台湾の農村で考えた "グローバル化ってなんだ?"

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ニーハオ! 谷です。

...いや、これ、一度やってみたかったんですよ。冒頭の挨拶。

でも「こんにちは」じゃ芸がないし、一時的に住んでいたからといってエセ関西弁使うのもなんだかなぁ、だし。



というわけで、中国語の挨拶で始めるのは、2月上旬に休暇をもらって旅をした台湾のお話です。

農耕民族の大家族と食事をすると、最後に意外な展開が・・・



【台湾東部の米どころ、池上の小さな集落へ】

今回の旅のテーマは「暖かい台湾南部をぶらぶらする」こと。

鉄道で西海岸から東海岸へ抜け、米どころの池上というところにやってきました。

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田植えの季節を迎えた水田が、小高い山に挟まれた平野に広がっています。

信州の安曇野や伊那谷に近い雰囲気を感じました。

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池上付近の車窓から


宿で自転車を借りて散策に出かけると、ひとつの集落がありました。

のどかな、土曜日の午後。

子どもたちが道路で遊び、大人たちが家の前で焚き火を囲んでいました。

子どもたちの母親でしょうか、笑顔で、しかし中国語で話しかけてくれました。



女性:「你好(ニーハオ)、●×■▽●×■▽●×■▽●×■▽」

谷:「えーと、、、聴不憧(ティンプトン=分かりません)」

女性:「●×■聴不憧■▽■▽●日本人!■▽■▽、****(焚き火を囲んでいた老婆を呼ぶ)」



すると老婆が近づいてきて、優しい顔で「あんた、日本か?ひとりで来た?」と言いました。


【焚き火と日本語と食事に感じる歴史と文化】

台湾は日本に統治されていた歴史があり、70歳を超えるくらいの年配の方は小さい頃に教育を受けた日本語を流ちょうに話します。

日本に良い感情を抱いている人が多く、日本人は好意的に受け入れられることがほとんどです。



老婆:「ここはアミ族の部落。アミ族は、家族みんなでご飯食べる。あんたも食べるか?」


アミ族は農耕が得意な、台湾の「原住民族」*のひとつ。

私はその文化にも、日本語を話す人たちにも興味を抱き、ご馳走になることにしました。


ごまだれをかけたレタスと、マメとタマネギの炒めと、焼酎で煮た豚肉(というか、豚肉入りの焼酎と言った方が正確)、そしてご飯。

質素でシンプルな料理は、昔からあまり変わっていないようでした。

大皿から、お椀に取り分けていただきます。



「アミ族の料理、とても簡単。これは、マメでしょ。これは、・・・なんだっけ?」

「タマネギですね」

「あんた、結婚は?まだ?この部落、若い娘いる」

「えーと、、、、、それは素敵なことですね」

「アミ族、みんな田んぼで働く。家族大きいでしょ。これは、ふんけ(分家)、こっちもふんけ、そこが本家」

「おばあちゃんたちは、みんな日本語が分かるの?」

「昔、学校で教育受けるでしょ」


日本語に加え、片言の中国語と筆談、旅の会話集も駆使して、いろいろな話をしました。

私とちょうど同い年の男性が、野球のマネをしながら、「アイム イチロー!」と言いました。

食べ終わった子どもたちが、「かーごめ、かごめ」と日本語で歌い始めました。



約20人の大家族で、焚き火を囲み、シンプルな食事を楽しむ。

どこか懐かしい、昭和を感じるような、素敵な時間でした。

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大家族で焚き火を囲んで



【別れ際に・・・】

夜も更けてきたので、宿に戻ることにしました。

すると、"イチロー"さんがスマートフォンを取り出して、言いました。


「フェイスブック!」


私が撮った記念写真を、シェアしてほしいというのです。

SNSが日本と同じように普及していて、簡単につながることができるという事実。

冷静になれば当たり前ですが、さっきまでの懐かしい時間とのギャップを感じました。



私たちは、西洋化、工業化を経て経済力を高め、その先で情報化やグローバル化を経験しています。

しかし世界の中には西洋化や工業化といった変化よりも先に、情報革命によって世界とつながるケースの方が、むしろ多いのでしょう。



昔ながらの生活や習慣、伝統文化を残したまま、未来へ向かっていく。

それはとても良いことだし、少々うらやましいことでもあるかもしれません。



世界のさまざまなところがつながる、これからの時代。

生活や文化の多様性を大切にしていくことこそ、グローバル化なのだろう。



台湾の人たちのホスピタリティが、そんなことを教えてくれた気がしました。


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*「原住民族」という表現は、台湾政府(中華民国)が定める公式の定義に則っています。


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