ani・ani (vol.4) 毛深い女はきらいですか

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冬だからって、むだ毛処理を怠っている、そこのあなた。

そもそも年中、気にしていない、ここのわたし。

 そんなに毛を気にするのは、もしかして人間だけかもしれませんよ・・・

 

 

♥ ご無沙汰おりましたので、まずはメンバー紹介から

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くまこ(熊谷香菜子) ani・ani 専属ナビゲーター/ウミウシを愛する海ガール

ぶっち (大渕希郷) ani・ani 専属アドバイザー/元動物園職員

あきな(堀川晃菜) ani・ani 編集長/2014年、うんちお姉さんの称号を獲得

 

♥ バックナンバーはこちら

創刊号 選ばれるメスの条件」

Vol.2 感じるフェロモン」

Vol.3 メダカに学ぶ恋の必勝法」

 

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あきな(以下、あ):冬って、むだ毛剃るの忘れるよね~。最近は、ユキのお手入れの方が大事かも。毛がモッサモサでさ!

くまこ(以下、く):ユキ・・・あ、うさぎね。(よかった)

:ついに表紙デビューだよ♥ それでね、冬にかけて毛が生え替わるかと思ったんだけど、見た目はそんなに変わってないんだよね~。まだらになることも覚悟してたんだけど。

ぶっち(以下、ぶ)カワリイワジリスっていうリスは、年中快適な毛皮を持っているらしいよ。

:かわいいリス?

:カワリイワジリス。毛の色と長さによって、周りから吸収する熱の量を調節しているんだって。

:繊維とか建築材料の開発に活かせたら人間も快適に暮らせそうだね!

こちらのwebページを参照しました

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カワリイワジリス ©Tadam at pl.wikipedia


:毛ね~。毛といえば、オオケマイマイとかいるよね。殻にめっちゃ毛が生えてるカタツムリ。

殻に毛!?

:えっ、オオケマイマイよくない?見た目もかっこいいよ!

:みたことなーい!

 

ということで、埼玉県立川の博物館 藤田 宏之さんより写真をご提供いただきました!

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クロイワオオケマイマイ ©藤田 宏之さん

 

:おおっ!ほんとだー!よく見ると白っぽい毛が生えている!

:あれ?見たことないですか?そっか。日本では西の方に生息しているからね。

(このメンバーではぶっちさんのみ、西の出身でした。)

:この毛は何のためにあるんだろうね?

:(検索中・・・)保湿に役立てているんじゃないかって。

:でもカタツムリって、殻は乾いても平気だよね?

:オオケマイマイは、特に乾燥に弱いんじゃない?水分を吸収しようとしているのかな。

:人も毛深いと保湿されるのかなー(じゃあ、腕毛も剃らなくていいよねー?)

:それはどうだろう・・・ね

 

ということで、千葉県立中央博物館の黒住耐二さんに、オオケマイマイの毛について教えていただきました!

オオケマイマイ以外にも殻に毛を持つ貝はいろいろいますが、貝類の殻に生える毛の機能に関して「定説」と呼べるものはないのです

オオケマイマイ等の毛は、殻皮と呼ばれる殻の外に貝が作り出す "膜のような物質" です。考えられることとしては、

(1)毛に土の粒子などの「ごみ」をくっつけて隠蔽効果を持たせる

たとえば、ヤマタニシは幼貝のときだけ、殻に毛を持っているので「泥まみれ」になります。泥まみれになることで、周りの環境に見た目がなじみやすくなるわけです。

一方、オオケマイマイは幼貝にも成貝にも毛がありますが、あえて「ごみ」をつけているかは不明です。オオケマイマイなどには「ごみ」をつける祖先種がいるので、毛だけが形質として残っている可能性もあります。

(2)殻の輪郭に沿って毛を生やすことにより、輪郭を曖昧にして隠蔽効果を持たせる

地表やコケの生えた樹幹などにいる場合、オオケマイマイのような毛があると輪郭がぼやけて見えるので、捕食者に見つかりにくくなります。ちなみに、オオケマイマイ等、毛の生えている貝ではほとんどの場合、歳を取ると、毛が落ちて(摺れるなどして)禿げてきます

「毛があることで、必ず生き残りやすくなる」という訳ではありませんが、海の巻貝でも、毛/皮の発達するものがありますよ!

気になる方は、カコボラ、トウマキボラ、ヒゲマキナワボラ等をチェックしてみてください。

黒住さん、詳しく教えていただき、ありがとうございました!(毛のある貝にシンパシーを感じました!)

 

:そうだ!毛といえばさ、ゴエモン(略)の胸毛だよ!

