Praise and treat! ~子育ての秘訣?~

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Trick or Treat!

みなさん、こんにちは。科学コミュニケーターの濱です。

今日は何の日か、ご存じですか?

そう、ハロウィンですね。

みなさんのところには、かわいいお化けたちがやってくるでしょうか?

我が家にもモンスター(愛娘)が一匹(笑)。

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あれよあれよという間に一歳になり、これからますます気むずかしくなっていく事でしょう。

そんな娘の最近の様子でとても印象的なのが、「ほめられると喜ぶ」ことです。

何かをしたときに「すごいね~!パチパチ~。」と声をかけると、にや~り

明らかに喜んでいるようです。

大人でもそうですよね?

お世辞だとわかっていても、ほめられるとついついうれしくなってニヤニヤ。

それだけでやる気が出てきて、一層がんばっちゃったりしませんか?

子どもも同じなのか、育児書を見ていると「子どもを思い切りほめましょう!」という文をよく見かけます。教育心理学の研究や、多くの経験談からこの考え方が一般的になってきているようです。

でも、改めて考えてみると不思議だと思いませんか?

なぜ、ほめられると「うれしい」と感じるのでしょうか?

「やる気」が出てくるのでしょうか?

不思議に思ったので、調べてみました。すると、こんな研究をみつけました。

“Processing of Social and Monetary Rewards in the Human Striatum”(ヒトの線条体における社会的および金銭的報酬の処理)

現在はカリフォルニア工科大学にいらっしゃる出馬圭世先生と自然科学研究機構・生理学研究所の定藤規弘先生らのご研究です。

英語で書いても日本語で書いても難しそうです・・・(汗

 

ではその内容に参りましょう。

実験では、19人の大人を対象に、社会的な報酬つまり人からの信頼やほめ言葉がもらえるパターンと、金銭的な報酬ずばりお金がもらえるパターンとを用意してします。そして、それぞれのパターンで活発にはたらいている脳の部位を調べました。

脳の活性化された部位を調べるために使われた機械をfMRI(機能的磁気共鳴画像装置)といいます。

MRIは病院でもよく使われているのでみなさんも聞いたことがありますよね。体をキズつけずに内臓の様子などを見ることができ、脳の輪切りのような画像なんかが有名です。加えてfMRIでは、血液の流れや血液中の酸素の消費状態から脳の活発にはたらいている場所がわかるのです。脳の中でも特に活発に働いている部位はたくさんの酸素が使われ、血液もたくさん送られていくようになるからです。

さて、結果はといいますと、

なんと、どちらのパターンでも脳の同じ部位が活発にはたらいていたのです。

その部位とは「線条体」。先ほどの研究のタイトルにもありましたね。線条体とは一体なんでしょう?

 

脳は外側にいくほどヒト独自の難しいことを考えたりするためにはたらいています。逆に、内側にいくほど原始的・動物的なはたらきをしています。線条体はちょうどこの中間あたりにあり、精神面でも肉体面でも生物が行動を起こすために重要な部位です。今回特に重要なのは、線条体の報酬系としてのはたらきです。

スライド1

報酬系とはその名の通りにごほうびがもらえたとき、たとえば「お腹が空いたときの食べ物」や「のどが渇いたときの飲み物」など、体の欲求が満たされたときに活性化して脳の中に快感を生み出します。動物はこの快感を得るために行動すると言っても過言ではないでしょう。

それを確認したのが、ネズミの脳の報酬系をじかに電気によって活性する実験です。ネズミがレバーを引くと電気が流れるようにしておきます。

するとネズミは報酬系の快感を求めて、エサも食べず、水も飲まずに、一心不乱にレバーを押し続けたそうです。

スライド2

恐るべし、報酬系の力・・・。

 

これがヒトの話となると、ごほうびは食べ物や飲み物だけではありません。お金やほめ言葉も脳に強い快感を生み出すわけです。

ほめられるとうれしいと感じるヒミツは、報酬系にあったんですね。

しかも、この報酬系の快感には「快感が得られると、さらに快感が欲しくなる」というおまけ付きです。

つまり、ほめられるというごほうびをもらうと、さらにほめられるためにがんばりたくなってしまうというわけですね。

なるほど、確かにほめる育児は効果がありそうです。

我が家も当分はたくさんほめて、たくさん食べさせて、Praise and treat(ほめ言葉とごちそう)で育ててみようかと思います!

でも、より良い叱り方も調べておかないとおけませんね。(トホホ

 

この内容は、未来館の常設展示「ぼくとみんなとそしてきみ」にも取り上げられています。ご来館いただいた際には、ぜひご覧ください!

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