私が見たタフなロボットの魅力

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みなさん、こんにちは。科学コミュニケーターの眞木まどかです。



「ロボット」と聞くと、何を思い浮かべますか?



鉄腕アトムや、ドラえもんといったアニメのキャラクターかもしれません。あるいは、未来館で活躍する二足歩行型ロボットアシモかもしれません。




今回ご紹介するのは、「タフな」ロボットです。




読売新聞主催の参加者限定のフォーラムで、東北大学の田所諭先生からお話を伺う機会をいただきました。



田所先生は、事故後の福島第一原子力発電所で、人間に代わって現場の情報収集を行うレスキューロボットQuinceを実働させた実績をお持ちです。http://www.rm.is.tohoku.ac.jp/quince_mech/



そんな田所先生が取り組んでいるのがImPACT(革新的研究開発推進プログラム)「タフ・ロボティクス・チャレンジ」。名前から察しがつくように「タフ」なロボットをつくるプロジェクトです。

詳しい内容は、こちらのURLをご覧ください。

http://www.jst.go.jp/impact/program/07.html





タフなロボットが必要とされる背景には、日本は特に自然災害に遭うリスクを常に抱える国であることが挙げられます。自然災害だけではなく、人的災害のリスクも無視できません。



また、いったん災害が起こると、人間が人間を助けるのに限界があることもみえてきます。災害現場には危険な箇所がいくつもあり、近づくのが困難な場面も多いです。そのために救助が遅れ、人命を救えない場合もあるかもしれません。



田所先生が取り組む「タフ」なロボットたちは、人間には限界となる壁を越えることが期待されています。





つまり、ここでいう「タフ」とは...

1, 極限環境に入り込んで作業できること

2, 極限の状態であっても「聞こえない」「見えない」の問題はないこと

3, 動作停止から、または転倒などの失敗から自力でリカバリーできること

4, さまざまなきびしい環境で動作できること



だそうです。





田所先生は、講演の中で数種類のタフなロボットを紹介してくださいましたが、一番私の心に残ったロボットは「索状(さくじょう)ロボット」です。



このロボット、見た目はキューブがいくつか数珠つながりになったロボットです。いかにもロボットらしい姿ですが、その動きはへびのよう!ぎゃー。

20160908_maki_01.jpg

(写真提供:田所諭)



破裂する可能性のある配管を這わせて、内部の状態を読み取ることも可能です。また、倒壊した建物の中に入れ、先端につけたカメラの映像をたよりに人間が遠隔操作しながら中に閉じ込められた人を見つけ出すことも可能です。





すごい!!これらのロボットがあれば、従来はなかなか救助できない場面でもすばやく助けに行くことができ、犠牲者を減らすことにダイレクトに貢献できそうです。



さらに興味深いと感じたのは、災害現場では、ロボットは人間が使う道具であって、ロボットは人間が不得意なことを肩代わりする、つもり、いわば役割分担をするということです。倒壊した建物にいる人を助ける例でいえば、閉じ込められた人がいないかどうかを探し、その居場所を特定するのは、ロボットの役目。そこから実際に助けるのは人間ということになります。でも、人命を助けるという目標は両者に共通しています。



人間ができないところにはロボットに助けてもらう。ロボットにできないところは人間が行うという共生関係といえそうです。





田所先生はご講演の最後に「人をさらに幸せにするのかをよく考えてほしい、ロボットや人工知能が社会に何ができるかを考えてほしい」といったメッセージを発信されました。



技術の1種類であるロボット。それを使ってどんな未来を描くかは、社会と科学をつなぐ科学コミュニケーターの出番かもしれません!でも、現代で暮らす全員が田所先生のメッセージを考える役割を担っているとも言えそうです。





日本科学未来館にもロボットの展示があります。ぜひ見に来て頂き、ロボットと私たちでつくる未来について、一緒にお話しませんか。

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