エネルギー問題を宇宙で解決?!

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エネルギー問題を解決する方法が、意外なところにあることを、最近知りました。

それはなんと宇宙!

その名もSpace Solar Power Systems(SSPS)、日本語では宇宙太陽光発電システムといいます。

みなさん、ご存じですか?

早速、その詳細を紹介します!

<SSPSの仕組み>

①宇宙で太陽光発電

赤道上空36000kmの静止軌道に大型の反射鏡を設置。

この反射鏡で太陽光を集め発電します。

②マイクロ波やレーザーで送電

作られた電力はマイクロ波レーザーで地上に送電します。

③地上で受電・変電

海上に設置したレクテナというアンテナで受電し、私たちが住むところまで送られます。

 

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SSPS(送電方法はマイクロ波)の概略図(松浦作成)

 

静止軌道上の宇宙では、昼でも夜でも太陽光が当たるので24時間発電ができます。もちろんエネルギー源は太陽光なので、二酸化炭素排出量は0

マイクロ波は雲を通り抜けることができるのでたとえ地上の天気が悪くても受電できます。

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夜になっても大丈夫!

 

!?これは有望なエネルギーでは!?

 

しかし、SSPSは多くの課題も抱えています。

 

<課題>

①宇宙に持っていく施設の軽量化

太陽光発電施設はもちろんとても大きなもの。たとえば、集光のための鏡は直径2kmと想定されています。重さの目標は1平方メートルあたり4.25kgであるのに対し、現在の技術ではその約10倍の重さにしか軽量化できていません。

 

②宇宙空間での大型構造物の組み立て、運用、維持

軽量化できたとしても、宇宙空間で組み立てをする必要があります。ここで活躍するのはロボットですが、無重力空間を地上で模擬することは非常に難しく、実際に組み立てられるかを確認することに苦労しているとか。

また、基本的に無人施設のため、万が一、故障したときには修理等に時間と大きなコストストがかかります。

 

③大型構造物の宇宙空間への輸送コスト

SSPSの施設全体は約10000t。

静止軌道までの打ち上げ能力は約4t。

現在H-ⅡAロケットは一回の打ち上げにつき約100億円

単純計算すると、約2500往復でその額、なんと約25兆円

宇宙に繰り返し打ち上げることにできる再使用型宇宙往還機(RLV)と低軌道と静止軌道の間の物資の輸送を可能にする軌道間輸送機(OTV)を組み合わせて輸送コストを抑えようと試算されているそうですが、それでも約300回のピストン輸送が必要になるそう。

 

④マイクロ波やレーザーを使うことに対する安全性

SSPSの発電量は100万kwと想定されています。原子力発電所に置き換えると、一基分程度。そのエネルギーがマイクロ波やレーザーに変換されて地上に届けられます。

マイクロ波で送電する場合は、受電するためのレクテナは約2km四方の広さが必要とされています。これはだいたいお台場がすっぽり入ってしまうくらいの広さとなります。


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未来館を中心としたとき赤い枠が大体2km四方

 

ここで、マイクロ波を受け取るレクテナの上を生き物や飛行機が通ったらどんな影響を受けるのか、人間がマイクロ波を長時間浴びたらどうなるのか、等、安全性に関して解明されていないことがいくつかあるようです。

 

<今後の展望>

実用化の目標は2030年代。今から20年後には新しいエネルギーとしてSSPSで作られた電気が使われるようになるかもしれません。

 

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そんな話を先月17日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)筑波宇宙センター主催「筑波宇宙センターが大人に贈る特別企画 3夜限定「宙トーク」~スペースドームで本音で語る宇宙開発物語~」の2夜目に参加して聞いてきました。

スピーカーはJAXA研究開発本部未踏技術研究センター高度ミッション研究グループ主任研究員の藤田辰人さん。

SSPSとは?課題は?展望は?とお話していただいて、最後は、SSPSの紹介動画で締めくくり。

 

トークを聞いて、なんだか夢のようなエネルギーだな、と正直思いました。

二酸化炭素排出量0のクリーンなエネルギーが、24時間供給される。

とても将来性を感じます

同時に、原子力のような存在にはしたくないな、と思いました。

原子力発電だって、導入された頃は二酸化炭素排出量の少ないクリーンなエネルギー、安全なエネルギーと謳われていました。けれど、福島第一原子力発電所事故は起こりました。

 

新しい技術は可能性もたくさんなら、わからないこともたくさん。

メリットがある一方で必ずデメリットだってある

いずれ、SSPSがエネルギー源の選択肢の一つになったとき、メリットデメリットを理解して、社会全体で選択できるようにしたい。

そのためにも、SSPSに関する情報・知識を、ここでわかりやすく発信していけたらいいなと思っています。

 

これからの展開に注目!なエネルギーのご紹介でした!

 

参考

JAXA 研究開発本部 高度ミッション研究グループHP

「筑波宇宙センターが大人に贈る特別企画 3夜限定「宙トーク」~スペースドームで本音で語る宇宙開発物語~」HP

 

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この記事への4件のフィードバック

SSPSはナンセンスなプロジェクトと思っています。

100万kWの発電所を25兆円という時点で、コスト的に見合わない。
30年運用するとして、
25兆円/(30*365*24*百万)=95.12円(←維持運用費ゼロで)

こんなバカ高い電力では日本の産業はやっていけない。
これなら、ふつうの太陽光発電の方がはるかにまし。

はれるん様

コメントありがとうございます。

もちろん、今のコストのままでは到底実用化できません。
これから、輸送費を含めコストダウンをしながら、実用化を目指す、
という段階の新しい技術だと思っていただけると嬉しいです。

まだまだこれからの技術ですが、
エネルギー問題を解決する一つの選択肢として、
SSPSが発展していくことを、私は期待しています。

エネルギー問題を宇宙で、あったので、
てっきり都知事選に立候補したドクター中松さんの話かなと思いました。

中松さんが言うのは、
どういう原理なのかは分かりませんが、
ニュートリノのエネルギーを電気と熱に変換しているそうです。

それが本当なら、昼も夜も、天気の影響も全く無く、
エネルギー問題が解決です!

SSPSとニュートリノ発電、どっちの実現が早いのかな???

ちゃろ様

コメントありがとうございます。

ドクター中松さんの提唱されるニュートリノ発電の仕組み、
残念ながら松浦はよく存じ上げないのですが、
ニュートリノそのものはとても捕まえにくい存在ですし、
捕獲、制御、等諸々のことを考えると、もし可能になるとしても、
私たちが生きている間には無理なのでは…
というのが松浦の感想です。

夢のあるエネルギーをこれからも探して行けたらいいですね。

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