田んぼに降る雨をイメージして

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今日は、「穀雨」。

私が二十四節気の中で2番目に好きな日です。

二十四節気とは、1年を24に分けて、季節を表す名前をつけたもの。「立春」や「夏至」もその1つです。(詳しい決め方と、私が1番好きな日については、こちらの記事をご覧ください)

穀雨は、“霜がおりなくなって、穀物を育てる雨が増えてくる時期”

雨の日は通勤が大変だけれど、田んぼに降る雨のことをイメージすると心が躍ります。(カエルもたくさん鳴いてるだろうな!)

私が育った千葉県では、これからが田植えのメインシーズン。一雨ごとにぐんぐん育っていく稲の姿を見るのが楽しみです。田んぼのある風景を見ると、「これが育てば米が食える!」という安心感とともに、言いようのないうれしさを感じます。

千葉県にある大山千枚田の風景。4月上旬の田植え前の様子。

急な斜面でも、このように工夫して田んぼを作り、稲を育ててきた日本人。炊いた米と、毎食の食事のことをどちらも「ごはん」と呼ぶことからも、日本の食との密接な関係を感じます。

ところで、日本人は1年にどれくらいの米を食べているのでしょうか。

厚生省の国民健康・栄養調査から、年代ごとに1日1人あたり、ごはんを何g食べているのかを知ることができます。

2011年のデータの12歳以上で平均すると、1日約340gという結果でした。お茶碗1杯が150g程度なので、日本人の平均は、1日にお茶碗2杯分のごはんを食べているということですね。

この数字は、米を炊いた後の重さです。米は炊くと重さが2.2倍になるので、米に換算すると1日に食べる米は約155g1年では約57kgになります。

スーパーにある大きな10kgの米袋を6つ分です。

意外とたくさん食べている?それとも案外少なく感じましたか?

ある日のお昼ご飯。みんなお米が大好きです。

では、1人分の57kgの米を作るには、どれくらいの面積が必要なのでしょう。

今度は、農林水産省の2012年の統計を見てみましょう。

全国平均で、1000m2あたり540kg程度の米がとれるようです(「24年産水稲玄米のふるい目幅別10a当たり収量」より)。ということは、106m2で1人が1年間に食べる量の米がとれる!

100m2を未来館でつくってみました。意外と狭い?

協力してくれたのは、4月入社の新人科学コミュニケーター達。

昔と比較してみましょう。

江戸時代には、田んぼ1反(およそ1000m2)でとれる米の量を、1石としていました。1石は大人が1年間で食べる米の量です。それが、今では約1/10の面積で収穫できるようになっています。

ただ、今とは食べる量も違います。1石=2.5俵で、1俵=約60kgなので、1年で約150kgを食べる計算です。

独立行政法人国立栄養・健康研究所の「国民栄養の現状」には、1947年(昭和22年)から2002年(平成14年)までのデータが載っています。ここから1年で食べる米の量を計算すると、今から60年前の1953年(昭和28年)で127.7kg、30年前の1983年(昭和58年)で79.5kgと、どんどん減っていることがよくわかります。

 

また、4月16日に発表された日本の総人口は1億2751万5千人。全員が平均的な量の米を食べるとすると、必要な田んぼの面積は13517km2です。

それに対し、2012年の稲の作付面積はおよそ15800km2(農林水産省「24年産水陸稲の時期別作柄及び収穫量」より)。日本の国土がおよそ378000km2なので、田んぼの面積は国土の約4%です。

たった4%だけど、この場所のおかげで私たちは毎日米を食べていけるんですね。

田んぼの面積が少ないのは、食べる米の量が減ったことと、品種改良の成果の両方によるものでしょう。

現在栽培されている稲からは、稲穂1本で70~80粒もの米がとれるそうです。

品種改良は収量アップのためだけでなく、今では、遺伝子組換え技術を利用した、花粉症緩和米も開発されてきています。

(※ちょっと宣伝。サイエンティスト・トーク「花粉症にサヨナラ~あなたは食べる?遺伝子組換え米~」を,本日、4月20日(土)14:30~15:30に開催します!間に合う方はぜひお越し下さい)

ずっと日本の食を支えてきた米。

そして、稲を育てる、これからの雨。

田んぼのことをイメージして、雨でも気分良く過ごしていこうと思う日です。

田んぼよ、いつもありがとう!

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この記事への2件のフィードバック

評価☆五にしようとしたら一になってしまいました!直せないのですみません…。
千葉県の棚田の写真が大変気持ち良さそう。狭い国土を狭いなりに活かして利用する、日本人の知恵ですかね。

Dr.Gさま

☆五と評価してくださり、ありがとうございます!

棚田は本当に気持ちがよかったです!

寝転んでいる3人のリラックス具合からも、気持ちよさを感じ取っていただけたでしょうか。

棚田は、狭さを克服するだけでなく水を効率的に使うこともでき、さらに治水にも役立っているそうです。

狭い範囲で水辺や日向、日陰、森などが揃うので、様々な生き物が生息できる場所でもあります。

知恵も生き物もつまったすてきな場所ですね。

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