裏話 「現実拡張工房」ができるまで

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こんにちは、展示開発課 情報科学担当の鈴木です。

現実拡張工房」公開前夜、マウスを発明し、「すべてのデモの母」と呼ばれた偉大な先人ダグラス・エンゲルバートが他界されました。

ネットワーク・コンピュータを考え、コンピュータとコンピュータの境界を越えようとしたのもエンゲルバートです。

彼がいなければ、私たちは今ごろどうやってWebページを見ているのでしょうか。

「モニタからあふれちゃった情報科学」をコンセプトにした本展示、彼が見たらなんて仰ったか…残念でなりません。

挨拶も早々に

本展示で12期を迎えたメディアラボですが、その企画は、いつも大胆にはじまります。

たいてい2、3年かけて制作する常設展示や企画展示に比べて、メディアラボは半年おきに更新するものですから、

苗村先生、はじめまして。さぁ、出展作品を決めましょう!」ぐらいのスピードで動いていきます。

できあがった今でこそ、第12期のメディアラボがこれまでのメディアラボや他の展示とどのようにつながっていて、それぞれの研究成果にどんな世界観が込められているか、拙くも説明できるようになりましたが、

はじめのころは、とにかく参考論文を読みあさっては素人質問をくり返し、「こういうことですか?」「ちがいます」を何度も何度もくり返します。

半年おきとは言え、メディアラボも未来館の常設展示のひとつ、内容も体験も他の展示に劣るわけにはいきません。

牧場か工房、もしかしたらサウナ

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今回の展示は苗村研究室のほとんどすべての学生が総出で協力してくれました。

その平均年齢は苗村先生を含めても27歳!

研究室のOBやOGの方も本業のかたわら、さまざまなかたちで手伝ってくださっています。

難航したのはタイトルを決める部分。

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研究室のテーマやカラー、出展する研究成果の共通点を端的に、しかも見た瞬間に足を止めたくなるような、絶妙なひっかかりを持ったタイトル。

苗村先生はどんなときも独断で決めようとはしません。

学生たちの主体性を信じて、まずはブレインストーミング。

「画面からの脱出!」「育てよう、センスの苗!」「続きは実世界で!」「妄想サウナ!」

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「うちの研究室はサウナってより、牧場とか工房ですね」という苗村先生の一言が転換点でした。

「工房って良いですね、英語だとStudio?Workshop?」、タイトルとともに展示場のイメージがどんどん鮮明になります。

協力しながら、汗して失敗しながらも職人のように高みを目指す研究室にぴったりです。

苗村先生が館長と話される中で、印象的だった言葉があります。

「私たちの研究は人に使ってもらうものだから、美しさやわかりやすさを大事にします。

一方で、真似しようと思っても実はなかなか真似できない、技術的な巧みさにプライドを持っているんです」

影が、筆記音が、温度が、妙に気になる

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本展示で取り上げる6つの作品は、子どもたちが遊ぶ様子を遠巻きに見ているだけでも面白いですが、

実際に自分で体験すると、見ているだけでは気づかなかった「なるほど」感と奥深さが隠されています。

今までも知っていた当たり前のことにもう一度気づく、そして気づいてしまったら妙に気になりはじめてしまう、そんな奥深さです。

現実拡張工房」で、あなたの現実感をぜひ作り替えてください。

【これまでの「現実拡張工房」記事】

  1. 第12期メディアラボ「現実拡張工房」!

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