ロンドンを巡って、科学に触れて

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はじめましてこんにちは。

今年春から未来館で科学コミュニケーターを勤める

陳 ドゥと申します!

 

・・・そうです、お気づきの通り、私は日本人ではありません!

高校卒業し、中国の北京から日本へやってきました。

東京工業大学で触媒化学と有機化学を勉強していました。

 

もともと「中国のキュリー夫人」と呼ばれるような、

化学分野での一流研究者を目指していましたが、

ある出来事をきっかけとして、

「科学をやるより、科学を語るほうが向いている」

と気づきました。これが未来館に来る決め手です。

 

そのきっかけは、

ロンドンでの科学コミュニケーションのインターンシップでした。

ロンドンに滞在したときに、さまざまな科学施設を見学していました。

 

ロンドンと言えば、ビッグベンやミュージカルを連想するでしょうが、

実はロンドンには科学と触れ合う機会もたくさんあります。

これからご紹介するのは、ロンドンサイエンスミュージアムなどの

メジャーな施設ほど知名度が高くないものの、

面白さ満載のロンドンの「科学の穴場」です。

 

まずは王立研究所のファラデー博物館をご紹介しましょう。

王立研究所(The Royal Institution)はイギリスの科学教育と科学普及に従事する組織です。

設立はなんと、1799年で約200年前のこと!

江戸時代の時に、イギリスではすでに科学コミュニケーション活動は始まっているんですね。

私が訪ねたのはその王立研究所のファラデー博物館(Faraday Museum)でした。

この博物館のキャッチコピーはこちらです↓

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Science Lives Here

直訳すると、科学はここで生きる。

なんてオシャレな~

 

王立研究所は設立されて以来、科学を一般大衆に広げようと、さまざまな活動を行ってきました。その中で代表的なものは、クリスマスレクチャーです。

 

クリスマスレクチャーは1825年から、毎年*クリスマスに開催される科学講座です。

青少年に科学に親しんでもらうのが、目的です。

(*注:1939年から1942年の間は第二次世界大戦のため中止)

 

ここはクリスマスレクチャーを行うホールです。

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コンサート会場みたいできれいなところです。

こちらのチラシは近年開催された脳科学に関するテーマです。

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ポスターはなかなかインパクトが強くて、興味をそそりますね。

 実は、このクリスマスレクチャーが、イギリス以外で唯一開催される国は、

なんと、日本なのです!

日本では「英国科学実験講座」という名前になっています。

東京のみならず、日本全国を巡ります。

日本での開催時期はクリスマスではなく、たいてい夏に行います。

 

ところで、クリスマスレクチャーを作り上げたのは、

電磁気学で有名なあの、マイケル・ファラデーです。

彼は約20年間クリスマスレクチャーを担当していました。

ファラデーは優秀な科学者でありながら、

すばらしい科学コミュニケーターでもありましたね。

下は、かつてファラデーが電気の実験に使っていた道具です。

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ファラデー博物館にはクリスマスレクチャーの会場以外に、

充実した科学展示がたくさんあります。

カラフルな元素周期表はかわいい~

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約100年前の実験道具を間近で観察できます。

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ファラデー博物館は旅行ガイドにあまり載っていないのですが、

入場無料の上に、科学を思う存分楽しめるところです。

 

次に賑やかなロンドンの都心部から少し離れましょう。

自然豊かなロンドン郊外にキュー王立植物園があります。

1759年にロイヤルガーデンとして作られました。

その後、世界中のイギリスの植民地から植物を採集し、

品種改良が行われていました。

今では世界で最大規模の植物園となっています。

2003年には世界遺産にも登録されています。

 

まず代表的なのは、このビクトリア風の温室です。

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中は植物が茂っていて湿気も高く、アマゾンの熱帯雨林に入ったかのような感じがします。

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階段を登ると、天井近くから植物を眺められます。

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また、地下に潜ると根っこを見ることもできます。

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ここで植物の根っこに寄生する動物の種類や生態が紹介されています。

このようなデザインのおかげで、植物の全体像を理解しやすくなっています。

さらに、植物の名札を見て感心しました。

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名札は無機質なもので、植物の景観を損ねることが多々ありますが、

ここでは名札の色を植物の色に合わせています

すると、名札は邪魔どころか、むしろ植物の一部になって調和します。

キュー王立植物園はまさに合理的な設計と細かな気遣いとおしゃれな色使いが絶妙に融合した場所です。

見学者には最高にリラックスできる環境です。

永遠にここで読書をしたかったな~

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私はロンドンで多くの科学展示を見て感動し、喜びを感じました。

科学は表現の仕方によってこんなに楽しくて面白いものになるのだと実感しました。

そこから、科学コミュニケーションにやりがいを感じ、

科学コミュニケーターを目指していました。

みなさんもロンドンに行ったら、科学に触れてみてはいかがでしょう。

それで、あなたも未来館の科学コミュニケーターを目指す日が来るかもしれません、ネ。

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