動詞で考えてみよう
 ~好きなこと(たとえば宇宙)を仕事にするために~

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名詞(好きなこと)に動詞を掛け合わせて考えると、

イメージが少し明確になるかもしれません。



たとえば「宇宙」が大好きだったとして、どんな研究や仕事や活動があるでしょうか?



「宇宙」は、名詞。分野・フィールド・業界などに当たります。



その「宇宙」という名詞に、どんな動詞を掛け合わせることができるでしょうか?

少し、考えてみてください。



「宇宙を○○する」

「宇宙に○○する」

「宇宙で○○する」



答えはきっと、たくさんあると思います。

まず、未来館がお伝えしている科学と技術の分野で考えていきます。



【宇宙を解き明かす方法は見る、行く、つくる】

宇宙を「科学する」。

言い換えると、宇宙を「知る・調べる・解き明かす」ということになるでしょう。好奇心がくすぐられます。

具体的に、どんな方法があるのか。

未来館の宇宙関連の展示で見てみましょう。


まずは、こちら。

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すばる望遠橋の模型(常設展示「フロンティアラボ」より)と、
すばる望遠鏡による撮影画像©NAOJ and HSC Project

望遠鏡は宇宙を「見る」装置。「観測する」とも言えます。

最先端科学は望遠鏡を通じた撮影が中心ですが、歴史的には肉眼の観測からもさまざまな発見がありました。「見る」は、宇宙を知るための、もっとも身近な方法かもしれません。



続いて、これ。

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常設展示「こちら、国際宇宙ステーション」より

地上400kmの宇宙空間にある国際宇宙ステーションの実物には、宇宙飛行士がいます。宇宙飛行士は、宇宙へ「行く」仕事。そこでさまざまなミッションに取り組み、宇宙科学や技術開発に貢献しています。



そしてこちらも、宇宙コーナーにある展示です。

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常設展示「加速器でさぐる素粒子と宇宙」より

加速器は、宇宙を「つくる」 (正確に言えば「再現する」)装置とも言えるのです。

「見る」「行く」に比べ、少々わかりにくいので、補足します。

加速器は、目に見えない小さな粒子(素粒子)を電磁力で加速させ、衝突させ別の素粒子を発生させます。これは、宇宙の誕生直後の膨大なエネルギーに満ちあふれた状態によく似ている、と考えることができます。極限まで小さなスケールを調べ、広大な宇宙の成り立ちを解き明かすのです。



【宇宙に関わるものをつくる技術】

続いて、科学技術の「技術」を考えてみましょう。

「ものづくり」は、宇宙を科学する(=見る・行く・つくるなど)ための装置を「つくる」が動詞になります。



たとえば、望遠鏡を「つくる」技術が発達するほど、宇宙をより詳しく「見る」ことができるようになります。

宇宙へ「行く」ロケットや探査機も、技術者が主語なら動詞は「つくる」になります。


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常設展示「フロンティアラボ」よりロケットエンジン


加速器も、(「つくる」が2回出てきて少々ややこしいですが)「宇宙をつくる加速器」を「つくる」技術が必要です。



また、「つくる」はさらに「アイディアを出す」「材料を探す」「設計する」「形にする」などに細分化され、それぞれの専門家がいることだってあるでしょう。



【ほかにはどんな動詞が?】

未来館の展示で考えただけでも、科学と技術に関するいろいろな動詞が出てきました。


(ちなみに、科学と技術には、機器などを「つくる」技術により、より詳しく「科学する」ことができるようになり、結果としてまた新しい技術が生まれる――そんな関係にあります。)


これまでに挙げた以外にも、宇宙を「理論で計算する」「描く」「哲学する」など考えられます。そして将来はもっと身近になった宇宙を「利用する」とか、宇宙で「生産する」とか、掛け合わせることができる動詞がさらに増えていくことでしょう。



【あなたの好きな名詞でも試してみて】

名詞は同じでも、さまざまな関わり方があります。

そして動詞で考えると、自分の将来像はきっと、イメージしやすくなるはずです。


皆さん自身の興味がある名詞(「動物」「サッカー」「ふるさと」など、何でも良いと思います)を思い浮かべ、掛け合わせる動詞を探してみてください。

好きな動詞から考えてそれに合う名詞を探してみたり、好きな名詞と動詞を別々に思い浮かべてから少々強引にでも掛け合わせて何ができるか考えたり、という方法も面白いかもしれません。




最後に、私の高校時代の思い出をひとつ。

卒業間近のころ、工学部への進学を決めたクラスメートが勢い良く言いました。「オレは宇宙が好きだから、大学でロケットを飛ばすために勉強するぞ!」。私が星を見に行こうと誘っても、撮ってきた写真を見せても、ほぼ無関心だった彼の宣言に、私は「なんだよ、宇宙なんか興味ないんじゃなかったのかよ」と思いました。

でも今になってみれば、彼は「行く」や「つくる」に興味があり、私は「見る」や「撮る」が好きだった、それだけのことなんですね。



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宇宙を「見る・撮る」は今も、趣味として楽しんでいます


そして私が、30歳を過ぎて選んだのは、「宇宙」を「伝える」ことができる科学コミュニケーターの仕事でした。このあたりの話も、また機会があったら書いてみたいと思います。



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(2017年2月追記)
本記事は、以前の転職活動や同僚との会話で出合った考え方を踏まえて書きました。

関連サイト

天職探し心理学
http://happy-career.com/

Z会ブログ:フリーライター小谷祐子の「職業を考える」
http://www.zkaiblog.com/obstaff/7933



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