なんだか、きれー♪でも、これってなに?

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dali2-cut2

 

たくさん並んだ白い物体。

規則正しく並んでいるような、いないような・・・。

 

なんだかよくわからないけれども、きれい・・・。

ところで、これってなに?

 

これは、世界的に有名な学術論文誌Nature の10月10日号の表紙を飾ったものなのです!!

じゃん!

20140127sasamoto_v3.jpg

 


 Natureの表紙ということは、自然科学と関係のある何かのはずですよね。

実はこの物体の名前はDALI2(ダリツー)という名前の検出器なのだそうです。

 

でもいったい何の検出器?

白く見えるのはなんなのでしょう?

 

なんだか気になるDALI2とやら。

ということで、埼玉県和光市にある理化学研究所内、仁科加速器研究センタにいき、

 

 

IMG_3049

 

Natureに論文を書いた研究者に聞きました!

 

 

教えてくださったのは、理化学研究所・仁科加速器研究センターの武内聡さんとデービット・ステッペンベックさん(現在は東京大学大学院原子核研究センター特任研究員)です。

 

ちなみに、デービットさんは英語で教えてくれました。以下ではそれを日本語にしています。

まず、武内さんに案内して頂き、DALI2を見せて頂きました。

これが実際のDALI2!

 

大きさは、こんな感じ。

 

プレゼンテーション1

奥行きも1メートル程度です。

 

 

なんだかNatureの表紙と少し違って見えるけど。

もっと近づいてみてみると、

 

 

IMG_3069

 

あ、見えてきた、例の白い物体!

反対側からみてみると、

 

 

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おおー。これこれ!きれいですなぁ。



 

Q. DALI2って何するものですか?

takeuchi

A.

目に見えないガンマ線を可視化する道具です。ガンマ線はレントゲンなどで使われるX線の仲間です。普段は目に見えないガンマ線ですが、このDALI2を使うとガンマ線が出てきたこと、そしてガンマ線のエネルギーもわかります。


 

Q. DALI2は何でできているの?

デービットwithDali2

A.

DALI2の実体は、ヨウ化ナトリウムという蛍光物質と光電子増倍管という機器です。白く四角く見えているアルミニウムの中にヨウ化ナトリウムが入っています。そこについている丸いものが光電子増倍管です。

検出器に入ったガンマ線は、検出器を構成しているヨウ化ナトリウムの原子にあたって、「光」を発生させます。この「光」を電流に変えて、計測機器で測定します。

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提供元 理化学研究所

Q. DALI2が白いのは、何か意味があるの?

 

デービット

A. 

写真などで見ると白っぽく見えますが、実は銀色です。ヨウ化ナトリウムでできた蛍光物質をアルミニウムで囲っているので、その色が見えています。ヨウ化ナトリウムは湿気に弱いため、湿気から守るため、アルミニウムで囲っています。

 

Q. ガンマ線はどこを通っていくんですか?

 

takeuchi

A.

実験するときには、下の写真のようにDALI2の中心にパイプを入れます。パイプを囲むようにDALI2をおきます。

 20140127sasamoto_v2.JPG

提供元 理化学研究所

そのパイプを入れた時を見やすく画像にすると下のようになります。

ガンマ線は下の図で丸で囲んでいる付近から出てきます。矢印に表されるように、ガンマ線は四方八方に飛んでいきます。下図で丸く囲んでいる場所には炭素などの板(私たちは標的と呼んでいます)がおいてあります。それを、計りそびれないように、まわりをDALI2で囲んで測定します。

スライド2

提供元 理化学研究所

 

Q. Natureにのるってことは、きっと難しい研究されたんですよね?その検出器で何したの?

 

デービットwithDali2

A.

とても簡単にいうと、加速器を使って、研究したい粒子を飛ばし、かたい標的にぶつけました。そのとき、ガンマ線が出てくるのですが、そのガンマ線をDALI2を使って測定したんです。その結果、中性子について34という魔法数を新しく見つけることができました。


 

DALI2を使って原子の中にある原子核の性質を研究されているということです。

 

原子核は陽子と中性子でできています。陽子と中性子の数が、2,8,20といった数になると、原子核は比較的安定になります。この数を「魔法数」と呼んでいて、陽子と中性子両方とも魔法数のものは特に二重魔法数と呼ばれ、より安定な原子核が多くあります。

これまでに、2,8,20,28,50,82,126という数が知られており、1963年にはこの魔法数を証明したマイヤーとイェンセンはノーベル賞を受賞しています。

今回は、今までに知られていなかった34が新たな魔法数であることを発見したそうです。


 

Q. 白い四角の並び方に意味はあるの?

takeuchi

A.

ガンマ線をとりこぼさないように、なるべく隙間なく白い四角を並べたいところ。しかし、実際には作業をするスペースや限られた白い四角の個数を考えると、完全に隙間なく並べることは難しい。作業に必要なスペースを確保しつつ、ガンマ線をより多く測定できるようにコンピューターシミュレーションで求めた配置にしてあります。



 

Q. 他にDALI2みたいな検出器ってあるんですか?

 

デービットwithDali2


 

A.

ガンマ線を測定する装置は、DALI2以外にも色々あります。ヨウ化ナトリウムではなく、例えばゲルマニウムを使ってガンマ線を測定しようとする場合もあります。

DALI2はよりガンマ線をたくさん測定したい場合に適していて、ゲルマニウム検出器はガンマ線のエネルギーをより正確に測りたい場合に使います。

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東京大学大学院原子核研究センター下浦・井手口研究室が開発した「GRAPE(グレープ)」という名前のゲルマニウム検出器。(写真は上記研究室のHPより)

 

 


 

Q. いろいろお話聞いて、ずっと気になってはいたんですが、なんでDALI2(ダリツー)って名前なの?「ダリ」ってきくと芸術家のあの方を思い浮かべるのですが・・・。関係あるの?

 

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takeuchi

A.

みんながすぐに思い浮かべる方の「ダリ」とは関係ありません(笑)。

Detector Array for Low Intensity radiationの略です。2は、二代目という意味です。以前は、DALI1というもありました。


 

今後は、またDALI2を使って実験をやるんですか?

展望をきいてみました。

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A.

今後、今回の実験とは違う粒子を加速器で飛ばして標的に当て、出てきたガンマ線をDALI2を使って測定します。そして、新しい魔法数を見つけます!こうご期待!


 


 

理研仁科センタープレスリリース

により詳しくありますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。

 

また、最近では、今まで知られていた魔法数28が消える?!という研究結果も報告されています!え?今度は魔法数が消えちゃうの?詳しくは、

こちら

を!

 

もっと詳しく魔法数について知りたくなった!という方は、

「元素はどうしてできたのか」 櫻井博儀著 PHPサイエンス・ワールド

を是非!

 

魔法数の話しや理化学研究所で行われている最新の研究についても、とてもわかりやすく書かれています。今後の研究も楽しみですね♪

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