ベートーベンやホルストが今いたら?

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はじめまして。

2013年4月から日本科学未来館にて活動することになりました。

 

音楽宇宙が好きな科学コミュニケーター

榎戸 三智子(えのきど みちこ)です

 

今回は、私の好きなある二つの音楽と宇宙の話をしながら自己紹介します。

突然ですが、これまでに、こんな素朴な疑問をもったことはありませんか?

 

宇宙はどこまで広がっているの?」

「星がきれいに輝いているのはなぜだろう?」

 

私も小中学生のころ、よくこんなことを思っていました。

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Image Credit: NASA, ESA, CFHT, CXO, M.J. Jee (University of California, Davis), and A. Mahdavi (San Francisco State University)

 

当時、学校の友人との会話で、宇宙や星の話題にはなりませんでしたが、

音楽通して、共通の思いをもてるのでは?と感じたことがあります。

 

例えば、組曲『惑星』作品32の中の『木星(ジュピター)』

誰もが一度は聴いたことのある、平原綾香の『Jupiter』の原曲にもなっている曲です。

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『THE PLANETS』 指揮:カラヤン、演奏:ベルリンフィルハーモニー管弦楽団、ポリドール

 

ちなみに、『惑星』は太陽系の惑星のうち、地球を除いた水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星をそれぞれ曲とした計7曲からなる組曲です。

 

100年ほど前、

神秘的で壮大なこの組曲を作ったグスターヴ・ホルスト。

彼は天文学ではなく占星術からインスピレーションを受けて作曲したようですが、惑星にどんな思いを馳せていたのでしょうか。

私はこの曲を聴いて太陽系を思い出すとき、自分って小さい存在なんだなと感じます。

 

そしてもう一人。

作曲家、ベートーベン

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ウィキメディア・コモンズより引用(Joseph Karl Stieler画)

 

彼の3大ピアノソナタの1つ『月光ソナタ』 (ピアノソナタ第14番作品27の2)。

月の光の美しさを思わせる、とても好きな曲の一つです。

ベートーベンも、もしかしたら子どもの頃の私と同じように

空を見上げていたのかな、と思うとなんだか嬉しくなります。

 

『月光ソナタ』が作曲された1801年から200年以上たち、

科学技術が発達した現在、木星や月よりも

もっともっと先の宇宙が見れるようになり、

天体や宇宙のいろいろな姿が見えてきました。

 

私たちの知っている物質は、宇宙全体の数%しかなくナゾだらけだったり、

ものすごく大きな宇宙が、ものすごく小さな点からはじまっていたり。

 

もし現代にホルストやベートーベンがいたら

「アンドロメダ銀河」、「ビックバン」なんて曲を書いていたかもしれないですね。

ちょっと聞いてみたいです。

 

そんな神秘的で「わくわく」する自然界をもっと知りたいという思いをもち

大学院での素粒子研究を経て、日本科学未来館に来ました。

 

未来館では、最先端の「わくわく」する科学の世界を、

より多くの人に伝えていけたらと思っています。

特に、子どもたちやこれまで科学にあまり触れてこなかった人たちにも、

新しい世界に出会うきっかけを作っていけたら嬉しいです。

どうぞよろしくお願いします!

この記事への6件のフィードバック

クラシックではないですが、

『jupiter』というと、「天体観測」という曲で有名になった、

BUMP OF CHICKENのアルバムの名前にもありましたね。

その他にも、「プラネタリウム」とか「supernova」とか、

天文学にまつわる曲をたくさん作っているぐらい、

宇宙の壮大さは、創作意欲を刺激するのでしょうね。

杉本敬太郎さま

BUMP OF CHICKENも天文にまつわる曲を作っていましたね!

作曲した藤原さん、自分の思いと壮大な宇宙とを重ね合わせているのでしょうか。

今後、少しずつわかってくる宇宙の姿は、

多くの人の創作意欲をさらにかき立てていくんでしょうね。

とても楽しみです。

2013年12月に未来館で案内をしていただいた者です。

『ALMA』の説明映像を観ていた時に、声をかけていただいて、私の好きなバンドに『ALMA』と言う曲があるんですと、お話したんですが、覚えていらっしゃいますか?

HPを観ていたら、スタッフの方のブログのページを見つけ、記事を読ませていただきました。

私の好きなバンドの、Vo&Gの大木さんが小学生の頃に聴いて影響を受けた曲が『木星』なんです。

宇宙と音楽には繋がりがあると思います。

先日訪れた際、すばる望遠鏡の話を聞いて、数年後に宇宙の事について分かることが増えると知ってワクワクしました。

その時の為、少しは宇宙の事を勉強したいなと思って、知識がないので初心者向けの『星の王子さまの天文ノート』ほ本を購入して帰りました。少しずつ勉強したいと思います。

今回は時間がなくてあまりじっくりと観ることができなかったので、次回はゆっくり楽しみたいと思います。

丁寧な説明で対応して頂いて、ありがとうございました。

めぐみさま

こちらこそ、楽しくお話させて頂きありがとうございました。

宇宙の本を読まれているとのこと、宇宙好きの私としてはとても嬉しい気持ちになりました。

「ALMA」を歌う大木さん、曲名にするほど宇宙に強い関心がある方なんだなと感じました。他にも科学にまつわる曲を作っているのでしょうか?

音楽を通して伝わったり、人の心に残ったりすることは多いですよね。宇宙のはじまりや果てといった、科学のような哲学のような疑問にもアプローチできるのでしょうか。

未来館では宇宙以外にもさまざまな科学をご紹介していますので、次回も新しい発見があるかもしれません。

またお会いできるのを楽しみにしています。

関西の私大で物理を教えるかたわら、科学(特に物理)と芸術、文学、哲学などの関わりの歴史についてぼんやりと探索しております。本来これらは人間の精神活動としてかなり近い領域にあるはずなのですが、理系・文系とバッサリ切り分けられた現代日本ではそんなリンクがあることすらなかなか認識されないのが残念です。ぜひそういう壁を取り払って、とまでは行かなくとも、壁を気にせずに科学を人々が楽しめる場をこれからも作っていただきたいと思います。

私の知る例では、名指揮者のハンス・ロスバウトは趣味で原子物理を勉強していたそうですし、アインシュタインの音楽好きは有名です。日本でも寺田寅彦、伏見康治、渡辺慧といった物理学者は「美」や「哲学」の領分に軽々と踏み込む活動をされていました。

ところで、お名前から察するに、数年前東京で私が太田浩一先生の怪著(?)をネタに開講していた電磁気の大学院講義を受講されていた方ではないかとご推測いたしますが・・・違いますでしょうか??

MK先生
コメントをありがとうござます。MK先生ですね。
太田浩一先生の著書『電磁気学の基礎Ⅱ』を扱った講義では大変お世話になりました。決して易しくはありませんでしたが、電磁気学の持つ奥深さをより広い視点で学ばせて頂いたと感じております。

さて、科学や哲学、芸術についてですが、仰る通りですね。これらは何かを探求しようとする、ある種人間に共通の活動だと感じます。

技術を学ぶだけではなく、科学の面白さを多くの人が感じられるような、科学への入口を広げる活動をこれからも行っていきたいと思います。

ご多忙と存じますが、東京へお越しの際にはぜひ未来館へお立ち寄りください。