:深海生物のゴエモンコシオリエビですね!(私でも知っているのは、未来館に標本があるからなのです!ご興味のある方、ぜひ未来館でスタッフに声をかけてください。) ※コシオリエビ類は、エビではなくヤドカリのなかまです。

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ゴエモンコシオリエビShinkaia crosnieri (背中側) ©大渕希郷

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ゴエモンコシオリエビ(胸毛のあるお腹側) ©大渕希郷

 

:こいつは胸毛についている細菌を食べて生きているんだよ!役立つ胸毛

 ☞ 深海動物と外部共生菌の関係性を、世界で初めて実証した成果としても注目されています!詳しくはJAMSTECのプレスリリースをご覧ください。ジュニア向けのwebページもおすすめです。

 

:あと、わりと最近、腕下がすごいやつも見つかったよ。雪男みたいだからイエティーコシオリエビっていうやつ。

 

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イエティーコシオリエビ Kiwa hirsuta © Wikimedia Commons

 

:わお!

:腕毛もモジャモジャで、ひくでしょ!

:そうね~ぶっちさんといい勝負だね!そういえば、ぶっちさん、前にシロクマの毛のブログで、キューティクルが整った美毛を披露していたよね。

:そう!シロクマの毛と、人間の毛を比べてみたんです。

:しかし、このイエティは腕がながいねー!ゴエモンコシオリエビの親戚?

: ゴエモンコシオリエビと同じコシオリエビの仲間だけど、ゴエモンはシンカイコシオリエビ科、イエティーはキワ科でちょっと違う。イエティーは、イースター島の深海の熱水噴出口の近くで発見された新種で、キワ科のコシオリエビ自体まだ2種しか見つかっていないよ。

☞ 2005年発表の原論文はこちら。腕毛の様子など、画像が多数掲載されています。

 

:そうだ。私も思い出した。ケブ・・ケブカ・・・ケブカヒメ・・ケブカヒメヨコバサミ

毛深姫!?ひどくない、それ?

:ケブカヒメヨコバサミ(漢字で書くと、毛深姫横鉗)。ヤドカリだよ。

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ケブカヒメヨコバサミ © Wikimedia Commons

 

:あと、ケブカガニにも、いろんな種類いるよね

:なにそれ、ケガニより毛深いの?

:あと、スベスベケブカガニとか

:どっちだよ!

:毛深くない、ケブカガニなの。

:スベスベといえば、スベスベマンジュウガニとか(※こちらはマンジュウガニ属)

:マンジュウかよ!

※ 猛毒です。マンジュウという名前だからといって、決して食べないで下さい!※

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スベスベマンジュウガニ © Wikimedia Commons

 

:それにしても、って奥が深い。熱を調整したり、毛に食べ物を飼ったりさ。

毛に学ぶことが、こんなにも多いとは思わなかったなー。自分の毛も、大切にしよう♪

 

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12月生まれのあなたは「ハナサキガエル」

恋の季節、到来!12月から3月が勝負どき。高台に住まうあなたは滝壺で恋に落ちるでしょう。滝壺への道中はヘビにご注意を!

恋の合い言葉は、ピッチョッ♥

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ハナサキガエル © Wikimedia Commons

 

 

【編集後記】

「表紙はウサギだったのに、全く関係なかったじゃないか!」と思われた方。(再び表紙をご覧ください↑)その通りです。我が家の長毛ウサギ(ジャージーウーリーの雌)、ユキちゃんです。 今後とも登場する予定なので、よろしくお願いします♥

さて、日本人の女性は、むだ毛を気にする人が多いようですが、中国出身の同僚、陳ドゥショウさんに話を聞いたところ、(最近はファッション面で気にする若い人もいるようですが)中国では気にしない人が多いようです。毛に対する価値観にもお国柄がありそうで、そちらも興味深いですね。

そして最後にお詫びです。Vol.3で「1.5ヶ月に一回」と宣言したのに・・・ごめんなさい!2014年3月を最後に、まったく更新できていませんでした(涙) 過去の記事に対して、皆様からいただいたTwitterやブログでのコメントを読み返し、奮起しました!なんとか2014年内にギリギリ間に合いました。来年は、もっと多く、さらにおもしろく、見た目も雑誌に近づけられるよう精進したいと思います。これからも、どうぞよろしくお願いいたします!

~ani・ani (vol.4)  おしまい~

 

《ブログ管理人より》

今年も1年間、科学コミュニケーターブログをご愛読いただき、ありがとうございました。皆さまからいただくコメントは、ご批判も含め、すべて書き手たちの"やる気"になっております。来年もどうぞよろしくご指導のほど、お願い申し上げます。

皆さまにとって2015年がすばらしい年になりますように。どうぞ、良いお年を!

 

※コメントをする際は「ブログへのコメント投稿について」をご覧ください

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この記事への2件のフィードバック

毎号、くすっと笑いながら、楽しんで読んでます。それなのに、なーんにもメッセージを送らなくて、ごめんなさい。ani-aniのスタンス、大好きです。もっともっと悪のりして突っ走ってください。もっともっと科学が好きになりそうです。

みゅーき様

メッセージありがとうございます!
嬉しくって、じーんとしました。本当に励みになります。

ani・ani をもっともっとお楽しみいただけるよう、
科学にもっともっと親しみを感じていただけるよう、突っ走っていきます!
これからもどうぞよろしくお願いします。

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