田です。前回のブログ「クローン人間?いいえ。クローン病」を読んだ、患者の方から、このような反応がありました。私も知りたかったので、とことん調べてみました。前回は、病気の原因を次のように説明しました。

「腸の免疫が暴走して過剰に反応。

攻撃に歯止めがきかなくなり、自分の腸さえも傷つけてしまう」 

今回はこの「免疫の暴走」を掘り下げ、最新の治療で使われている薬がどんなものなのかを一緒に考えてみましょう。上のゆかいな免疫細胞たちが活躍します。

活躍する免疫細胞たち

まず、今回登場する免疫細胞の仲間たちを紹介しましょう。最初は、何でも食べて敵か味方かを判断する“大食い細胞”こと「マクロファージ」。ギリシャ語のマクロ(大きい)、ファージ(食べる)が語源の食いしん坊です。

次に、マクロファージから敵の情報を受け取り、実行部隊に攻撃の指示を出す“頼れる司令塔”こと「ヘルパーT細胞」

最後に、指令を受けて感染した細胞を破壊する“殺し屋”こと「キラーT細胞」名前からして怖そうですね。私たちの体を守る免疫細胞は他にもありますが、今回はこの3つに絞ります。

 

協力してウイルスを撃退

人間の体の中にウイルスが侵入した場合、この3人はどのように活躍するのでしょうか?最初に動き出すのは、食いしん坊のマクロファージです。ウイルスをまるごと食べて、敵の情報を収集。マクロファージが敵だと判断すると、「であえー!であえー!」と応援を呼ぶ「のろし」を上げます。そして、集まったヘルパーT細胞に、敵の情報を伝えます。ヘルパーT細胞は、キラーT細胞に攻撃を命令。キラーT細胞がウイルスに感染した細胞を破壊します。さらにヘルパーT細胞は、マクロファージを励まして能力を引き出します。活性化したマクロファージはさらに「のろし」を上げ、相乗効果で活性化します。ナイス、チームワーク!

 

クローン病の腸では何が暴走してるの?

それでは、クローン病の患者の腸では、何が「暴走」しているのでしょうか?実は“のろし”が過剰に上がりすぎているのです。のろしの中にはTNF-α」という腸に炎症を引き起こす物質があります。マクロファージとヘルパーT細胞がお互いに能力を高め合いすぎて、「TNF-α」を過剰に分泌。そのため腸に潰瘍ができ、クローン病を引き起こすと考えられています。

 

TNF-αを捕まえろ!

では、クローン病の症状を抑えるためには、どうすれば良いでしょうか?そうですね。腸に炎症を引き起こすTNF-αのはたらきを抑えたいですよね。その薬は「抗TNF-α抗体」というものでTNF-αと結合してはたらきを阻害したり、TNF-αを作る細胞を壊したりできます抗体は私たちの体内でも作られるものですが、この抗TNF-α抗体は人工的にマウスに作らせたものを、薬として患者に投与します。

主に「レミケード」と「ヒュミラ」の2種類があります。レミケードは、全体の25%がマウスの遺伝子をもとに作られるため、アレルギー反応が出る可能性があります。また、点滴で投与するため、2~3時間ほどかかります。一方ヒュミラは、100%ヒトの遺伝子をもとに作られるため、アレルギー反応が出にくいとされています。また、自分で注射を打ち数分で投与できます。ただしどちらの薬も、病気を完治するものではなく、症状を緩和するもの。さらに、副作用として免疫力が低くなり、感染症にかかりやすくなるので注意が必要です。今回は分かりやすく説明するために比喩をたくさん用いましたが、サイトカインがどのように影響しているかなど、もっと詳しく知りたい人は、ぜひ未来館に遊びに来てください!一緒に話しましょう。

 

クローン病レシピのコーナー

さあ!それでは最後に、皆さんお待ちかねの「クローン病レシピのコーナー」!(勝手にレギュラー企画にしました)今回ご紹介するのは、こちら!

 

「サバとほうれん草のペンネ。トマトソースで」

そうです。前回のささみがサバに変わっただけです。東京に引っ越して4カ月がたちましたが、ほとんどペンネのトマトソースなんです!(泣)クローン病の人でおすすめのレシピがあれば、教えてください!助けてください!

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この記事への1件のフィードバック

いとこがクローン病です。

とてもよく理解できました。

ありがとうございます。

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